クリエーター同士の座談会 第2回 「お金の問題、みんなどうしてる?」

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クリエーター同士の座談会 第2回 「お金の問題、みんなどうしてる?」

個人事業主や起業家は、事業を成功に導くためにも、技術・営業・財務の役割をほとんど一人で担わなければいけない。とはいえ、技術や営業はなんとかなるにしても、事業を拡大するほどに財務まで手が回らなくなるのが正直なところだろう。座談会の第2回は、そんな財務の担い手=税理士の話題からスタートした。


実際のところ、税理士ってどうなの?

司会:事業の財務をしっかりやっていくとすれば、社外の税理士にお願いするのが最も確実な方法だと思いますが、実際のところ頼んでみて、いかがでしょうか?

土屋:私のところは税理士さんにお願いしています。といっても、毎月毎月何かをお願いするという感じではなく、決算のときや半年に1回の源泉徴収支払月のみで、すごく親切に教えてくれるので助かっています。

司会:源泉徴収って、半年に1回納めればいいんですか?

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SZAKI:通常、会社は報酬として支払った額から差し引いた分の源泉徴収を、支払い月の翌月10日までに納めることになっていますが、従業員が少ない会社などは、半年分をまとめて納めればよいという特例があるんですよね。

司会:なるほど。税理士というと毎月お願いしなければいけないと思ってしまいがちですが、それなら年に数回程度お願いすればよさそうですね。

上地:私も個人事業主のときは帳簿をつけるにしても家計簿の延長でできましたが、法人となると税理士さんにお願いしないとこわい面がありますね。実は、税務調査も受けたことがあるんですが、そのときもいろいろとアドバイスを受けました。

土屋:私も税務調査を受けたことがあります。半日くらいの調査でしたね。税理士さんがしっかりやってくれて、追徴課税はありませんでした。

SZAKI:実は、税務調査に立ち会えるのって税理士さんだけなんですよ。実際、商工会の担当者で立ち会っても税理士法があるので、意見を言えないと思っていただいた方がいいです。そうした意味でも、税理士はとても頼りになる存在だと思います。

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司会:ところで、ここに参加された4人中2人に税務調査が入ったことになりますが、税務調査ってそんなに頻繁に入るものなんでしょうか? 確率にすると数%と聞いたことがありますが・・・。

SZAKI:基本的には数%です。税務調査は、きちんと利益が出ている会社が選ばれがちで、個人か法人かというのも、白色申告か青色申告かいうのも関係がありません。

司会:結果的に、所得が多いのは往々にして法人なので、お二人のような法人のほうが調査を受けることが多いということですね。

SZAKI:そうですね。あとは、赤字から黒字、もしくは、黒字から赤字になったというような、変化点のあった会社がよく選ばれます。僕も企業でずっと経理を担当していましたが、赤字から黒字になった途端に「待ってました!」とばかりに税務調査が来ましたよ(笑)。
それで「これは間違っていますよね」とか「こうあるべきじゃないですか」とか指摘される。お二人の会社は、しっかりと利益が出ていたのか、もしくは、たまたま数%に選ばれたか・・・。さすがに毎年来るってことはないですが、大きな会社だと2年に1回必ず来るという場合もありますし、きちんと心構えはもっておいたほうがよいかもしれませんね。

 

税務調査が入りやすい時期って?

土屋:私のところは7月に来たのですが、税務調査に来る時期って、1年のうちでだいたいいつ頃が多いんでしょうか?

SZAKI:噂で聞いたのは、税務署員の異動が7月で、異動してからすぐの8〜10月に来ることがあるそうです。その場合は「どういうところにいこうか・・・」としっかり計画が立てられているので、本気モード。一方、異動が決まる直前の4〜5月の時期もノルマをかせがなければいけないからと、突然訪問されることも多い・・・。まあ、あくまでも噂ですが(笑)。

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司会:いずれにせよ、ある程度収入が増えてきたのならば、税理士さんにお願いすることも検討したほうがいいのかもしれませんね。

土屋:特に会社を経営すると、法定調書(源泉徴収票や支払い調書)を作らなければいけないこともあるので、それが大変です。最初は税理士の先生にお願いしていましたが、今では、何とか自分で出来るようになりました。

タカ:逆にフリーランスの立場からいうと、いろいろな会社と取引をしているので、年末になると支払調書が何十枚にもなるんですよね。でも「イラスト1カット=数万円」のような仕事1回きりだった会社からは、少額ということで支払調書が発行されず、確定申告のときに青色申告会みたいなところへ相談にいくと「少額でも支払調書をもらってきてください」といわれる。あれって、実際のところはどうなんでしょう?

