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年末調整とは?

公開日:

執筆者:井上 修

毎年12月になると事業者の元に税務署から少し分厚い封筒で「年末調整のしかた」が送られてきます。100ページ以上ある年末調整のマニュアルですが、専門用語が多く素人にとってはなかなか難解な代物です。そこで「誰でも分かる年末調整」を目指して、15回に分けて年末調整を解説していきます。

最新2019年分の年末調整の記事はこちらです。
令和元年(2019年)の年末調整の変更点について【人事給与担当者は必見!】



毎月の給与や賞与から税金が引かれている

毎月の給与明細を見ると「所得税」という名目で給与に係る税金が控除されています。賞与においても同様に所得税が控除されています。この給与や賞与から控除された所得税は、給与の支払者によって税務署に納税されます。つまり、給与所得者は毎月給与支払者を通して所得税を税務署に納税しているのです。

毎月の納税は暫定的

源泉徴収額から暫定的な所得税を求める

給与から控除される所得税は、「月額給与額、その月の社会保険料(厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険)、扶養している人の人数」の3項目をもとに源泉徴収税額表に当てはめて求めます。この源泉徴収税額表は、月ごとの給与に係る暫定的な所得税額が記載されています。つまり、給与所得者は毎月暫定的な所得税を税務署に納めているのです。

「月額給与額-その月の社会保険料」が303,000円で「扶養している人の数」が2人の場合、この月に源泉徴収する所得税額は5,250円となります。

年間の所得税を確定して、毎月の納税額との差額を調整する

1月から12月の給与と賞与の合計額から、給与所得控除後(給与・賞与の合計額から給与所得控除額を差し引いた金額)の金額を算出します。給与所得控除後の金額から所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除等)を差し引いて給与所得金額を求め、それに対応する所得税の年税額を求めます。

この年税額と毎月の納税額(源泉徴収税額)とを比較して、毎月の納税額より年税額が少なければ税金が還付され、逆に毎月の納税額が年税額より少ない場合は、不足分を追加徴収します。

以上が、年末調整の大まかな流れになりますが、図で表すと次の通りになりますので、まずこの流れをイメージしてください。詳しくは、第11回「源泉徴収簿で行う年末調整1.源泉徴収簿の見方・書き方・フロー」で説明します。

年末調整の大まかな流れ

年末調整の大まかな流れ

  1. 1年間の給与と賞与額を集計して、給与所得控除後の金額を算出します。
  2. 給与と賞与から引かれていた所得税額を集計します。
  3. 所得控除を集計します。
  4. 給与所得控除後の金額から所得控除額をマイナスして給与所得金額を計算します。
  5. 給与所得金額から所得税の年税額を求めます。この年税額が最終的な所得税額となります。
  6. 年税額と毎月納税していた源泉徴収税額を比較して、年税額が少なければ毎月払い過ぎていた所得税を還付し、年税額が多ければ毎月の納税額が少なかったわけですから所得税を追加で徴収することになります。
経営者が自ら年末調整することはあるのか

Q. 従業員の年末調整は専門家に頼らずに、経営者が自ら計算して処理することもできるのですか?自分で計算している人は多いのでしょうか?

A. 年末調整は、経営者自身で計算することもできます。ただ、年1回の手続なので、そのために経営者が時間を割くのが事業にとってプラスになるかどうかは疑問です。実際に経営者自身で年末調整をしているケースは少ないと思います。数万円お金を出せば専門家がやってくれるので、専門家に依頼するケースが多いと思います。
ただ、給与計算ソフトの機能がかなりアップしているので、経営者がソフトを利用して年末調整をすれば思ったほど時間がかからないかもしれません。

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この記事の執筆者

井上 修
井上 修

公認会計士、税理士、行政書士。昭和32年東京都生まれ。アーサーヤング公認会計士共同事務所、興亜監査法人、山田公認会計士事務所、岩下敏男税理士事務所を経て平成3年に独立開業し、井上公認会計士事務所を開設。さらに平成17年に公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士登録がひとつになったアトラス総合事務所を東京・渋谷に開設。

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