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期ズレ、賞与、寄付... 気をつけたい経理処理のルール

公開日:

執筆者:松波 竜太

毎日経理処理をし、決算を行う。その流れの中で注意しなければならない項目が大きく3つあります。売上、支払いの期ズレ、賞与、寄付金の対応、基本のルールを知っておきましょう。



"脱税"といえば税務調査、税務調査といえば「マルサの女」を思い浮かべる人も少なくないのではないでしょうか。税務調査は、売上のごまかしが原因......と考える方が多いのですが、現実の論点はそこにはありません。

「税務調査で高額の税金を取られて会社が傾いてしまうことがあってはいけないから、帳簿をきちんとつける」という会社も少なくないと思います。

ここでは税務調査とは何かの説明や、税務調査の原因を探りつつ、節税と脱税の違いを説明します。

論点は売上のゴマカシにあらず! 税務調査で見られるのはココだ!

売上を正直に全部上げていれば税務調査は大丈夫ということではありません。

一般の方は、税務署は『マルサの女』のようなイメージで、売上や隠した財産を見つけに来るというイメージや、犯罪捜査みたいなイメージを持っていると思います。

そのため、「売上を全部上げているから大丈夫」とか、「経理の処理をしっかりしているから大丈夫」と、おっしゃる方が多いのですが、実は税務署が指摘する論点というのはそこだけではありません。売上を漏らしている人は、世のなかにそんなにいないのです。法人の調査の統計を見ても、売上の脱漏をやっている法人は10パーセントぐらいしかおらず、90パーセントは別の指摘を受けています。

では調査はどこが問題になるのかというのが下の図です。

調査はどこが問題になるのか

"期ズレ"、"役員賞与"、"寄付金"という3大項目に集約されます。

事業年度から意図的に売上と経費をズラす「期ズレ」について

期ズレは何かというと、本来上がるべき期ではない事業年度に売上が上がっていることを指します。

たとえば、当期の売上にするべきものが翌期になってしまっている。または、翌期の経費にすべきものが当期の経費に入ってしまっている。それが両方あったりするなどで、当期の損益が正しくない。もっと法人税を納めるべきだったのではないかというものです。

規定外の役員報酬、受け取っていませんか? 役員賞与の問題について

役員報酬の決め方でも説明したとおり、定期同額以外の形で役員にわたったお金は経費になりません。その代表格が役員賞与ということになります。

役員の個人的な支出が会社の経費に入っていた場合に、定期同額以外の支出ですからこれは賞与ということですね、ということになってしまうのです。

さらに、会社の不要品を回収業者に引き取ってもらったときの収入を、会社と関係ないだろうと個人でもらってしまったようなものについては、会社の売上洩れと賞与ということになり、売上に法人税は掛かり、さらに賞与として所得税は掛かる、という悲惨な状況に陥ります。

税務署はこれを見つけに来くるのです。個人的な経費を会社の経費として計上したりすると危ないという話です。

経費にならない!? 「寄付金」について

最後に、寄付金とは何かを説明します。一部認められたもの(創業1年目から気をつけたい! 最低限度の会計処理)以外、寄附金は会社の経費になりません。

会社の損益を見るのに、店舗を2つつくってそれぞれを法人として分けて管理することがあります。その際に、どちらかの会社が赤字になりそうだと、一方にある商材を市価よりも安く売ってあげる、あるいは、片方の家賃を肩代わりしてあげるといったことをしてしまうと、それはA社からB社に対しての便宜であって、A社にとっての必要経費ではない。つまり、これはA社からB社に対する寄付であるというロジックが働きます。

寄付金が会社経費にならない理由

ここまで見ると、売上が後ずらしになっていないか、法人税の経費にはならないものがないかを見に来るというのが、税務調査の実態ということになります。ですから、経理処理はそこに気をつけて処理する必要があるということになります。

いつくる? 実は、それほど来ない税務調査

税務調査はいつくるのでしょうか?

税務調査は意外と件数が少なく、国税局の調査(平成25事務年度 法人税等の調査事績の概要)によると、年間で全法人の3.5パーセントぐらいにしか入っていません。それほど頻繁に来るわけではありません。

税務調査に入られるほとんどが黒字企業ってホント!?

実際、どんな会社にねらいを定めてくるか。税務署も効率よく調査する必要があるので、少しでも売上漏れが見つかれば法人税を徴収することができます。赤字の法人よりは黒字の法人を中心に税務調査に入ります。

ただし、赤字の法人にまったく入らないということではありません。

黒字の法人は約30パーセントしかありませんから、全体が3.5パーセントということであれば、黒字だったら10年に1回ぐらい税務調査が来るイメージで、頻繁に来るわけではありません。

節税と脱税の違いについて知ろう!

節税と脱税の違いに触れておきたいと思います。節税は、利益が出そうなので、いつも頑張っているから従業員に賞与を払って還元するとか、何ら法的に問題ないものを言います。脱税は、会社の売上なのに会社の売上とせずに、個人でお金を貰ってしまうような法的に問題のあるものを言います。

節税の場合でも、税務署と見解が少し食い違うことで、法人税が課せられることがあります。たとえば、賞与も払い方を間違えると、当期の経費ではなくて翌期の経費になるのではないかと揉めることがあります。これが新聞などで見かける「見解の相違」です。

売上除外の悪質な脱税が見つかった場合、3年に1回は調査が来る、酷い場合には毎年税務調査が来ることもあります。

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この記事の執筆者

松波 竜太
松波 竜太

会計事務所業界に20年、税理士資格取得後独立し12年間となる。

500社以上の中小企業に関与し、特に資金繰りと銀行交渉については113社をサポート。
お客様の手元資金をサポート前の最大17倍(平均3倍)金利は1/2以下とした目からウロコの手法を、誰にでもできるよう再現性のあるセオリーにまとめ、書籍「借入は減らすな!」(あさ出版)を出版。
「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに説明資料の準備から、アピールすべき点、想定される質問、さらには交渉の継続判断など具体的な「次の一手」をアドバイスし、中小企業経営者から絶大な信用を得ている。

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