消費税において、国内取引で非課税となる取引は、全部で13項目あります。
非課税とは、(税を)課さないという意味であり、本来は課税対象となる取引であっても、社会的配慮等の理由により政策的に消費税を課さないという形をとっています。また、利子や保険料、商品券やビール券の譲渡など、そもそも消費税の課税の対象としてなじまないものも非課税になります。
ここでは、非課税取引に該当する取引の内容と間違えやすい取引などについて説明します。
消費税の非課税対象となる取引は以下のとおりです。
上記、①に関して、「一時的に使用させる場合等」とは、土地の貸付期間が1月に満たない場合及び建物、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合をいいます。
例として、テニスコートや野球場の貸付けは課税対象となります。また、土地と建物を一括して譲渡した場合は、土地と建物のそれぞれの対価の額を合理的に区分することになります。
②について、有価証券とは、株券や国債、投資信託の受益証券、コマーシャルペーパーなどが該当します。
④の物品切手等とは、商品券やビール券、図書カードなどが該当します。
⑦の介護福祉に係る資産の譲渡等、社会福祉法に規定する社会福祉事業等とは下記の内容に関するものとなります。
【介護保険】
【社会福祉法】
なお、授産施設等における生産活動としての作業に基づく資産の譲渡等は課税対象とされます。
⑧については、妊娠検査や妊娠以降の検診・入院、分娩の介助、出産の日以後2月以内に行われる母体の回復検診、新生児に係る検診及び入院などが非課税となります。
最後に⑬の住宅の貸付けについてですが、住宅とは、人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほか、マンション、アパート、社宅、寮等が含まれます。つまり、居住用としての貸付けは非課税となります。(一方、事業で利用する事務所の貸付けは、課税対象となります)
なお、貸付期間が1月未満の場合、旅館業法における旅館、ホテル等の施設の貸付けは課税となります。
駐車場代や民宿の宿泊料など、土地の貸付期間が1ヵ月に満たない場合及び建物、駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合などは課税の対象となります。詳しくは下記の国税庁のページをご参照ください。
【参考】
・国税庁:建物部分と敷地部分を区分記載した賃貸料
・国税庁:集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定
この記事の執筆者
OneWorld税理士法人 公認会計士・税理士。
大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。
金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。
トーマツ退所後は、OneWorld税理士法人にて開業支援、融資支援、税務顧問などの業務を行う。
また、毎週、補助金と融資の勉強会 を開催し、中小企業の資金繰り支援にも力を入れている。
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消費税
事業者の販売する物品やサービス等の価格に上乗せされて広く課税される消費税。みなさまが取引をするなかで、さまざまな形で関わってくる税金です。ここでは知っておきたい消費税の基礎知識から、実践的な計算方法まで、体系的に学ぶことにしましょう。
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