スモールビジネス事業者にとっての「商標権」の重要性

2014/07/19

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「商標権」という言葉、聞いた事はあるはずです。しかし、「有名な企業にとっては重要かもしれないけど、自分には別に関係がない」なんて思っていませんか? しかし商標権は、スモールビジネスの立ち上げ当初からチェックすべき権利です。分かりにくい「商標権」の概要や長所を分かりやすく解説します。


商標権はどんな権利なのか

「商標」とは、商品やサービスに付ける標章のこと。平たく言えば「弥生会計」や「弥生株式会社」のことです。

商標権は、「出所識別機能」を守るための権利だと説明されます。例えば、PCショップのソフトウェアコーナーで「ヤヨイ会計」といった偽物が売られていたら、PCに詳しくないユーザーは、「これが有名な会計ソフトかな」と思い、誤って購入してしまうかもしれません。商品名やサービス名等が持つ、「その商品等の提供者が誰か識別する機能(=出所識別機能)」を守る権利、ということです。

そして、「商品やサービス」と言われると、「シャンプー」とか「宅配便」といったものをイメージしがちですが、例えばアクセサリーだって「商品」ですし、ラーメンを提供すること(ラーメン屋)だって「サービス」です。「商標権」は、スモールビジネスを考えている個人事業主や会社経営者にも関係がある権利なのです。

スモールビジネス事業主にとっての商標権

スモールビジネスを考えている個人事業主や会社経営者にとって、「商標権」は、二つの点で重要です。

まず第一に、自分がリリースしようとしている商品やサービスについて、既に他人が商標権を持っていないか、ということです。もし誰かが商標権を持っていると、せっかく自社製品やサービスが話題になっても、商標権者から「その名称を使うな」と使用を禁止されてしまいますし、損害賠償請求を受けることにもなりかねません。リリース前に必ず、その商標が既に取得されていないかチェックしておきましょう。

そして第二に、自分が商標権を得れば、競合他社が自分と同じ、又は類似する名称で商品やサービスをリリースすることを禁止できる、ということです。商標権は基本的に「早い者勝ち」です。遅くとも自社製品やサービスが売れ始めた時、できればリリース時に商標権を取得しておきましょう。

商標権の取得方法と効力とは

商標権は、申請を行って審査を受け、審査に通ることで発生します。そして商標権によって得られる効果は

  • (A)日本全国の他の企業等に対して、
  • (B)自分と同一又は類似する分野(区分)での、
  • (C)自分と同一又は類似する名称(標章)の利用

を禁止することができる、というものです。

ポイントは(A)です。「商標権」と似たものに「商号登記」がありますが、「商号登記」は、自分と同一の市区町村内の企業等に対してしか効力を持ちません。例えば、ラーメン屋の「弥生屋」商号を登記しても、隣の市で同じ名前のラーメン屋を出店されることを禁止できません。商標権であれば、全国のラーメン屋に対して「弥生屋」という名称の利用を禁止できるのです。

商標権の効力が及ぶ範囲

商標権の効力が及ぶ範囲

同一の名称及び分野については「自分だけがそれを使用する権利(専用権)」を与えられ、それ以外の3箇所については「他人がそれを使用することを禁止する権利(禁止権)」を与えられる。


商品やサービスをリリースする際には、その名称と分野(区分)で商標権が既に取得されていないかをチェックし、可能な限り速やかに取得しましょう。商標権の登録情報は、「特許情報プラットフォーム 」で検索可能です。

弁護士 河瀬 季かわせ とき

河瀬季

コスモポリタン法律事務所(東京・音羽)所属。東京大学法科大学院卒業。起業支援など企業法務を得意としており、中小企業などのスモールビジネス事業主に対する、資金調達や労働問題などを含む各種の法務アドバイスなどを行っている。また、エンジニアやテック系ライター、ITベンチャー執行役員の経験がある元IT関連フリーランス・理系出身者であり、特許法などの知的財産法や、電子商取引・ドメインを巡る紛争など、IT法にも強い。個人サイトは「tokikawase.info」、Twitterは@tokikawase

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