「確定申告の疑問」を税理士にズバリ聞いた!第1回領収書編

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「確定申告の疑問」を税理士にズバリ聞いた!第1回領収書編

こんにちは。フリーライターの岸田です。われわれ個人事業主にとっての2月、3月といえば確定申告の季節。毎年のこととはいえ、1年に1回だけなので、案外忘れていることが多いもの。この短期連載では、私の知人・友人のフリーランスのみなさんから集めた確定申告の疑問について、税理士の宮原先生にぶつけてみました。第1回目のテーマは「領収書の疑問」です。


領収書をもらうのを忘れたときの対処方法とは?

岸田 ボクも含めフリーランスの人ってとにかく領収書をもらうのが癖になっています。めんどくさいからいいやって全然もらってなかったら、やっぱり経費計上はできないんですよね。

宮原先生(以下:宮原) そうですね。証拠がないわけですから。基本的には手元に残しておかないとまずい。

岸田 「うっかり領収書をもらうのを忘れたけど、どうしたらいいの?」という質問もあったんですけど、やはりダメだと。

宮原 やむを得ないときは、出金伝票で記録しておくこともできます。

岸田 え、それでもいいんですか! 出金伝票って交通費の精算なんかで作る書類ですよね。

宮原 そう。ただし、出金伝票だらけになってしまうと、「反面調査」といって取引先などに確認を取られることもあるので、相手に迷惑をかけることになります。

岸田 あくまでも例外処理って感じですかね。基本はきちんと領収書をもらいなさいと。

宮原 そうですね。あと出金伝票を作るときには、金額だけじゃなくて、日付、お店、誰と、がきちんと記載されていないとダメです。

岸田 それでいうと「宛名のない領収書は使えるの?」という質問も来ていました。たぶん書いてもらうのを忘れたんだと思うけど、宛名が空欄のものってどうなんですか。

宮原 無理に宛名を書くよりは空欄のままでいいですよ。

岸田 サラリーマンの頃、会社の経理ルールで宛名がない領収書は落ちなかったんです。なので、空欄に自分で会社名を書く同僚もいたんですが。むりやり筆跡を似せたりして(笑)

宮原 領収書の宛名がないからといって、まったく無効ということではありません。税務上は「実際、どうだったのか」ということが問題になるので、経費の支払いが事実であれば宛名が書いてなくても大丈夫ですよ。金額も空欄というのはまずいですけどね。

岸田 金額が空欄だと、何のためにもらっているのかって話になっちゃう(笑)

レシートイメージ

確定申告は領収書じゃなくてもレシートでかまわない?

岸田 じつは知り合いから「領収書じゃなくてレシートでいいんだよ」と聞いて以来、ボクも基本的にレシートだけを集めるようにしています。でもホントにレシートで大丈夫なんですか。

宮原 むしろレシートの方が好ましいですね。

岸田 おお!

宮原 領収書だと結局、内容がわからないですよね。何を買ったかという内訳がちゃんと記載されているレシートのほうが、より透明性が高いということになります。

岸田 レジで毎回領収書を書いてもらうのもめんどくさいし、レシートのほうが楽ちんですね。

宮原 ただし、領収書には7年間の保存義務があります。感熱紙のレシートの場合、時間が経つとインクが消えてしまうことがあるので、なるべく熱や光のない場所に保存しておきましょう。

岸田 保存でいうと、年末に本やマンガの自炊(*)用にドキュメントスキャナを購入したんですよ。せっかくなので領収書もぜんぶスキャンしてデジタル化したいんですけど、これって認められますか。

(*)「自炊」とは、自らが所有する書物などを裁断し、デジタルデータ化すること(編集部注)

宮原 税務署の承認手続きを受ければ可能ですね。現行の制度では、あらかじめ承認を受けることによって請求書や領収書をスキャナ保存することができます。

岸田 できるんですね!

