給与での支給額の算出方法と給与計算後の納付事務

公開日:

執筆者:宮田 享子(社会保険労務士)

毎月の給与計算業務のゴールとなる差引支給額の計算についてと、計算後の社会保険料や税金の納付事務について、具体例を挙げながら説明します。



ある会社員の例

会社員Aさんを例に挙げましょう。下図はAさんの平成29年(2017年)10月の給与明細書を抜粋したものです。図の黄色部分に額を入れたいと思います。

ある会社員の例

控除額合計は以下のとおりです。

  • 57,878(社会保険料計)+5,490(所得税)+15,000(住民税)=78,368円

差引支給額は以下のとおりです。

  • 381,217(支給額合計)-78,368(控除額合計)=302,849円(差引支給額)

以上で、Aさんの平成29年(2017年)10月の給与計算が、完了しました。給与支給日にあわせて支払の手続きをします。

社会保険料の納付

平成29年(2017年)10月に従業員の給与から控除した社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)は、平成29年(2017年)9月分です。毎月、前月分の保険料を控除することになっています。また、納付は翌月の末日までです。年金事務所から「納入告知書」が送られてきますので金額を確認したうえで納期限までに納めましょう。

雇用保険料の納付

雇用保険料は毎月納付ではなく、年に1度、年度更新の時に労災保険料とともに納めます。毎年労働局から申告書が送られてきます。労災保険料は全額会社が負担するので、従業員の給与から控除しません。

【参考記事】労働保険とは?制度と年度更新について解説

住民税の納付

従業員の給与から控除した住民税は、5月に市区町村から「特別徴収税額通知書」とともに送られてきた納付書を使って納めます。これを特別徴収と呼び、会社は特別徴収義務者と呼ばれます。

特別徴収義務者が住民税を納付する期限は給与が支払われた月の翌月10日です。
従業員が10人未満で「納期の特例」の承認を受けた場合は、毎月の納付を年2回(6月10日と12月10日)にできます。

【参考記事】
基礎知識「雇用と給与」:住民税 普通徴収と特別徴収の違いとの手続き
給与業務の年間スケジュール
給与支払報告書とは

所得税の納付

源泉徴収した所得税は税務署から送られてきた納付書、または税務署でもらった納付書を使って納めます。納付期限は給与が支払われた月の翌月10日です。

源泉徴収所得税は、毎月10日までに納付するのが原則ですが、従業員が10人未満で「納期の特例」の承認を受けた場合は、7月10日と翌年1月20日の年2回にすることができます。住民税の納期の特例と期日が1月ずれるので注意しましょう。

【参考記事】
給与業務の年間スケジュール
給与の源泉徴収と源泉所得税納付の手続き

まとめ

毎月の給与計算を正確に迅速に行い、そのあとは従業員から預かった社会保険料や税金を期日までに納める。なかなか気を抜けない仕事ですが、慎重に正確に行いたいですね。

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この記事の執筆者

宮田 享子(社会保険労務士)
宮田 享子(社会保険労務士)

社会保険労務士。産業カウンセラー。

社労士法人・税理士法人等で実務経験を積んだ後平成22年独立開業。労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策に力を入れている。趣味はオーボエ演奏とランニング。

みやた社労士事務所HP

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