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SZAKI:報酬の内容によって「いくらまでなら発行しなくてもよい」とか決まっているんですよね。ちなみに、源泉徴収票や支払調書といった法定調書は1月末までに発行されることになっていて、年内に届かないこともあります。

タカ:支払調書がメール添付で送られてくることもあるんですが、それもアリなんですか? 一応、押印はされていますが・・・。

SZAKI:それであれば、大丈夫だと思いますよ。そもそも給与所得がある場合は、確定申告書に源泉徴収票を添付しなければなりませんが、支払調書の添付は必要ありません。添付してもまったく問題はありませんけどね。

案外困る!? 納品日と支払日のタイムラグ

上地:ちょうど支払いの話題になったので、私からも1点。通販から制作業に移ったとき、何が一番困ったかと言えば、納品日と入金日のタイムラグだったんですよね。制作物を納めてから支払われるまでに数カ月〜半年もかかることがあって。通販業なら売れたら即入金されますから、あれには少々面を食らいました。

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坂本:私も過去に、半期締めの会社とお仕事をしたことがあって困りました(笑)。

タカ:雑誌なんかだと、支払日が翌月だったとしても、「発行日」から起算することがあるんですよね・・・。イラストを納品しても、制作会社のほうで誌面が制作され、書店に並ぶまでにけっこう時間がかかる。そうすると、こちらも請求書を出したことを忘れがちで、不安になるんですよ(笑)。確定申告のときに帳簿をまとめていて「あれ? 足りない」と気づくという・・・。

SZAKI:「下請代金支払遅延等防止法」(中小企業庁HP)、通称・下請法というのがあって、該当する事業者は60日以内に支払いをしなければいけないと定められています。あまりに支払いが遅いところは、下請法を盾にしてせっついたほうがいいかもしれません。下請法はその名の通り、下請側に有利なようにつくられていますから。

坂本:下請法が改正されてから、傾向としてはだいぶ支払いが早くなりましたが、それでも最大2カ月のタイムラグはありますよね。例えば1日に納品しても、2カ月後の月末の支払いなんてことが普通にある。

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上地:となれば、「仕事を依頼している」という意識を相手に忘れてもらわないためにも着手金を交渉するのもいいかもしれません。

司会:最近は、交渉次第で着手金をしっかりと用意してくれる制作会社も多いと聞きます。例えばデザイン系の仕事だったら、デザイン案作成やオペレート業務を項目別にしておいて、項目が終わるごとにその都度支払いをしてもらえば安心ですよね。

SZAKI:支払いサイト(取引代金の締め日から支払日までの猶予期間)は、事前にきちんと交渉したほうがよいでしょう。私が経理をやってきた経験からいえば、交渉されれば、だいたいは相手の支払いサイトを尊重するものです。その会社の経理の方と直接話せば、案外すぐ通るということもあるかもしれません。あとはWeb制作などであれば、最初に契約を結びますよね? そこに希望する支払いサイトをしっかりと明記しておくというのも、有効な手段になるのではないでしょうか。

司会:それでは次回はもっと踏み込んだお金の話、個人事業主にとって役立つ情報を話し合っていきましょう。

SZAKI:わかりました!

次回は、1月8日(木)掲載予定です。

座談会参加者プロフィール

●土屋(仮名):フリーライターとして独立後、2006年に株式会社を設立。現在は、雑誌・Webサイトの編集・執筆、企業PR誌・販促ツールの企画・制作を行う。

●上地 忍:通販業を経て、2008年にシーノン株式会社を設立。防災グッズなどの通信販売を運営する一方で、ECサイト、医療系サイト、予告編映像などの制作を手がける。

●タカ:制作会社に勤めた後、2006年に独立。イラストレーター兼デザイナーとして活動する。デザイン系の専門学校で講師としても活躍。

●坂本(仮名):映像制作会社に勤めた後、2000年に独立。フリーランスのイラストレーターとして活動する。映像制作に必要な絵コンテ制作を得意とする。

●司会(安田博勇 ):いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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この記事の執筆者

安田博勇
安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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