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労働保険の年度更新とは

公開日:

執筆者:宮田 享子(社会保険労務士)

労働保険の年度更新は、年に1度の大切なイベントです。建設業以外の一般企業の年度更新について、基本部分を説明します。



労働保険の年度更新とは

労働保険料(労災保険料と雇用保険料)を年度単位で申告し、納付することを労働保険の年度更新と言います。

毎年6月頃に労働局から送られてくる緑色の封筒には、請求書ではなく申告書が入っています。企業が自ら計算して申告するのです。

申告書は、毎年6月1日~7月10日に労働基準監督署などへ提出します。

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それでは、労働保険料はどのように計算するのでしょう。具体例を挙げながら考えてみましょう。

具体例)
卸売業のA社は従業員が10人、1年度間の賃金総額が30,000千円です。10人のうち8人が雇用保険に加入しており、その賃金総額は24,000千円です。

労災保険料の計算

労災保険料は以下の計算式で求めます。

労災保険加入者の賃金 × 労災保険率 = 労災保険料

①労災保険加入者の賃金について

労災保険はお勤めの方であれば正社員だけでなく、パート、アルバイトも対象ですから、この場合従業員10人全員が労災保険加入者となります。

②労災保険料率について

労災保険料率は事業の種類によって異なります。卸売業は3.5/1,000です(平成29年度)。

【参考】厚生労働省:労災保険料率

したがって、A社の労災保険料は以下のように計算できます。

30,000千円 × 3.5/1,000 = 105,000円

雇用保険料の計算

雇用保険料は以下の計算式で求めます。

雇用保険加入者の賃金 × 雇用保険料率 = 雇用保険料

①雇用保険加入者の賃金について

雇用保険は正社員の方はみな加入できますが、パートやアルバイトの方には一定の加入要件があります。また、その年の4月1日現在64歳以上の人は雇用保険料が免除になりますので、その人の賃金は差し引きましょう(※雇用保険料の免除制度は平成31年度までです)。

②雇用保険料率について

雇用保険料率は事業の種類によって異なります。卸売業は「一般の事業」で、9/1,000です(平成29年度)。

【参考】厚生労働省:雇用保険料率

したがって、A社の雇用保険料は以下のように計算できます。

24,000千円 × 9/1,000 = 216,000円

最初に計算した労災保険料105,000円と合わせます。

105,000円 + 216,000円 = 321,000円

これがA社の労働保険料です。

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労働保険料の分割払い

1年度分の労働保険料を一括支払いするのは企業にとって難しい場合もあります。そんな時は「延納」の申請をしましょう。要件を満たせば3回の分割支払いができます。

詳しくはこちらのP.4 をご覧ください。

【参考】厚生労働省:労働保険の成立手続きはおすみですか

まとめ

労働保険の年度更新で申告書を記入する前に、労働保険料の計算のしかたをしっかり把握しておきましょう。

【関連記事】労働保険とは?制度と年度更新について解説

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この記事の執筆者

宮田 享子(社会保険労務士)
宮田 享子(社会保険労務士)

社会保険労務士。産業カウンセラー。

社労士法人・税理士法人等で実務経験を積んだ後平成22年独立開業。労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策に力を入れている。趣味はオーボエ演奏とランニング。

みやた社労士事務所HP

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