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今からでもできる個人事業主の節税施策

最終更新日: 公開日:2015/10/08

執筆者:柳原つつじ

今からでもできる個人事業主の節税施策

個人事業を行っていると、つい売上を伸ばすことばかりに目がいきがちですが、節税も利益を上げる方法の一つです。ちょっとした節税も積み重ねていけば、大きな結果につながります。今回は、効果的な節税の方法をいくつかご紹介していきたいと思います。



POINT
  • 「小規模企業共済」で生活資金を確保
  • いざというときの「経営セーフティ共済」
  • 「寄附金控除」の活用も視野に

「小規模企業共済」で生活資金を確保

個人事業主は、売上を上げることと同じくらい「節税」についても、真剣に取り組む必要があります。節税と効くと、経費を使って利益を圧縮することばかりが考えられがちですが、実は、リスクヘッジをしながら、節税するという二度おいしい方法もあります。

そのうちの一つが、「小規模企業共済」です。これは簡単に言えば「国が作った経営者の退職金制度」。昭和40年に発足して、2015年9月現在では約160万件以上の在職者がいるという安心の制度です。

退職金は本来、サラリーマンが会社を辞めるときに受け取るお金です。経営者は従業員にそれを支払う立場であり、自分が事業を畳んだとしても、当然、退職金のようなものは入ってきません。しかし、それでは引退後の生活があまりにも不安です。

そこで毎月積み立てておいて、廃業時や退職時に共済金として受け取れるのが、この「小規模企業共済」です。掛け金は1,000円から7万円までの範囲で、500円刻みで自由に選択することができるので、無理のない範囲で積み立てることができます。

なぜ、これが節税になるかというと、掛け金が全額所得控除となるからです(ただし、掛け金を支払う本人分のみ)。つまり、節税をしながら、将来に備えることができるということです。

常時使用する従業員が20人以下の個人事業主(宿泊業、娯楽業を除く商業とサービス業では、従業員が5人以下の個人事業主)ならば、加入することができるので、一度検討してみるとよいでしょう。

【参考記事】個人事業主の節税対策の切り札「小規模企業共済」とは?

また、同じく将来に備えた資金準備としては、加入者本人が自らの掛け金を運用し、運用実績に応じた額を受け取る「個人型確定拠出年金」があります。運用リスクを本人が負うところは異なりますが、支払う本人分に限って、掛け金の全額所得控除が認められている点では、小規模企業共済と同様です。

取引先の倒産に備える共済も

リスクヘッジしながら、節税する方法はこれだけではありません。「経営セーフティ共済」のように、倒産という最悪の事態に備えながら、節税もできるという制度もあります。

倒産に備えるなんて不謹慎な......とお思いになるかもしれませんが、自分の倒産ではなく、取引先の倒産です。取引先が倒産してしまうと、それが大企業であるほど、取引していた中小企業への影響も多大なものになります。影響による連鎖倒産の防止に備えて作られたのが、セーフティ共済です。

セーフティ共済は昭和53年に発足された制度で、現在は約38万件の事業者が活用しています。加入すると、取引先事業者が倒産して売掛金債権などの回収が困難となった場合に、共済金の貸付けを受けられます。対象は、1年以上継続して事業を行っている中小企業者で、要件を満たしていれば加入できるという制度です(参考:加入資格

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲で、5,000円刻みで自由に選択が可能。掛金の総額が800万円になるまで積み立てることができます。いざというときには、掛金の10倍の範囲内(最高8,000万円)で、融資が受けられるというわけです。その掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入できるので、節税しながら、不測の事態に備えられるということですね。

(※)平成30年(2018年)9月25日に、経営セーフティ共済が改正されました。共済事由の追加と共済契約の解除の取扱いが緩和されています(2018年10月18日編集部追記)。
【参考】中小企業基盤整備機構:平成30年9月からの経営セーフティ共済の改正について

寄付をすると税金が安くなる?

小規模企業共済にしろ、個人型確定拠出年金にしろ、老後に蓄えるということは、言うまでもなく自分のために行うものです。また、取引先の倒産に備える経営セーフティ共済も、やはりいざというときに自分の事業を守ることが目的です。それでいて節税にもなるのですから、メリットは大きいですが、他人のために寄付をすることでも、節税ができます。

これは「寄附金控除」というもので、国や地方公共団体、特定公益増進法人など寄付金を支出した場合に、所得控除を受けられます。

ただし、どんな寄付でもよいわけではなく、国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対して行う「特定寄附金」に該当するものであれば、所得控除を受けられるということになります。

どれくらい控除を受けられるかといえば、「その年中に支出した特定寄附金の額の合計額」から2,000円を引いた額が、寄附金控除額です。ただし、特定寄附金の額の合計額は所得金額の40%相当額が限度と定められています。

寄附金控除を受けるためには、寄付をした団体から交付を受けた領収書などを、確定申告書に添付しなければなりません。領収書を失くさないように気をつけましょう。

【関連記事】
・あらためて押さえておきたい所得控除一覧
・確定申告まとめ

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

柳原つつじ
柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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