宮原 でも領収書だと3万円未満のものに限られていたり、電子署名やタイムスタンプ、バージョン管理など様々な条件があって難しいものでした。まだ決定ではありませんが、平成27年度税制改正では、この金額基準や電子署名の廃止が予定されています(*)。クラウド会計ソフトに、規格に準じたスキャナ保存の機能が付けば、領収書の管理がずいぶん楽になるでしょう。

(*)平成27年度の税制改正で国税関係書類の「スキャナ保存制度」の要件が緩和され、記載の要件が確定しています(2016年1月28日編集部追記)。

【参照】【2015年税制改正】スキャナ保存制度で確定申告のやり方も変わる!?

岸田 紙の領収書の整理についても質問が来ています。「領収書の正式な保存方法について知りたい」とのことです。

宮原 正式な保存方法というのは決まってないですね。明瞭に整理しておくのがポイントです。

岸田 よくノートに貼るっていいますよね。

宮原 ノートに貼るか、封筒に入れておくか、どちらかが多いでしょう。税務調査のとき、求めに応じて取り出せるよう整然と保管してあることが大事ですね。

確定申告にむけて領収書にメモしておくべき内容とは?

岸田 続いての質問です。「取引先との飲み会で発行してもらった領収書、誰と飲んだかまで書いておくべきなの?」ということですが。

宮原 個人事業主の場合、接待交際費の上限はありませんが、業務上の必要性があるかというところが問題となってきます。となれば、やはり誰と行ったかという情報は必要になります。レシートの裏などに書いておいたほうがいいですよね。

岸田 書いてないと思い出せないですよねー。続いては収入印紙について。「領収書に収入印紙が貼られていなかったのですが、自分で貼ったほうがいいの?」かという。

宮原 支払ったほうが貼る必要はないです。経費かどうかとは別の話ですよ。

岸田 そもそも収入印紙って高い買い物のときだけですよね。ほとんど見たことないです(笑)。

宮原 収入印紙が必要な金額は、2014年4月から5万円以上に引き上げられています。それまでは3万円以上でしたね。

岸田 ボクにはあんまり縁がない金額ですね。家電量販店で買い物したときくらいだけど、それもレシートで済ませてるからなー。

宮原 収入印紙そのものは領収書を発行したほうが貼るものなので、受け取ったほうとしてはどうしようもないですよね。印紙の有無は印紙税の話なので、経費かどうかとはまったく関係のない話なんですよね。もらった側はその領収書をそのまま使うことになります。

確定申告でSuicaの領収書はそのまま使ってもいい?

岸田 「電子マネーの領収書はそのまま使ってもいいの?」という質問です。これはみんな悩んでいるところだと思うんです。

宮原 簡便な方法としては大丈夫でしょうね。

岸田 ボクもいま券売機でSuicaにチャージするとき、いつも領収書ボタンを押して発行しています。でもSuicaの場合、交通費以外にもいろいろなものが買えてしまいますよ。

宮原 「交通費にしか使っていない」ということであれば、大丈夫じゃないかなと。チャージの上限は2万円ですよね。多額でもないのでチャージの都度、交通費にしても簡便な方法としては有りだと思います。

岸田 それでいいならすごく楽になります。

宮原 そもそも論として、チャージ自体はお金を入れただけです。なので、何に使ったのかがわかるようにしておく必要はありますよね。

岸田 やっぱり(笑)。

宮原 あとはSuica自体を小口現金として扱う方法もあります。チャージした時に小口現金の残高が増えて、使っていくごとに小口現金の残高が減っていくという記帳方法です。

岸田 うーん。少しめんどくさそう。なるべくなら簡単に済ませたいですね。

「確定申告の疑問」まとめ

いかがでしょう。今回は確定申告での領収書の疑問について回答してもらいました。
領収書(レシート)は、日付や宛名、金額に摘要などを記載してもらうこと、捨てないこと、溜めないでスムーズに処理すること、きちんと保存しておくこと、それがいちばん大事ってことですね。

第2回青色申告編第3回白色申告編第4回経費編第5回家事按分編は、こちら。

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photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

岸田元
岸田元

編集/ライター。出版社、編プロ勤務などを経てフリーランスに。得意分野はIT、家電、ビジネス、エンタメなど。書籍編集から取材記事の執筆まで守備範囲は広めなユーティリティープレーヤー(便利屋)。難しいことをわかりやすく、真面目な話を面白く、伝えることを心がけています。

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