非課税取引とは?不課税取引・免税取引との違いや対象品目をわかりやすく解説

2023/10/16更新

この記事の執筆者小田宏一

日常の生活や事業でモノ・サービスを消費する際、私達は代金と一緒に「消費税」を支払います。でも、一部のモノ・サービスのなかには例外的に消費税がかからない「非課税取引」というものがあるのです。今回は非課税取引の概要をご紹介しながら、非課税取引と同じように消費税がかからない「不課税取引」「免税取引」との違いも示して解説します。具体的な対象を覚えておくと、日々の取引や記帳で役立ちますよ!

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POINT

  • 帳簿上の区分が違う「不課税」や「免税」の取引がある
  • 非課税の対象となる品目は、消費税法の条文をチェック!
  • 非課税の対象品目でも、期間や条件によって課税対象となるものも

非課税? 不課税? 免税? 少しずつ違う意味をおさらい

消費税は、「消費に広く公平に負担を求める間接税」とされていますが、取引の形態によっては消費税がかからない取引もあります。その1つが、今回ご紹介する「非課税取引」です。そのほかに、消費税のかからない取引として「不課税取引」「免税取引」というものもあります。まずはこの2つの取引の意味と違いについて、触れておきましょう。

そもそも消費税の対象外である「不課税取引」

そもそも消費税は、国内の事業者が対価を得るためにモノ・サービスを提供する場合に発生するものです。国外での消費、無償での寄付や贈与、あるいは出資に対しての配当などは消費税の対象外であり、すべて不課税取引になります。

課税取引だが、消費者に納税義務がないため税の支払いが免除される「免税取引」

旅行に訪れた外国人など、日本に住んでいない方が生活で使うために購入するモノは、免税取引となります。免税取引が可能なのは輸出物品販売所で、国内事業者は税務署への申請が必要になります。

さて、上記2つの消費税がかからない取引に対して、「非課税取引」とはどのような性質のものなのでしょうか。おおまかな理解としては、以下のような性質の取引と考えるといいでしょう。

  • 税の徴収が好ましくない性質のモノ・サービス
  • 社会政策的な配慮がなされるべきモノ・サービス

これらに当てはまるような取引は、限定的に消費税の課税をしないことになっており、対象の品目は消費税法の別表第1に記されています。

「不課税取引」「免税取引」「非課税取引」、これら3つの取引の違いで、課税対象者が申告する際の消費税の計算の仕方にも違いがでてくるということになります。

非課税取引の対象となる品目は?

それでは、非課税取引の対象となる品目について、主なものを具体的に挙げていきましょう。条文をそのまま掲載すると理解しづらいため、わかりやすい表現に直しています。

税の徴収が好ましくない性質のモノ・サービス

  • 1, 土地の譲渡や貸付などの取引
  • 2, 有価証券(国債、社債、株式、小切手、約束手形など)の譲渡
  • 3, 貸付金や資産の利子、保険料などが対価になったサービスの消費
  • 4, 郵便切手、印紙、証紙、商品券などの取引
  • 5, 国や地方公共団体、また地方公共団体から委託・指定を受けた事業者によるサービスや事務手数料、外国為替に関する手数料

社会政策的な配慮がなされるべきモノ・サービス

  • 6, 高齢者や障害者、労災も含めた健康保険適用の療養費、医療費、入院費など
  • 7, 介護保険法が規定する各種の介護サービス費、障がい者の生活介護や就労支援にかかる費用
  • 8, 医師や助産師による助産および助産に関連する費用
  • 9, 墓地、埋葬に関する法律に規定する埋葬、火葬の費用
  • 10, 車いすや義肢など身体障害者が使う物の費用
  • 11, 学校教育法に定められた学校の授業料、入学金、施設設備費など
  • 12, 学校で使う教科書の譲渡や取引
  • 13, 人が居住する住宅の貸付

こうして見ると、やはり「消費に負担を求める税」という消費税本来の性質から考えて課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から課税しないほうがいいと捉えられているものが非課税取引の対象となっていますね。○

非課税の対象でも課税されるケース

先ほど挙げた13の項目は消費税法に明記されていますが、条文を細かく読むとさらに条件付けされているものも多数あり、こちらは消費税が課税されるケースです。「あれ? これって消費税がかかるんだっけ?」と迷ってしまうものもありますので、具体的に事例を挙げてみましょう。

契約期間が1ヶ月未満の場合に課税取引になるケース

  • 土地の貸付けで、貸付期間が1か月に満たない場合
  • ホテルや貸別荘、ウィークリーマンションなど貸付期間が1か月に満たない場合

目的によって課税取引になるケース

  • 建物や駐車場など施設の利用に対して土地が使用される場合
  • オフィスの貸付など事業として有償で行われる資産の貸付け
  • コレクションを目的として取引したコインなど
  • 美容を目的とした治療や、健康保険の適用外となる自由診療など
  • 埋葬や火葬の前に行う通夜や葬儀の費用
  • 塾や予備校、そろばん塾などの授業料>

条文を見ると一目瞭然ですが、対象は法律で決まっていても、判断する際にはいくつもの条文を確認しながらの作業となり、難しいものもあります。この場合は、国税庁が設置する「税に関する相談窓口新規タブで開く」などを上手に使って、個々のケースを確実に判断するようにしましょう

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者小田宏一

大阪を拠点に活動する書籍ライター・編集者。現在は企業取材および記事執筆、ビジネス書や社史の執筆代行・編集を手がける。電子出版による社会貢献事業「著者発掘コンテスト」を主宰。著書に「経営者・フリーランスのための Amazon Kindle執筆術」(金風舎刊)新規タブで開く

よくあるご質問

非課税取引、不課税取引、免税取引の違いとは?

非課税取引は特定の商品やサービスが消費税の課税対象外とされる取引です。これらは社会的、政策的な配慮や、税の徴収が不適切とされるものが対象です。不課税取引は消費税の対象とならない取引です。免税取引は、課税取引だが消費者が納税義務を持たない取引を指し、旅行者向けの商品販売などが該当します。詳しくはこちらをご確認ください。

非課税取引の対象でも課税されるケースはある?

特定の条件下では、一般的には非課税取引対象とされる商品やサービスに対しても消費税が課税されます。これらの詳細な条件は法律の条文により定められています。詳しくはこちらをご確認ください。

消費税のかからない取引を理解することはなぜ重要ですか?

消費税のかからない取引を理解することは、企業や個人が正確な帳簿を維持し、正しい税額を計算するために重要です。これらの取引は帳簿上の区分や計算方法に影響を及ぼすため、適切な理解をするようにしましょう。

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