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脱サラした人のための確定申告ガイド

2023/08/01更新

この記事の執筆者安田博勇

筆者が勤めていた会社を退職し、ライター業を営むようになったのは数年前のこと。当時は会計ソフトを導入していなかったので、その年分の確定申告書はすべて手書きで作成しました。わからないことばかりでとても苦労したことをよく覚えています。

今回は、これから脱サラして開業することを考えている人、もしくは、脱サラしたはいいけど今年の確定申告のやり方がわからず不安になっている人に向け、会社を退職した年の確定申告の注意点を解説します。

POINT

  • 退職金も申告しなければいけないか要check!
  • 開業前にかかった費用は「開業費」として任意償却
  • 確定申告書の提出は郵送も可。2部提出すれば控えをもらえる

退職金も確定申告する必要がある?

まずは、確定申告時の基本的事項からです。

そもそも確定申告書には「確定申告書A」「確定申告書B」が存在します。会社から受け取る給与所得のみを申告するときは「確定申告書A」を、退職したその年に事業所得(個人で行っている仕事による所得)を得たのなら「確定申告書B」を選択することとなります。

なお、個人事業主は税務署に開業届(正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」)を提出しなければいけませんが、青色申告者になる場合はこれに加え、青色申告者になることも申請しなければいけません。

参照
青色申告と白色申告の違いとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

ところで確定申告の前に留意しておきたいのが「退職金」です。原則、前の会社を退職した際に退職金を受け取っていれば、退職者(事業者)は退職所得を申告しなければいけません。申告の際には、事業・給与の所得とは分離し、退職所得だけで税額を算出します。

ただし、退職する際に「退職所得の受給に関する申告書」という書類を会社に提出していれば、原則として確定申告は不要です。この書類を提出していない場合は、確定申告により所得税が還付されます。

参照
今年退職して起業した人のための確定申告のポイント

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事業所得&給与所得の確定申告は?

さて、確定申告で事業所得と給与所得を申告する際に必要となる書類には、次のようなものがあります。

  • 確定申告書B
  • 収支内訳書 ※白色申告の場合
  • 青色申告決算書 ※青色申告の場合
  • 給与、年金の源泉徴収票 ※添付書類
  • 国民年金、生命保険料などの控除証明 ※添付書類

また添付の必要はありませんが、事業収入のわかる「請求書の控え」「取引先からの支払調書」もあると便利です。国民健康保険は控除証明書が発行されませんので、支払金額のわかる納付書の控えもあるとよいでしょう。

参照
確定申告書の書き方を項目別にわかりやすく解説!入手方法も併せて紹介

開業をした年の確定申告となれば、開業に際してさまざまな費用が発生していると思います。これらの費用は、収支内訳書・青色申告決算書(損益計算書)に記入しなければいけません。このとき、開業届に記入した”開業日”以降に発生した費用は、勘定科目ごとに経費計上すればOKですが、開業日の前に発生した費用は、どのように計上すればよいのでしょうか。

そんなときに使うのが「開業費」という科目です。名刺・印鑑の作成、関係者との飲食費、書籍などの資料代、さらには開業準備中の事務所家賃など、開業の準備に必要だった費用を「開業費」としてまとめることができます(帳簿上では摘要の欄に使途を記入しておくとよいです)。

また開業費では、事業に余裕の出てくる2年目、3年目など、事業者の好きなタイミングで費用計上ができる「任意償却」が認められています。ただしパソコンの購入など10万円以上するものは開業費に含むことができません。減価償却資産となりますので、記入の際には注意しましょう。

収支内訳書、青色申告決算書の書き方は、下記サイトを参考にしてください。

参照
青色申告決算書とは?書き方と提出方法を解説
参照
白色申告に必要な収支内訳書とは?書き方や入手方法を解説

確定申告書は税務署へ郵送で提出しても問題なし!

最後に提出方法です。

毎年確定申告シーズンになると税務署に長蛇の列ができるため、提出の際には「直接持っていかなければいけないのではないか……」と気になるものですが、きちんと記載されていれば郵送で提出してまったく問題ありません。

必要書類を封筒に入れ、管轄の税務署に送付しましょう。このとき、封筒に「確定申告書在中」と朱書きしておけば安心です。なお、確定申告書の控えがほしい場合は、正本・副本の2部を郵送します。そのときには返信用封筒を忘れずに入れましょう。数週間すれば、押印された状態で副本が戻ってきます。

還付がある場合、例年4月頃、税務署から「国税還付金振込通知書」が届き、確定申告書に記載した「還付される税金の受取場所」(銀行口座)に振り込まれます。

頭のなかでやり方さえ整理しておけば、実のところ確定申告はそれほど大変ではありません。ただし事業が拡大し、日々のお金で出入りが多くなればなるほど、収支内訳書や決算書の作成に時間がとられていきます。事業が本格稼働する前に、収支内訳書や貸借対照表を作成してくれる”会計ソフト”の導入も検討してみるのがおすすめです。

photo:Thinkstock / Getty Images

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この記事の執筆者安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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