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フリーランスの健康保険は国民健康保険だけなのか?

公開日:

執筆者:玉寄麻衣

フリーランスの健康保険は国民健康保険だけなのか?

会社勤めであれば、普段は意識しない健康保険。フリーランスになるならば、独立後の健康保険の選択肢と、国民健康保険への加入手続き方法や、注意すべきポイントを確認しておきましょう。



POINT
  • 個人事業主の健康保険には3つの種類がある
  • 国民健康保険には「扶養家族」も「傷病手当金」もない
  • すべての国民が何らかの保険に加入する義務がある

フリーランスの健康保険には大きく3つの選択肢がある

会社員であれば、通常加入している健康保険は「社会保険」です。社会保険は厚生年金とセットで加入し、その掛け金は雇用している会社が半分折半して負担しています。それゆえ退職時には、これらから脱退する必要があります。退職後、健康保険をどうするかは、3つの選択肢があります。

※細かく言えば「文芸美術国民健康保険(過去記事:「転ばぬ先の杖?個人事業主におすすめな健康保険」参照)」や「法人化すれば、社長も社会保険に加入できる」などの選択肢もありますが、今回はより一般的な3つをご紹介します。

1つ目は、各市区町村が運営する国民健康保険への加入です。
保険料は、前年の年収を基に市区町村ごとに算出されます。WEB上で保険料を計算できるシミュレーションサイトを持つ市区町村も多くあるので、確認してみましょう。

次に、社会保険に加入中のご家族の扶養家族になる方法です。
想定年収が130万円を超えず、かつ社会保険に加入しているご家族がいる場合には、保険料が追加で発生しないのでコストを安く抑えられるメリットがあります。ただし、想定年収が130万円を超える場合には、国民健康保険への切り替えが必要となります。

最後に、退職前の方が限定となりますが、加入中の社会保険の任意継続です。
任意継続には、それまで雇用主である企業が折半していた保険料をそのまま個人が負担する「保険料倍額タイプ」と、一定期間は保険料が変わらない「保険料据え置きタイプ」があります。

どちらのタイプかは、加入している健康保険組合のWEBページで確認ができます。据え置きタイプであれば、国民健康保険に加入するより保険料がお得になる場合があります。それぞれ金額を調べて、どちらがお得か確認してみましょう。任意継続の場合、加入期間は最長で2年までと定められているケースが多いので、期間満了時には上記2つのどちらかを選びます。

国民健康保険には「扶養家族」も「傷病手当金」もない

国民健康保険と社会保険には、大きく2つの違いがあります。社会保険であれば、就学中のお子さまや年収130万円未満の家族は、費用据え置きで「扶養家族」として社会保険に加入させることができますが、国民健康保険には「扶養家族」の概念がそもそもありません。年収・年齢に関係なく、国民健康保険に加入する人数分の保険料が発生します。

もう1つの大きな違いは、「傷病手当金」の有無です。病気やケガで長期間(4日以上)働けなくなるときに給料のおよそ6割が支給される「傷病手当金」は、国民健康保険にはありません。不安がある人は、生命保険などの加入状況も合わせて見直すことをオススメします。

注:社会保険の任意継続中に、新たに発生したケガや病気が原因の場合、傷病手当金は支給されません。

国民健康保険の加入手続きとは?

加入手続きは、退職後14日以内に居住地の市区町村役場で行います。手続きをどのタイミングで行っても国民健康保険の加入日(保険料の起算日)は、退職日、すなわち社会保険脱退日の翌日になります。手続きを後にずらしても、発生する保険料は変わりません。長く放置しても気軽に病院に行けなくなるなど、自分が不利になってしまうだけなので、早めに手続きを済ませましょう。

加入手続きで記入する「国民健康保険被保険者資格取得届」は、WEBからもダウンロードできます。本人が申請に行く場合、手続きに必要な書類は、以下の通りです。

  1. 「社会保険資格喪失証明書」など、職場の健康保険をやめたことが分かる証明書(退職日が分かる証明書)
  2. 本人確認ができる身分証明書(運転免許所やパスポートなど)
  3. 口座振替用の銀行口座が分かるもの(後日の手続き可)
  4. 印鑑

この4点です。

保険料は手続きしたその場で納めるのではなく、後日決められた期日までに支払います。支払った保険料は、所得税の控除対象になるので、支払証明書は手元に残しておきます。不明点があれば、事前に居住地の市区町村に確認を取りましょう。

国民健康保険は、絶対に加入しないとダメ?

「病院に行くときに、全額費用負担で構わないのなら国民健康保険には加入しなくてもいいのでは?」と思う人もいるかも知れません。しかし、日本では「国民皆保険制度」として、すべての国民が何らかの保険に加入する義務があります。加入手続きのタイミングに関わらず、社会保険の脱退日翌日が強制的に国民健康保険の加入日になるのも「無保険の状態は認めない」ためです。

さらに、無保険の状態で病院にかかると「自由診療」扱いとなるため、通常の保険診療と同じ治療メニューになるとは限りません。「通常、病院にかかると1回3000円ぐらいだから全額負担なら1万円程度だろう」と思っていると、あとで法外な金額に苦い思いをすることもありえるのです。

社会保険の任意継続や、扶養家族に入るといった選択肢がない場合は、国民健康保険料は「日本で暮らす必要経費」と割り切って、早めに手続きを済ませてしまいましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

玉寄麻衣
玉寄麻衣

1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。2004年フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。

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