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創業融資、3年目まで影響する"受け損ね"

公開日:

執筆者:松波 竜太

起業したての時期の資金需要は「いくらあっても足りない」という企業がほとんど。本来、2期(2年)分の決算書が無いと借入ができませんが、事業実績がなくても借入が可能な「創業融資」というものが存在しているのはご存知の方も多いのではないでしょうか。その「創業融資」について、おさえておくべきポイントをまとめてみました。



決算書不要! ただし、一発勝負! 創業融資のおさえておくべきポイント

創業融資は、日本政策金融公庫(国民金融事業)や保証協会付きで一般の銀行から受けることができます。これは起業後2年目までしか受けられない融資です。

通常の銀行取引からすると、決算書もなしで「まったく実績のない企業が融資を受けられる」、かなりイレギュラーな位置づけの融資です。

起業の時に借り損ねてしまうと、日本政策金融公庫の場合は決算書が2期分、民間銀行から借りるとなると3期分そろってからでないと融資を受けることができなくなります。それまでに資金が底をついてしまうと、廃業を検討しなくてはならない可能性すらあります。

創業融資の流れ

創業融資の流れ

融資のながれとしては、申し込み→面談→審査→契約→実行→入金となります。日本政策金融公庫で借りるとして、審査に1カ月ぐらいはかかると思ってください。事業計画のほかさまざまな書類が必要となりますが、やはり実績がないところで借りるのですから手続きや対応は大変です。別の項目で書く、起業後3年以降に銀行からお金を借りるのにくらべて、ハードルが高いのです。

脅すわけではありませんが、創業融資は一発勝負です。審査を受けて駄目だと再審査を受けることもできません。

創業融資を受けるタイミングを失ってしまうことになると、前述したように、3年目まで融資を受けることが難しくなります。

とはいえ、創業融資は規模も実績も関係ないのですから、形式要件を満たすことが非常に重要です。やり方を間違えないことが大切なのです。

できれば創業融資に強い専門家に相談をしてから申し込むことをおすすめします。

創業融資、重要視されるのは「手元資金」

創業融資時において最も重要なのは「手元資金」です。「手元資金不足=準備不足」と見られてしまいます。

前述しましたが、貯金、親戚から借りたお金など、起業時の手元資金は使ってしまう前に銀行に預けることで、通帳に痕跡を残しておいて、きちんと証明ができる状態にしておくことがポイントです。

2014年に条件が緩和され、創業融資の10分の1以上手元資金があればOKとなりましたが、以前は、3分の1以上が基準でした。

それでもやはり、手元資金の額に比例して融資は出ているようです。なお、融資の限度額は月商の6カ月分、利益の10年分が目安です。融資額がこれを超えてしまうと返済がきついだろうと判断されてしまいます。そのため、この範囲に収まるように手元資金を用意しておかないといけないのです。

融資の成否は「客観的」かつ「合理的」な使いみちにアリ

次に重要なのが、融資が何に使われるのか(資金使途)です。創業融資は「大体○○○万円ぐらい」のような、ざっくりとした見込みでは受けられません。

いくら必要なのか、何を根拠に必要額が導きだされたのかがハッキリしている必要があります。 設備資金についてはきちんと見積もりをとりましょう。

売上安定までの投下資金や運転資金の根拠となるのが事業計画です。独りよがりにならないような、客観的、合理的な根拠をきちんと持っておく必要があります。

たとえば飲食業であれば何席あって、何回転で、客単価いくらだから売上はこうなって、開店当初はどれぐらいお客さんが来て、時間とともにどう増えるといった根拠が必要になります。それから、どうしてそのお客さんが入るのか、他とどう違うのかという差別化要素の検証も重要です。

また、代表者の経歴も、その事業の実現性の根拠となり、たとえば同業種に一定年数以上の経歴があることも条件の1つになっています。地域の雇用を生むとか、新規性の高いビジネスであれば別ですが、一般的に、今までに経験したことのない事業に対する融資はかなり厳しいといえます。

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この記事の執筆者

松波 竜太
松波 竜太

会計事務所業界に20年、税理士資格取得後独立し12年間となる。

500社以上の中小企業に関与し、特に資金繰りと銀行交渉については113社をサポート。
お客様の手元資金をサポート前の最大17倍(平均3倍)金利は1/2以下とした目からウロコの手法を、誰にでもできるよう再現性のあるセオリーにまとめ、書籍「借入は減らすな!」(あさ出版)を出版。
「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに説明資料の準備から、アピールすべき点、想定される質問、さらには交渉の継続判断など具体的な「次の一手」をアドバイスし、中小企業経営者から絶大な信用を得ている。

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