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年末調整の扶養控除等申告書とは?目的とマイナンバーとの関係

最終更新日: 公開日:2016/09/30

執筆者:井上 修

年末調整を行うためには、扶養控除等(異動)申告書(以下、「扶養控除等申告書」といいます)が勤務先に提出されていることが前提になります。扶養控除等申告書は勤務先が作成するのではなく、従業員が記入して勤務先に提出するものです。毎月の給与計算にも影響を与える申告書ですので、従業員にはタイムリーな提出を心がけてもらいましょう。

※平成29年の税制改正で、平成30年分以降の年末調整における配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが大きく見直されました。

それに伴い、扶養控除等(異動)申告書の記載事項が変更されています。

記事「平成30年の年末調整での変更点【人事給与担当者は必見!】」をあわせてご覧ください。(2018年10月31日 『スモビバ!』編集部追記)

最新2019年分の年末調整の記事はこちらです。
令和元年(2019年)の年末調整の変更点について【人事給与担当者は必見!】



提出時期

扶養控除等申告書は、原則として本年最初に給与の支払いを受ける時までに勤務先に提出することになっています。つまり、1月の給与の前に提出するのが原則です(通常は前年末に提出してもらっています)。その理由は、次で説明する給与計算に影響するからです。

扶養控除等申告書は、給与計算で必要

毎月の給与計算において、源泉所得税を控除しますが、扶養控除等申告書が提出されている人については給与額と社会保険料と扶養人数によって源泉所得税を求めます(これを甲欄の所得税といいます)。
一方、扶養控除等申告書が提出されていない人については、扶養人数を一切考慮しない高額な源泉所得税が徴収されます(これを乙欄の所得税といいます)。
2カ所以上の勤務先から給与をもらっている人は、主たる勤務先に扶養控除等申告書を提出すると、他方の勤務先にはこの申告書を提出できませんので、そこでは高額な乙欄の所得税が徴収されるのです。

扶養親族の人数が変わったときは異動申告をする

結婚したり、子供が生まれたり、子供が成人して扶養から外れたりして、控除対象扶養親族の数などに異動があった場合には、その都度異動申告をすることになります。給与から徴収する所得税の額が扶養人数により違ってくるからです。

本人の状況と配偶者や扶養親族の状況を記入する

扶養控除等申告書には、本人と配偶者や扶養親族の状況を記載します。
本人については、障害者であるか寡婦(寡夫)であるか、勤労学生であるかなどを記載します。
配偶者や扶養親族については、障害者であるか、老人控除対象配偶者や老人扶養親族に該当するか、また、配偶者や扶養親族の年間の所得の見積額を記載します。

マイナンバーの記載

扶養控除等申告書には、本人及び配偶者、扶養親族のマイナンバーを記載する欄があります。平成28年分の扶養控除等申告書提出時点では、この制度が発足したばかりであることから、マイナンバーの記載はしなくてもよいことになっていました。
しかし、マイナンバーが年末調整で必要になるのは、平成28年分の源泉徴収票の作成からです。平成28年の年末に平成29年分の扶養控除等申告書にマイナンバーを記載してもらって、それを元に平成28年分の源泉徴収票を作成してもかまいません。

平成29年分の扶養控除申告書にマイナンバーの記載を省略する

扶養控除等申告書にはマイナンバーの記載欄があるのですが、この記載を省略する方法もあります。
マイナンバーが記載された書類を預かる勤務先は、マイナンバーの漏えいに対する安全管理措置を整える義務があります。毎年提出される扶養控除等申告書などの書類にマイナンバーが記載されていると、それに対する安全管理措置が勤務先にとって負担になります。そこで、マイナンバーが記載された一定の帳簿を作成しておけば、扶養控除等申告書などの書類に、いちいち社員が自らのマイナンバーを記載しなくてもよいという制度ができたのです。
記載省略の要件として、次の事項を記載した帳簿を備え付ける必要があります。

マイナンバー記載省略の要件

上記図版に記載されている2.の申告書は、所定の書式がありませんので、勤務先が独自に作成したものでも構いません。帳簿は紙に限定されず、電磁的記録による帳簿も認められています。

平成29年分のマイナンバー取り扱いフローチャート

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この記事の執筆者

井上 修
井上 修

公認会計士、税理士、行政書士。昭和32年東京都生まれ。アーサーヤング公認会計士共同事務所、興亜監査法人、山田公認会計士事務所、岩下敏男税理士事務所を経て平成3年に独立開業し、井上公認会計士事務所を開設。さらに平成17年に公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士登録がひとつになったアトラス総合事務所を東京・渋谷に開設。

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