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08.消費税における輸出免税取引の仕組み

公開日:

執筆者:大野 修平(公認会計士・税理士)

消費税は、原則として国内取引に対して課税することになっています。

日本国内から国外に輸出される物品について日本で消費税をかけてしまうと、輸出先の国における消費税と二重で課税されることになるからです。そのことを防ぐため、輸出する取引に関しては、消費税が免除とされています。

つまり、海外で消費される輸出取引について、消費税を免除しているということですが、輸出のために仕入れた商品代には消費税が課されています。
したがって、輸出取引の割合が多い企業は、確定申告をすることで仕入れ時に支払った消費税の還付をうけられる場合があります。ここでは、輸出取引と輸出物品販売場(いわゆる免税ショップ)における免税について説明します。



免税取引とは何か

消費税における免税とは、例えば旅行で訪日した外国人が、免税ショップで本国での生活で使うために購入した場合など、ある一定の条件を満たした場合の取引のことを免税取引といいます。
つまり消費税が免除されるということは、もともとは消費税の課税対象ではあるものの、課税が免除されますよということであり、「0%の消費税を課税する」と言うこともできます。
この点が、そもそも消費税を課さない非課税取引との違いとなってきます。免税取引と非課税取引の違いをまとめると、以下のようになります。

  • 仕入にかかる消費税について、免税取引は仕入税額控除(税額計算の際に支払った消費税を預かった消費税から控除できること)の対象となり、非課税は仕入税額控除の対象となりません
  • 基準期間の課税売上高を計算する際に、免税取引は課税売上高に含まれ、非課税取引については課税売上高に含まれません
  • 消費税の計算方法の選択の判断として計算される「課税売上割合」についても、免税取引は課税売上として計算式の分子に含まれますが、非課税取引の場合は含まれません

【参考】
消費税の基礎知識:04.消費税の納付額の計算方法と課税形式

そんな免税取引ですが、対象となる取引は以下のとおりです。

  • ① 本邦(日本)からの輸出として行われる資産の譲渡・貸付け
    ※輸出とは、関税法に規定される輸出をいい、内国貨物を自ら輸出する行為が伴うものをいいます
  • ② 外国貨物の譲渡・貸付
    ※外国貨物とは、関税法に規定する外国貨物のことをいい、輸出の許可を受けた貨物および外国から本邦に到着した貨物で輸入許可前のものをいいます
  • ③ 外国貨物等にかかる荷役、運送、保管、検数、鑑定などの役務の提供
  • ④ 国際輸送、国際通信、国際郵便、国際信書便
  • ⑤ 船舶運航事業者等に対して行われる外航船舶等の譲渡・貸付けまたは修理その他一定のもの
  • ⑥ 非居住者に対して行われる特許権などの譲渡・貸付け
  • ⑦ 非居住者に対して行われる役務の提供で、国内において直接便益を享受するもの以外のもの(※例として、国内の出版社が国内で発行する雑誌に、外国法人からの依頼により、その外国法人の商品の広告を掲載する場合に収受する広告料収入など)

上記の「非居住者」とは、「居住者以外の個人」のことをいいます。
では、そもそも「居住者」とは何でしょうか? 居住者とは、「日本国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」とされていますから、「非居住者」は次のいずれかに該当する者ともいえます。

  • a. 日本国内に住所も居所も有していない人
  • b. 日本国内に住所がなく、かつ、日本国内に引き続き居所を有している期間が1年に満たない者

輸出物品販売場における免税について

国内における消費に対して税負担を求めるという消費税の性格から、国外での消費につながる輸出取引等については免税とされています。
したがって、外国人旅行者などが土産品として物品を購入し、自分の国へ持ち帰る行為も実質的には輸出と同様と考えられるため、消費税法では、輸出物品販売場(免税ショップ)における免税制度を設け、輸出物品販売場では非居住者に対する販売を免税扱いとすることにしています。
訪日外国人旅行者の急増にともない、外国人旅行者向け消費税免税店制度も規制緩和の流れになりつつあります。ある一定の手続きを踏めば免税ショップを営む許可を得ることができますので、免税店事業を考えている方はさらにこちらもご覧になってみてはいかがでしょうか。
【参考】
国土交通省 観光庁:さあ、免税店事業者になろう!
国税庁:輸出物品販売場における輸出免税について

輸出物品販売場にて免税対象となる物品とは

免税対象となる物品とは、以下に挙げる物品以外の物品となります。

  • ①金または白金(プラチナ)の地金、その他通常生活の用に供しないもの
  • ②通常生活の用に供する物品のうち消耗品(食品類、化粧品類)に該当するもので、その譲渡にかかる税抜対価の額の合計額が50万円超のもの

要約すると、対象物品は、消耗品と消耗品以外(一般物品)となります。また、購入の下限額は、それぞれ税抜対価の額の合計額の5,000円です。

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この記事の執筆者

大野 修平(公認会計士・税理士)
大野 修平(公認会計士・税理士)

OneWorld税理士法人 公認会計士・税理士。
大学卒業後、有限責任監査法人トーマツへ入所。
金融インダストリーグループにて、主に銀行、証券、保険会社の監査に従事。
トーマツ退所後は、OneWorld税理士法人にて開業支援、融資支援、税務顧問などの業務を行う。
また、毎週、補助金と融資の勉強会 を開催し、中小企業の資金繰り支援にも力を入れている。
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