算定基礎届・月額変更届とは?

最終更新日: 公開日:2017/12/28

執筆者:宮田 享子(社会保険労務士)

基礎知識「標準報酬月額とはなにか? 決定のタイミングはいつ?」では、標準報酬月額決定のタイミングには、資格取得時決定の他に、定時決定(算定基礎届)と随時改定(月額変更届)があることを説明しました。今回は、資格取得時決定以外の2つについて説明します。


定時決定(算定基礎届)

毎年4月~6月の3ヵ月間に従業員に支払った給与の平均額(これを「報酬月額」といいます。)を等級表に当てはめて、該当する「標準報酬月額」を、7月1日から7月10日の間に年金事務所(または健康保険組合)へ届け出ます。この届出書類をを「算定基礎届」と言います。一般的にはこの作業も含めて「算定」と呼ばれています。7月1日現在、在職している社会保険加入者が算定の対象者です。

この書類を届け出ることで、従業員各人の標準報酬月額が決まり、原則その年の9月分から翌年の8月分までの保険料として適用されます。算定基礎届は、1年に1回の大切なイベントです。

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【引用画像】
日本年金機構:算定基礎届の記入・提出ガイドブック

算定基礎届を作成するにあたり、算定の対象者にも注意する必要があります。

【算定基礎の対象者】

① 7月1日現在、在職している社会保険加入者
毎年6月中旬頃、年金事務所(又は健康保険組合)から算定基礎届の用紙が会社に送付されてきます。そこには社会保険加入者の氏名などの情報が印字されていますが、既に退職した人の名前が入っていることがあります。退職者は算定の対象外になりますので、必ず確認をして二重線で消しましょう。

② 在職はしているが、海外駐在や休職中で姿が見えない人
7月1日現在、社会保険に加入しているものの海外駐在中の従業員や病気やけがで休職していたり、又は産前産後休業・育児休業・介護休業などでお休み中の従業員も算定の対象者です。

しかし、6月1日以降に新たに社会保険に加入した方は、標準報酬月額を届け出たばかりなので算定の対象外です。

随時改定(月額変更届)

基本的に標準報酬月額は「何ごともなければ年に1回の算定のときにチェックするだけ」となります。でも「何かあった場合」、例えば「年の途中に給与額が変わった場合」は、次の算定の時期(4月~6月)まで放置するわけにはいきません。具体的には「算定の時に高い給与額だった人は、年の途中で給与額が下がっても、そのまま次の算定で変更されるまで高い社会保険料を支払い続ける」ことになってしまうのです。

そのため、給与額に変更があった場合には、変更後の給与額に見合った標準報酬月額であるかどうかを確認し、標準報酬月額を変更する必要があれば、その都度「月額変更届」を提出することになります。一般的には「月変(げっぺん)」と呼ばれています。

月額変更届は該当者のみ

月変に該当する要件は以下のとおりです。

  1. 固定的賃金(基本給、通期手当、家族手当など毎月固定額で支給されるもの)が変わった
  2. 1.の賃金が支給された月を含む3ヶ月間の「報酬支払基礎日数」(月給制の場合は支払対象期間の歴日数)がすべて17日以上ある
  3. 3ヶ月間の平均給与月額から求めた標準報酬月額の等級が、現在の等級と比べて2等級以上変わった
  4. 3.で等級の比較をするときに次の(1)(2)のどちらかに該当する
       (1)固定的賃金が上がり(↑)、2等級 以上上がった(↑)
       (2)固定的賃金が下がり(↓)、2等級以上下がった(↓)
    つまり、固定的賃金と等級の変化の矢印の向きが同じであることが必要です。

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【引用画像】
日本年金機構:算定基礎届の記入・提出ガイドブック

まとめ

算定基礎届と月額変更届についてお話しました。2つの届出用紙はよく似ていますが、意味合いが違いますので基本をおさえておきましょう。

そして、算定も月変も「標準報酬月額」を決定する重要な業務です。

詳細は以下に載っていますのでご参考になさってください。

【参考記事】
社会保険│算定基礎届とは何か?
随時改定について〜月額変更届を提出するとき〜

【編集部追記】
平成30年(2018年)3月1日 厚生労働省より「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」の一部改正について(平成30年保発0301第8号・年管発0301第1号)」という通知が公表されました。

標準報酬月額の随時改定に当たって、現行の随時改定による報酬の月平均額と、年間の報酬の月平均額とが著しく乖離する場合に配慮して、 業務の性質上、季節的に報酬が変動することにより、通常の方法によって随時改定を行うことが著しく不当であると認められる場合について、新たに保険者算定の対象とするものです。 

平成30年(2018年)10月1日施行、平成30年(2018年)10月1日以降の随時改定から適用となります。
本内容については、後日スモビバ!で、宮田先生の執筆により解説記事を公開予定です。

【参考】
厚生労働省:「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」の一部改正に伴う事務処理について」に関するQ&Aについて〔健康保険法〕

(2018年7月2日 執筆者:宮田先生監修のうえ、『スモビバ!』編集部追記)

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この記事の執筆者

宮田 享子(社会保険労務士)
宮田 享子(社会保険労務士)

社会保険労務士。産業カウンセラー。

社労士法人・税理士法人等で実務経験を積んだ後平成22年独立開業。労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策に力を入れている。趣味はオーボエ演奏とランニング。

みやた社労士事務所HP

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