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法人が注意したい交際費と会議費の違い

2021/03/31更新

この記事の執筆者柳原つつじ

経費にできるのか、どうか――。もっとも判断が難しいのが「交際費」ではないでしょうか。その企業の業種によっては、仕入先や事業の関係者に対して、接待を行う機会などもあるでしょう。どんなケースが接待交際費にできるのか。また、性質が似ている「会議費」とは、どこが違うのか。法人の場合の交際費について、注意すべき点を解説していきます。

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POINT

  • 1人あたり5,000円を超えない場合は、「会議費」で飲食費を経費にできる場合もある
  • 会議費にする場合、人数や場所など要件を満たした領収書が必要
  • 法人は交際費に上限があるので、接待交際費ではなく、会議費に計上することで節税できる

交際費とは?

「交際費」は、税法上、以下のように定められています。

「交際費、接待費、機密費、その他の費用でその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」

交際費といえば、飲食代のイメージが強いですが、必ずしもそうではないということです。一般的には、取引先との打ち合わせや取引先と親睦を深めるための費用が交際費になる、という点をまずは押さえておきましょう。

そして気をつけたいのが、個人事業主の場合は事業に関係があれば交際費に制限がない一方で、法人の場合は「交際費」のうち損金にできる金額に制限があるということです。そのため、法人の場合、交際費にあたる経費がどれくらいになるかを把握しておかなければなりません。

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会議費とは?

交際費と混同されやすいのが、「会議費」です。

会議費とは、その名の通り、会議に関連して支出するもの。イメージしやすいのは、会議のための室料、資料代などでしょう。これらの会議費が、なぜ交際費と類似性があるのか、一見、わかりづらいかもしれません。

交際費と会議費で会計処理に迷う理由は、会議費には、食事代や弁当など飲食物の費用も該当する場合があるからです。「飲食に関する出費」は、交際費と会議費のどちらの項目でも会計処理できるケースがあるいうことです。

ただし、会議費の場合、1人あたり5,000円を超えないことが条件です。また、一般的には以下の要件を満たした領収書やレシートが必要とされています。

  • 1.
    飲食のあった年月日
  • 2.
    飲食に参加した得意先、仕入先などの氏名(または名称)及びその関係
  • 3.
    飲食に参加した人の数
  • 4.
    費用の金額
  • 5.
    飲食店、料理店などの名称と所在地
参考

国税庁:接待飲食費に関するFAQ 帳簿書類への記載事項①新規タブで開く

もちろん、あくまでも会議のための飲食です。会議の内容によっては、オープンの場所で行われていると、そぐわないケースなどもあるかもしれません。そのあたりもふまえたうえで、会議費に計上しましょう。
また、得意先名や人数は自分で記入しなければなりません。忘れないうちに処理しておくことが大切です。

会議費で計上するメリット

従来は、法人の場合、600万円までの交際費のうち10%は、経費にはなりませんでした。つまり、200万円を接待交際費として使った場合、20万円は経費にできなかったということです。そのため、上記の会議費に該当する場合は、接待交際費ではなく会議費として計上することで、節税面でのメリットがありました。

それが平成25年の改正によって、中小法人(原則的には、普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額・出資金の額が1億円以下である法人、または、資本・出資を有しない法人のこと)ならば、交際費も800万円までは損金扱いにできることになったため、「なるべく会議費にする」という流れはそこまでなくなりました。

接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例については、令和2年度の税制改正で、この特例の適用期限が2年延長され、2022年(令和4年)3月31日までとなりました。

(1)期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人
損金不算入額は、次のいずれかの金額となります。
①交際費等のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(接待飲食費)の50%に相当する金額を超える部分の金額。
②800万円に該当事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額に達するまでの金額を超える部分の金額。

(2)上記(1)以外の法人
損金不算入額は、上記(1)の①の金額となる。

  • 平成26年度税制改正において、資本金1億円超の大企業についても、交際費のうち接待飲食費については、50%まで損金算入を認めている。

(上記(1)①)

それでも、法人の場合は損金にできる交際費に上限があるわけですから、会議費に該当するならば、そのように申告したほうがよいことは変わりないでしょう。

なお、1点注意が必要なのは、令和2年度の税制改正で上記(1)①の「接待飲食費の50%についての損金算入の取扱い」からその資本金の額等が100億円を超える法人が除外されることになった点です。資本金の額等が100億円を超える法人でなければ、年800万円の定額控除限度額も特段変更はないし、単純に、交際費等の特例の適用期限が2年延長されたとの理解で問題ありません。

ですので、中小法人の場合、交際費が年間800万円前後になることが予想される場合などに意識して会議費と交際費を切り分けるようにしても良いかもしれません。

以上、法人の場合の交際費と会議費について、解説しました。

幅広く適用できる勘定科目は、とかくその科目にしがちになってしまいますが、そうではなく、他に妥当な科目があるかどうかを考えてみることも必要ですね。

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この記事の執筆者柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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