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源泉徴収簿で行う年末調整4.過不足額の精算

公開日:

執筆者:井上 修

引き続き源泉徴収簿を用います。給与所得者の所得税額である年調年税額が計算できたら、給与や賞与から暫定的に控除していた源泉徴収税額と比べて、税金の精算をします。源泉徴収税額が多ければ超過額の精算、逆の場合は不足額の精算になります。



超過額の精算例

本年最後の給与で源泉徴収を行わずに年末調整をした場合

下図はその年の最後の給与から源泉徴収をしていない場合の記入例です。

超過額の精算例

源泉徴収税額8が140,880円で年調年税額22が103,300円であることから源泉徴収税額が37,580円多いので、23に超過額として37,580円を記入します。そして、超過額を本年最後の給与や賞与の支給時に精算する場合は、本年中に本人に還付することになるので27に同額を記入します。

本年最後の給与から通常の月と同じように源泉徴収した上で年末調整をした場合

・本年最後の給与からの源泉徴収税額<超過額
本年最後の給与について、通常の月と同じように源泉徴収した上で年末調整をした結果、超過額が生じた場合には、次のような処理になります。

本年最後の給与から通常の月と同じように源泉徴収した上で年末調整をした場合

下図は年末調整した結果の超過額が13,300円で、本年最後の給与からの源泉徴収税額が6,750円ある場合の記入例です。このような場合は、24の「本年最後の給与から徴収する税額に充当する金額」に6,750円と記入し、差額の6,550円を26「差引還付する金額」と27「本年中に還付する金額」へ記入します。結果、12月の給与の源泉所得税額はゼロになり、本人に6,550円が還付されることになります。

年末調整した結果の超過がある場合の記入例

・本年最後の給与からの源泉徴収税額>超過額
本年最後の給与について、通常の月と同じように源泉徴収した上で年末調整をした結果、源泉徴収税の月額が超過額より多かった場合には、次のような処理になります。

源泉徴収税の月額が超過額より多かった場合の処理

下図は年末調整した結果の超過額が13,300円で、本年最後の給与からの源泉徴収税額が17,490円ある場合の記入例です。このような場合は、24の「本年最後の給与から徴収する税額に充当する金額」に13,300円と記入します。この場合、納め足りていないので還付金は発生しません。26「差引還付する金額」と27「本年中に還付する金額」はゼロと記入します。
結果、本年最後の給与からの源泉徴収税額17,490円から超過額13,300円を控除して残額4,190円を給与から控除することになります。

年末調整した結果の超過がある場合の記入例

未払い給与がある場合

年末調整をした給与のうちに未払給与が含まれている場合には、未払給与に係る税額を超過額から控除します。給与が未払ということは、それにかかる所得税額も徴収していませんので、超過額をそのまま還付してしまうと、徴収していない税額を本人に還付することになってしまうため、ここで控除します。
ここで控除した税額は、未払給与を支払う時には徴収しません。

不足額の精算

不足額は、年末調整をする月分の給与から徴収します。下図は、年末調整した結果、年調年税額よりも源泉徴収税額の方が6,600円少なかった場合の記入例です。不足額6,600円は12月の給与の源泉所得税とあわせて控除することになりますので、12月給与から控除する源泉徴収税額は17,490円と6,600円をあわせた24,090円となります。
なお、12月の給与から控除しきれない場合には、その後に支払う給与から順次徴収します。

年調年税額よりも源泉徴収税額の方が6,600円少なかった場合の記入例

年末調整の還付金を現金で還付する場合

Q.年末調整の還付金を給与の振込口座ではなく、妻に分からないように現金でもらいたいという社員がいるのですが、何か問題はありますか?

A.現金で還付しても問題はありません。ただし、所得者本人が年末調整の還付金を現金で受け取ったことを証明する「受取書」に署名押印してもらうことが必要です。

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この記事の執筆者

井上 修
井上 修

公認会計士、税理士、行政書士。昭和32年東京都生まれ。アーサーヤング公認会計士共同事務所、興亜監査法人、山田公認会計士事務所、岩下敏男税理士事務所を経て平成3年に独立開業し、井上公認会計士事務所を開設。さらに平成17年に公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士登録がひとつになったアトラス総合事務所を東京・渋谷に開設。

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