マイナンバーの記載された書類の正しい管理法

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執筆者:柳原つつじ

マイナンバーの記載された書類の正しい管理法

2016年(平成28年)1月から実施されるマイナンバー制度。税務や社会保障に関係する書類には、マイナンバーの記載が求められることになります。また、従業員を雇っている事業主の場合は、これらの書類を提出してもらう立場になりますが、マイナンバーが記載された書類は、どのように管理すればいいのでしょうか。廃棄や削除の方法も含めて、説明していきたいと思います。



POINT
  • 収集、保管できる目的は限られている
  • 施錠可能なキャビネットや引き出しに保管
  • 削除、廃棄状況も記録すること

マイナンバーは「特定個人情報」

もう通知を受けた方もいらっしゃるかもしれませんが、2015年(平成27年)10月からマイナンバーの通知が始まっています。

マイナンバーは個人情報なので、行政機関や勤務先以外の第三者には安易に伝えないようにする必要があります。ただ、事業主の立場としては、雇用している従業員のマイナンバーを集めて保管したり、支払調書や源泉徴収票を作成するにあたり、取引先にマイナンバーを確認することもあるかもしれません。

他人の個人情報を取得する側に回ることもありえるわけですが、マイナンバーとマイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」と呼ばれ、個人情報保護法が定めるものよりも、さらに厳密に管理することが求められています。

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「マイナンバー法」)の第20条には、下記のように定められています。

「何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない」

「前条各号のいずれかに該当する場合」というのは第19条で定めた内容のことを指しており、「個人番号関係事務」を処理するために必要な場合に限って、他人のマイナンバーを収集または保管することが認められています。

つまり、社会保障や税の手続き書類などの作成を除いては、マイナンバーを収集することが認められておらず、当然、保管することもできません。そのことをまず押さえておきましょう。

保管時に注意したい点

では、社会保障や税の手続きために従業員のマイナンバーを含む書類を作成した場合、どのように管理すべきなのでしょうか。原則的には、他の重要書類を保管するときと同様に、盗難に注意して厳重に保管するということになります。

具体的には、特定個人情報を取り扱う機器、電子媒体や個人番号が記載された書類などについては、施錠できるキャビネット・引き出しなどに収納します。そして、使用しないときは施錠するようにしてください。もちろん、留守にするときには、ドアを確実に施錠しましょう。

また、個人事業の場合は、部屋で事務処理を行っていることもあるかと思います。その場合、来客スペースからマイナンバーの記載された書類やパソコンの画面が見えてしまっては、漏洩のもとになります。レイアウトの工夫をするなど、適切な対策を講じましょう。

いつまで保管しておいてもよいの?

マイナンバーの保管は、個人番号関係事務を行うためだけに認められているというお話をしました。裏を返せば、事務に必要な書類の保存義務期間が過ぎてしまえば、マイナンバーを含めた書類やデータを廃棄しなければなりません。

もし事務処理ごとに別のファイルでマイナンバーを管理している場合は、その利用目的で保存する必要がなくなった時点で、マイナンバーをまとめて一つのファイルにしている場合は、すべての利用目的で必要なくなった時点で、できるだけ速やかに廃棄もしくは削除を行うことになります。

保存義務のない支払調書の場合は、控えを保管する期間は、確認の必要性や保存の安全性などもありますが、税務における使用を考慮すると、最長で7年間だとされています。

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出典:「よくわかる事業者のためのマイナンバーガイド」P50より抜粋
(C)2015 Yayoi Co.,Ltd.

また、廃棄する方法についても気をつけなければなりません。何より避けなければならないのが、情報の漏洩です。復元できないような方法で、廃棄することが求められます。
書類であればシュレッダーがよいでしょう。データであれば電子データシュレッダーなど、データ復元用の専用ソフトウェア、プログラム、装置等を用いなければ復元できないレベルで、データを消去しましょう。

さらに、「削除や破棄を行った」ということ自体も、記録として残しておく必要があります。「特定個人情報ファイルの種類や名称」、「責任者・取扱部署」、「削除・廃棄状況など」を記載して残しておきましょう。その際に、マイナンバー自体を記載に含めないようにすることが必要です。

マイナンバーの漏洩を完全ブロックするにはどうすればよいのか。保管・廃棄体制をよく検討したうえで、組織内でルール化していきましょう。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者

柳原つつじ
柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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