システム開発契約では契約書が超重要!3大チェックポイントとは?

2014/07/19

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自分がベンダーとしてシステム開発を行う人、ユーザーとしてシステム開発を委託する人は多いはずです。ただ、システム開発は、紛争になって「泥沼化」することが非常に多いタイプの契約です。スモールビジネス事業主も、システム開発契約を締結する際には契約書を慎重に作成したり、チェックしたりする必要があります。


システム開発契約は「紛争の泥沼化」が多い

「システム開発契約を締結したのに、 納期になっても開発が終わらない......」というのは、ベンダー側にとってもユーザー側にとっても問題です。しかし、さらに法律的な紛争にもなってしまったら、もう目も当てられません。
システム開発契約から生じる紛争の「泥沼化」は、契約書によって防止することが可能です。だからこそ、契約書の作成や、相手が作成した契約書のチェックが非常に重要なのです。

JEITAのモデル契約書サンプル

引用:『JEITAのモデル契約書』

システム開発の契約書チェックポイント

「契約書なんてネットで探したテンプレートを埋めるだけで良い」「相手から渡された契約書にそのままサインすれば良い」というのは、特にシステム開発契約においては、非常に危険です。

システム開発は、極めて個別性が高いタイプの契約です。また、残念ながら、開発が遅れに遅れて最終的に頓挫する危険もあります。万一そうなってしまった場合に問われるのは、「この契約は具体的にどのような契約だったのか」ということです。

そして、どんなに口頭でのミーティングを重ねたとしても、事後的に振り返った時に「客観的な証拠」と言えるのは、結局契約書だけ......という場合が多いのです。

自分がベンダー側であれユーザー側であれ、「自分がどのような契約を締結したのか」ということを、可能な限り明確に契約書に記載しましょう。実務上、特に問題になるケースが多い3個の点について解説します。

チェックポイント1:報酬の支払時期はいつか

システム開発契約では、報酬の支払い時期が2通りあり得ます。仕事の完成時か、労務提供後か、ということです。すなわち、

  • 仕事の完成時→ベンダー側がすべき事をしたとしても、結果としてシステムが完成しない限り、報酬を請求することはできない
  • 労務の提供後→ベンダー側がすべき事をすれば、システムが完成しなくても報酬を請求することができる

という違いです。本件の契約がどちらのタイプなのか、契約書上で明確になっているでしょうか?

チェックポイント2:契約内容は明確になっているか

実際に裁判にまで発展する紛争の多くは、「そもそもベンダーが何を開発することになっていたのか不明確である」というケースです。

例えば、

  1. ユーザーのシステムが現時点で抱えている「ある問題」を
  2. ベンダーが「ある手段」で解決する

というシステム開発だとして、1の「問題」や2の「手段」が何なのか契約書上で明らかにされていないため、事後的に

  1. その「問題」は契約締結時に明らかにされていなかったのではないか
  2. その「手段」を採ることは契約締結時に合意されていなかったのではないか

といった点で争いになり、交渉がまとまらず、裁判にまでなる。......というケースが、実際問題として多いのです。

契約締結時には、「問題」「手段」について、可能な限り具体的に契約書上に明記しておきましょう。「契約書として体裁が悪い」などと気にするよりは、明確性を優先すべきです。

例えば、「データベースに格納されているデータ間に整合性がない(整合性がないデータを格納してしまうという問題がある)」ということが「問題」だという場合なら、

  • 整合性がないことによって発生する問題は何か
  • 実際のデータベース内データをベンダーに開示して「問題」の所在を明らかにしたかどうか
  • それを解決すべき「問題」であることが契約内容として合意されていたかどうか

といった情報が、契約書(や添付された資料)から明らかになっているでしょうか?

チェックポイント3:プロジェクトマネジメント義務とユーザーの協力義務の存在及び範囲

システム開発は、ベンダーとユーザーの共同作業です。契約締結時に予定されていなかったトラブルが生じ、開発が正常に進行しなかった場合には、ベンダーとユーザーが相互に協力しながらトラブルを解決する必要があります。

トラブルが生じた場合、ベンダー側には要因発見や対処を行う義務(プロジェクトマネジメント義務)があり、ユーザー側にはベンダーから示された懸案事項を解決する義務(協力義務)がある、と考えられています。

これらの義務が双方にあること、一方が義務を果たさなかった場合には損害賠償責任を負う旨が、契約書に規定されているでしょうか?

「想定外の問題が生じた場合」の話ですから限界はありますが、「義務の範囲」を可能な限り明確なように記載することをおすすめします。

弁護士 河瀬 季かわせ とき

河瀬季

コスモポリタン法律事務所(東京・音羽)所属。東京大学法科大学院卒業。起業支援など企業法務を得意としており、中小企業などのスモールビジネス事業主に対する、資金調達や労働問題などを含む各種の法務アドバイスなどを行っている。また、エンジニアやテック系ライター、ITベンチャー執行役員の経験がある元IT関連フリーランス・理系出身者であり、特許法などの知的財産法や、電子商取引・ドメインを巡る紛争など、IT法にも強い。個人サイトは「tokikawase.info」、Twitterは@tokikawase

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