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年末調整のポイントは各種申告書の正確な記入

最終更新日: 公開日:2016/09/30

執筆者:井上 修

給与所得者の所得税の計算は、{(年間の給与・賞与額-給与所得控除額)-所得控除額}×税率、という計算式で税額を算出し、住宅ローン控除がある場合はそこから差し引いて最終的な年税額を求めます。所得控除と住宅ローン控除は会社側が算出するのではなく、従業員の申告によります。ですので、従業員に協力してもらい、正確でタイムリーな申告をしてもらうことが年末調整のキーポイントとなります。



給与・賞与の集計と社会保険料の集計は勤務先

年間の給与及び賞与金額の集計と給与所得控除後の金額の算出は勤務先が行います。そして給与から控除されている社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)も勤務先が集計します。

所得控除は社員が申告する

配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除や寡婦控除、生命保険料控除、地震保険料控除、などの所得控除は、社員の申告によります。小規模企業共済等掛金控除については、内容により勤務先で集計する場合もあります。

住宅ローン控除も社員が申告

住宅ローン控除は、住宅を取得した初年度は確定申告しなければなりませんが、2年目以降は年末調整で控除を受けることができます。年末調整で控除を受けるには、社員が勤務先に申告書を提出することが必要です。

年末調整は社員の協力が不可欠

このように年末調整の要となる所得控除や住宅ローン控除は、社員から提出された控除申告書に基づいて手続きが進められます。したがって正確な年末調整をするためには、控除申告書のタイムリーな提出とその内容の正確性が求められるのです。

各種控除申告書の提出

平成29年の税制改正で、平成30年分以降の年末調整における配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが大きく見直されました。

まず、配偶者控除と配偶者特別控除の控除額が改正され、合計所得金額が1,000万円を超える所得者については、配偶者控除の適用を受けることはできないこととなりました。また、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされ、「配偶者の合計所得金額」に応じて、段階的に引き下げられることとなりました。

そして、平成29年の税制改正および令和元年の税制改正に伴い、扶養控除等(異動)申告書の記載事項が変更され、給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書配偶者控除等申告書、保険料控除申告書が2分割されています。

改正内容と各種申告書の詳細については、記事「平成30年の年末調整での変更点【人事給与担当者は必見!】」をご覧ください。(2020年10月19日:スモビバ!編集部追記)

1.給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
この申告書は、年末調整を受けるすべての人が勤務先に提出する必要があります。対象となる控除は、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除です。なお、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統合した様式となっています。

※令和2年度税制改正により、ひとり親控除が新設されました。未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除が見直されています。令和2年分の申告書におけるひとり親・寡婦にかかる記載要領(経過措置)があります。詳細は、以下を参照ください。


2.給与所得者の基礎控除申告書・給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書
この申告書は、年末調整において基礎控除、配偶者(特別)控除、及び所得金額調整控除を受けようとする給与所得者が提出します。

3.給与所得者の保険料控除申告書
この申告書は、次の控除を受ける人が勤務先に提出します。生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除(給与から控除されていないもの)、小規模企業共済等掛金控除(給与から控除されていないもの)。

4.給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
この申告書は、住宅ローン控除を年末調整で受ける人が勤務先に提出します。

従業員が提出する年末調整の申告書一覧
申告書控除提出する人
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書扶養控除、
障害者控除、
寡婦控除、ひとり親控除、
勤労学生控除
年末調整を受けるすべての人
給与所得者の基礎控除申告書・給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除基礎控除、
配偶者(特別)控除、
所得金額調整控除
年末調整において、基礎控除、配偶者(特別)控除、及び所得金額調整控除を受ける人
給与所得者の保険料控除申告書生命保険料控除、
地震保険料控除、
社会保険料控除(給与から控除されていないもの)、
小規模企業共済等掛金控除(給与から控除されていないもの)
左記の控除を受ける人
給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(特定増改築等)住宅借入金等特別控除左記の控除を受ける人

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の入手先

給与所得者の基礎控除申告書・給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書の入手先

給与所得者の保険料控除申告書の入手先

年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類

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この記事の執筆者

井上 修
井上 修

公認会計士、税理士、行政書士。昭和32年東京都生まれ。アーサーヤング公認会計士共同事務所、興亜監査法人、山田公認会計士事務所、岩下敏男税理士事務所を経て平成3年に独立開業し、井上公認会計士事務所を開設。さらに平成17年に公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士登録がひとつになったアトラス総合事務所を東京・渋谷に開設。

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