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医療費控除とは何か?対象になるもの/ならないもの

最終更新日: 公開日:2015/10/09

執筆者:宮原 裕一(税理士)

医療費控除とは何か?

確定申告の時期になると、『医療費控除』という言葉を耳にすると思います。今回は、医療費控除という制度がどのようなものか、そして何が対象になるのか、ならないのかを説明していきます。
平成28年度税制改正による「医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)」と平成29年度税制改正により平成29年(2017年)分から医療費控除の確定申告の方法が変更されております。
記事「セルフメディケーション・医療費控除の明細書の書き方」 もあわせてご覧ください。(2017年12月13日 執筆者:宮原先生監修のうえ、『スモビバ!』編集部追記)



POINT
  • 医療費控除を活用すると税金を減らすことができる
  • 医療費控除の対象は治療などに必要なもの
  • 医療費の補てんは医療費から差し引く

医療費控除とは

医療費控除とは、所得税や住民税の対象となる所得(稼ぎ)から、その年に支払った医療費を差し引くことができる制度のことです。

医療費は健康な生活を営むために必要な支出ですから、本人が負担する部分について一定水準の金額については税金の対象から外すこととされています。医療費控除は確定申告をすることにより適用を受けることができます。会社の年末調整では受けられませんのでご注意ください。

医療費控除で税金の対象を減らす!

医療費控除の対象となるもの/ならないもの

医療費控除の対象となるものは、本人やその生計一親族(同じ財布で生活している家族)についてかかった医療費で、その年中に実際に支払ったもので通常必要と認められるものです。医療費には医薬品の購入や介護保険制度下での一定の施設・居宅サービス、出産なども含まれます。

医療費控除の対象とならないものとして、以下の点に注意しましょう。
ポイントとしては、診療や治療などで、診療所など認定を受けている場所で、医師などの資格者が行うものであることが判断基準となりますね。

  • 医療費は診療や治療にかかる費用を言いますので、予防接種や入院中の自己都合による差額ベッド代、医師等に支払う謝礼金などは対象にはなりません。もちろん、美容整形手術なども対象にはなりません。健康診断は原則として対象となりませんが、それによって重大な疾病が発見され、治療を受ける場合は医療費に含まれます。

  • 医薬品は医師の処方によるもののほか、市販のかぜ薬などは対象になりますが、疲労回復や健康増進のためのビタミン剤や栄養ドリンクなどは対象となりません。

  • あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師等による治療のためのマッサージ代などは対象になりますが、無資格者の行うリラクゼーション等は対象となりません。

  • 白内障や緑内障の手術による治療用のものを除き、眼鏡やコンタクトレンズは対象となりません。近視等の治療であるレーシック手術は対象となります。

  • 入れ歯やインプラント、不正咬合の治療としての歯列矯正は対象となりますが、美容のための歯列矯正やホワイトニングなどは対象となりません。

  • 通院のための電車・バス代や、歩行困難などでのタクシー代は対象となりますが、自家用車での駐車場代やガソリン代は対象となりません。

  • 妊婦の定期検診や産後の検診、助産師などによる分娩費用や入院費用、流産による入院費用などは対象となりますが、妊娠検査薬の購入や里帰り出産のための帰省費用などは対象となりません。

  • 歯科ローンやクレジットカードで医療費を支払った場合には、信販会社等が立て替え払いした年分でその全額を医療費控除の対象とします。ただし、金利や手数料などは対象とならないので注意しましょう。

  • 介護保険制度下での介護サービスには、施設サービス、居宅サービスで様々な形態のものがあり、それぞれで医療費控除の対象となるものが異なります。それぞれの事業者が発行する領収書等に医療費控除の対象となる金額が記載されていますので、そちらをご覧ください。
医療費となるもの/ならないもの
なるものならないもの
治療

医療
・医師に対する診療費や治療費
・治療のためのあんまマッサージ指圧師などの有資格者による施術費
・健康診断で重大な疾患が発見され治療に移行した場合の診断料
・予防接種や診断書作成料
・無資格者によるリラクゼーションなど
・健康診断で重大な疾患が発見されなかった場合の診断料
医薬品・医師の処方による医薬品の購入
・かぜ薬の購入
・疲労回復や健康増進のためのビタミン剤や栄養ドリンクの購入
歯科・入れ歯やインプラント
・不正咬合の治療のための歯列矯正
・容ぼうを美化するための歯列矯正やホワイトニング
眼科・白内障や緑内障などの治療のための眼鏡の購入
・近視の治療のためのレーシック
・近視や遠視、乱視などの矯正のための眼鏡・コンタクトレンズの購入
入院

通院
・看護師などによる療養上の世話
・入院中の通常の部屋代
・電車・バスなどでの交通費、歩行困難であったり、緊急時でのタクシー代
・親族による世話への謝礼
・自己都合による差額ベッド代
・自家用車での駐車場代やガソリン代
出産・出産のための分娩費用や入院費用
・妊婦の定期検診や産後の検診
・妊娠検査薬の購入費用
・里帰り出産での帰省費用
介護・介護保険制度下での一定の施設・居宅サービス・日常生活費や特別なサービス費
その他・歯科ローンやクレジットカードで支払った医療費・歯科ローンやクレジットカードの金利や手数料

医療費から差し引かれるもの

前述のとおり、医療費控除の対象となるものは『その年中に実際に支払ったもの』ですが、その内容によっては何らかの補てんを受ける場合があります。このときは、補てんを受けた金額分は支払った医療費から差し引く必要があります。具体的には次のような場合です。

  • 生命保険契約に基づく入院給付金や損害保険契約に基づく医療保険金など
  • 健康保険組合などから支払いを受ける高額療養費など
  • 出産に伴い支払いを受ける出産育児一時金など

まとめ

いかがでしたでしょうか。医療費控除の対象になるもの、ならないものを区別するのは大変ですが、治療に必要かどうかというところである程度の判断はできると思います。実際の申告の仕方、計算方法などについては、「医療費控除の確定申告方法と手順【税理士が解説!】」でお話します。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

宮原 裕一(税理士)
宮原 裕一(税理士)

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。
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