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相手に必ず響く!事業計画書の作り方

最終更新日: 公開日:2015/10/02

執筆者:渕上聖也

相手に必ず響く!事業計画書の作り方

事業計画書をつくるのに、特殊なソフトやツールは必要ありません。普段使っているパソコンに入っているであろうパワーポイントがあれば十分です。しかし、簡単につくれてしまうからこそ、どこかで見たような事業計画書になってしまいがちです。そもそも事業計画書がなぜ必要なのか、という基本から考え直してみることで、見違えるほど見やすい事業計画書をつくることができます。



POINT
  • 事業計画書は、相手を説得するためにつくる
  • 1分で説明できない事業計画は価値がない
  • ロジックより重要なのは、ファクト&テスト

そもそも事業計画書ってなに?

事業計画書は、銀行や公庫から融資を受けたり、ベンチャーキャピタルから資金調達を受ける際などの目的に使われる書類です。新しくビジネスをスタートさせるときには、人集めやオフィス探しに奔走することと思いますが、実は最も大事となるのが「資金集め」。どれだけいい人材を集めても、運営資金がなければ事業は立ち行きません。

このように、主に融資を受ける目的でつくられる書類なだけあって、込めなければならないのは相手を説得する力。勝手にプレゼンテーションしてくれるような事業計画書がもっとも価値のあるものだと言えるでしょう。

こういった外部に向けた意味合いの他にも、今まさに自分がやろうとしている事業について、あらためて確認することができます。立ち上げる価値がある仕事なのか、成功する見込みはあるのかなど、ある種客観的に見ることもできるでしょう。

良い事業計画書の条件

誰かを説得するべく作成する書類である以上、求められる要素があります。最低限必要な条件として必要な情報が網羅されていることが挙げられますが、良い事業計画書にはそれ以外に『3つの要素』が備わっていると言われています。

パワーポイントで事業計画書を制作している方は多いかと思いますが、もちろん見やすさ・読みやすさに配慮するのは当たり前として、以下の3つをいかに取り入れるかを考えることをオススメします。

その1.事業を1分で説明できる

これから立ち上げようとしている事業だけに、込めた思いは相当なものでしょう。相手を説得するにはもちろんスジの通った数字のロジックは必要ですが、それと同じくらい「明快に物語れるか」も重要となってきます。

何十分でも何時間でも語れるかもしれませんが、残念ながらそこまで気長に話を聞いてくれる人はいません。相手がしびれを切らさないうちに、自分の事業について伝えるのに与えられた時間は、およそ1分。たったこれだけの時間で相手に興味を持ってもらわなければなりません。

そこで必要なのは、事業立ち上げの経緯や儲けのしくみ・市場分析に提供サービスの概要など、あらゆる説明項目にサマリー(要約)を設けること。長くなりがちな事業計画書も、サマリーだけ読めば大体わかるようにしておけば、相手の理解を早めることができます。

説明できない・しにくいことは、伝わりません。まずは理解させることから始まります。

その2.実行計画が明確

当たり前の話ですが、計画は実行されなければ価値はありません。

だから、「いかに計画が優れているか」が評価されることはありません。計画が優れているということは、結果ではなく前提に過ぎないのです。

事業計画書に書かれる未来の内容は抽象的になりがち。仕方のない面もありますが、その計画を成し遂げるために、「いま何をすべきなのか」が書かれていない計画書は信頼されないでしょう。

先ほどサマリーを設けることが重要だと述べましたが、それに加えて「今やるべきこと」が書かれている事業計画書こそ、真の信頼に値します。

その3.きれいなロジックより、徹底的なファクト&テスト

ある程度論理的に書かれていることは前提となりますが、事業計画段階であまりにきれいなロジックを描くとそのロジックに溺れる可能性があります。しっかりとしたロジックを立てつつも、それがあくまでも仮説であることを前提としていなければなりません。

いろんな仮説を立てている中でも、大きく外れやすいと言われるのが売上について。これは市場の分析やマーケティング戦略が、まだまだ仮説段階にあるからと言えます。そういった状況下ではより信頼が置けるファクト&テストをオススメします。

ファクト&テストとは客観的な情報としてファクト(市場の規模や売上高・ライバル企業の数字情報など)を収集し、それをベースとした商品やサービスをテストすることで、商品・サービスに需要があるかどうかを検証することです。

事実は仮説よりも強いもの。動かしようのない客観的事実を知った上でこそ、立てた仮説は価値を持ちます。サマリーに客観的事実(主に数字)を入れこむことで、よりよい事業計画書となるでしょう。

良い事業計画書の見本

それでは早速、お手本となる事業計画書を実例とともに2つ、ご紹介してみたいと思います。

<事例1>

ネットで見れる企画書!3億3000万円を調達した「nanapiの事業計画書」を公開します。

まずはこちら、ハウツーメディア『nanapi(ナナピ)』が3億3000万円の資金調達を行なう際に、実際に使用した事業計画書。かなり細かく書き込まれており、事業計画書を書く際のお手本とすべきクオリティになっています。「3つの要素」はどのように入れ込まれているでしょうか?

『nanapi事業計画書』

リンク先のスライドをご覧いただければわかるとおり、各スライド上部にはタイトルと1行で内容をまとめた解説が記載されています。かなり情報量の多いスライドではありますが、最低でもこの部分だけを説明できれば、nanapiが今何をしていて、これから何をやっていくのかがわかります。

さらに例として、上記「【6】狙うべきミドルジャンルの考え方と初期にとっていく分野」のスライドを見るとわかるように、ただの仮説で終わらせず、アクションしないとわからない検証結果を載せることで信ぴょう性を高めています。これがファクト&テストの要素です。

<事例2>

ストリートアカデミー_ローンチ前企画書


自分のスキルを売りたい人、教わりたい人をつなぐコミュニティSNSの「ストリートアカデミー」。このスライドはサービスローンチ前の企画書ですが、内容的に事業計画書と近いクオリティであったため、ご紹介したいと思います。

まず、このスライドからわかるのは、徹底的な市場調査を行ないデータを取っていること。データを取ることで、大枠ではなく詳細な「学び」に対する需要があることがわかり、いわゆるスクールではなく、個々の得意なことと学びたい人とを直接つなぐことがビジネスチャンスになっていることがわかります。

その上でどういったサービスを提供したいかが、11Pから明確に示されています。各スライドの小見出しは大体3つ程度に抑えられており、情報過多になっていないところもポイントです。要約された小見出しを説明するだけなら、1分もあれば十分でしょう。

まとめ

事業計画書はパワーポイントで制作することが多いと思いますが、エクセルやワードと違い構成に制限がありません。つまり、どこまでも凝ったつくりにすることができますが、実はそこが落とし穴。

基本的にはシンプルなグラフとテキストが載っていれば十分で、過剰に飾り立ててしまうと、何が本質なのかわからなくなってしまいます。パワーポイントを使うときは「凝らない」ことを意識するのをオススメします。

事業計画書は結局のところプレゼンテーション資料に過ぎません。数字に根拠をもたせ、何をすべきかを簡潔にまとめ、今何をすべきなのかをはっきりさせた事業計画書をつくってみましょう。

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photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

渕上聖也
渕上聖也

1982年生まれのフリーライター/エディター。『TABILABO』『HRナビ(リクルート)』『ガイアックスソーシャルメディアラボ』などのWebメディアを中心に執筆しています。また、ヘンテナプロジェクトというユニットの代表を務めています。詳しくは個人ブログへどうぞ。書評や映画評、社会時評など気ままに更新しています。お仕事の依頼はFacebookからどうぞ!
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