スモビバ! スモールビジネス(個人事業主、中小企業、起業家)の
業務や経営にまつわる疑問や課題をみんなで解決していく場

会社設立を計画中の起業家が知っておきたい 資本金の本当の話

公開日:

執筆者:中野 裕哲 なかの ひろあき

会社設立を計画中の起業家が知っておきたい 資本金の本当の話

会社設立の際、ほとんどの方が迷むこと。それは資本金をいくらにすればよいかということです。なんとなく決めてしまう人もいるかもしれませんが、要注意ですよ。資本金の額は創業融資・許認可・税金・信用の4つにも影響するからです。それぞれのポイントごとにどのような点を注意すればよいか見ていきましょう。



POINT
  • 資本金の額は創業融資や許認可の要件とも関係する
  • 消費税の観点からは資本金は1,000万円未満が有利
  • 1円会社という言葉に惑わされない

創業融資や許認可と資本金の関係

まずは、創業融資を受ける予定がある場合に資本金額をどう考えれば良いか見ていきましょう。資金は会社の血液。なくなってしまえば会社は終わります。会社設立後のキャッシュフローが健全にまわっていくのか、会社設立前に十分に検討しておく必要があります。
最初にするべきことは、設立後に必要となる初期投資と当初3ヶ月~6ヶ月程度で必要となる経費を把握することです。その結果、自己資金だけではまかなえないとしたら、創業融資を借りることを検討しましょう。その際、重要となってくるのが、資本金額。実は、創業融資では全体で必要となる資金のうち、どれだけ自己資金を用意したか(自己資金割合といいます)が非常に重視されます。目安としては全体の1/3~1/2程度をもっていることが基準です。
例えば、創業資金として全部で600万円必要だとして、資本金が200万円だとしたら、自己資金割合は1/3です。融資制度によっては、どれだけの自己資金割合が必要なのかが違っています。資本金額を決める際には創業融資のことも意識するようにしてください。

次に許認可の観点です。最低限必要な資本金(資本金要件といいます)が決まっているものがあるため、注意してください。例えば、有料職業紹介事業(500万円)、一般労働者派遣業(2,000万円)などです。このほかにも許認可が必要な業種の場合、資本金要件がないか、設立前によく確認する必要があります。許認可申請の段階で、資本金要件に引っかかって申請が通らず、営業できないといったことにならないよう注意しましょう。

創業融資にしても、許認可にしても、経営にかかわる重要事項です。要件を満たさない資本金の額で設立してしまったということにならないよう、しっかりと下調べを行いましょう。

税金と資本金の関係

資本金が関係してくる税金には、消費税と住民税があります。
消費税は通常、会社設立年度においては課税されませんが、設立時の資本金が1,000万円以上の場合には、設立年度から課税されてしまいます。この点を考えて、会社設立時の資本金を1,000万円未満にすることはよく知られているかと思います。

法人の住民税も資本金と関係します。法人住民税には、赤字か黒字かに関わらず、最低限課税される均等割という部分があります。この均等割が資本金の額と関係してくるのです。例えば、資本金等(資本金と資本準備金の合計額)が1,000万円以下、従業者数が50人以下の場合、均等割は7万円です。これが、もし資本金等が1,000万円超(1,001万円など)だとすると、均等割は一気に18万円にUPしてしまいます。創業当初の税金負担としては大きいですよね。資金繰りに重くのしかかるでしょう。

また、消費税は、会計処理の複雑化や、納税資金の考慮など、課税されない場合に比べて、金額面でも事務面でも大きな負担となります。
資本金を1,000万円以上にする際には、本当にそれが必要なことかどうか、税理士に相談するなどして、慎重に検討しましょう。

資本金は会社の信用を表す

もうひとつ重要な観点は信用です。資本金は、昔から会社の信用度を図るひとつの基準として用いられてきました。新会社法が施行され最低資本金制度が撤廃された今でも、資本金額を取引基準とするなど、この商慣習が残っている企業もあります。取引予定先が大手企業などの場合は、取引口座を開くにあたり資本金額が影響するのかどうか、事前に調査しておくことをオススメします。

ところで、最低資本金制度の撤廃で、資本金1円の会社というものも、制度上は登記可能となりました。しかし、よく考えてみるとわかるのですが、資本金とは事業の元手ですから、それが1円ではペン1本すら買えません。自己資金割合も究極に少ない状況ですから、金融機関から創業融資を借りるという選択肢もほぼ可能性ゼロだということもお分かりいただけるかと思います。現実的にはペン1本を買うにも、社長からの借入金がないと運営できないという状況に陥るでしょう。社長が貸すのであれば、最初から資本金に入れておけば良いのでは?というのが本当のところかと思います。

1円会社は話のネタとしては面白いかもしれませんが、資金繰りや対外的な信用といった観点からは何らメリットはないといえます。
会社経営していく者として、安易に言葉のイメージに流されず、十分な資本金をもとに事業を始めることが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。資本金の額は創業融資、許認可、税金、信用といった多方面から検討しなければいけません。極端に少ないのもダメだし、多ければ多いほど良いという単純なものでもありません。4つの要素を全て検討して、絶妙なバランスで資本金を決定することが重要です。設立後の経営にも大きな影響を及ぼす場合もありますので、資本金の額は税理士などの専門家に相談するなどして、慎重に決定することをオススメします。

photo:daj / amanaimages

  • 青色申告オンライン
  • 白色申告オンライン
  • 【PR】 1分でキレイな請求書を作成 「Misoca」 -今すぐ無料でお試し-
  • マイナンバーも年末調整も弥生給与
  • 会計オンライン
  • 確定申告まとめ
  • 弥生会計 オンラインが初年度0円 起業家応援キャンペーン

閉じる

【PR】 1分でキレイな請求書を作成 「Misoca」 -今すぐ無料でお試し- 白色申告オンライン 青色申告オンライン 会計オンライン 弥生給与

この記事の執筆者

中野 裕哲 なかの ひろあき
中野 裕哲 なかの ひろあき

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spirits/中野裕哲税理士・社会保険労務士・行政書士事務所代表。
V-Spirits
年間約300件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト「DREAM GATE」で3年連続相談数日本一。著書・監修書に『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』(明日香出版社)、『オールカラー個人事業の始め方』(西東社)がある。

この執筆者の他の記事を見る