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はじめての青色申告【第2回】〜入力&申告書作成編〜

公開日:

執筆者:酒井彰人

はじめての青色申告【第2回】〜入力&申告書作成編〜

青色申告に関してはまったくの初心者だった酒井さん。税理士の村田先生にレクチャーを受けながら、なんとか領収書や控除証明書を整理するなど事前の準備までは(第1回目はこちら)なんとか完了! さて今回はいよいよ「やよいの青色申告 オンライン」の入力にチャレンジです。



酒井さん

領収書と書類の整理できました! 先生の指示どおり整理してみましたが、これでよかったのでしょうか?

村田さん

領収書は不動産と個人事業に分けてありますし、月ごとに整理していますね。必要な書類もひととおりファイルに入れているので、問題ありません。ここまで30分で出来ちゃいましたね!

酒井さん

とりあえず領収書は集めて整理してみましたが、このあとどうすればいいのでしょうか?

村田さん

それではさっそく、こちらを使って入力してみましょう。

はじめての青色申告【第2回】

村田さん

ところで酒井さんはなぜ白色じゃなくて青色で確定申告をしようと思ったのですか?

酒井さん

65万円の控除が受けられる、という点が一番大きな理由ですが、他に赤字の繰越ができるとかですかね?

村田さん

そうですね。事業で赤字が出てしまった場合には、他の所得(たとえば不動産所得)の黒字と相殺することができます。これを『損益通算』といいます。『損益通算』しても、なお控除しきれない赤字がある場合には、その赤字分を3年間繰り越すことができるのです。また、取得価額30万円未満の固定資産を1回で経費に落とすことができる『少額減価償却資産』という制度や、家族従業員がいる場合、事前の届出書の提出は必要ですが、給与を払うことできるなど、帳簿をしっかりつけなければいけないぶん、メリットも多いのが青色申告になりますね。

はじめての青色申告【第2回】

【参考図表】「純損失の繰越し控除」とは

酒井さん

やはりそうなのですね! そんなこともあろうかと、4月の開業時に開業届と同時に青色申告の申請は済ましておきました。

村田さん

青色申告の申請を忘れてしまう人も多いなか、すばらしいですね! 青色申告をするためには『青色申告承認申請書』を、提出期限までに、管轄の税務署に提出しなければなりません。原則は青色申告をしようとする年の3月15日までが提出期限ですが、酒井さんのような4月開業の場合には、事業開始の日から2ヶ月以内が提出期限となります。酒井さんのように、開業届と一緒に提出するのが忘れなくていいですね。

こんなにかんたん! 「やよいの青色申告 オンライン」の入力について

村田さん

ではさっそく具体的に会計ソフトへの入力の仕方についてレクチャーします!

酒井さん

まず経費はどうやって入力したらいいのでしょうか?

村田さん

ひとつひとつ手入力で入れることもできますが、やよいの青色申告 オンラインではさらに簡易に入力することが可能です。かんたん取引入力では、新規登録画面で......

  • 取引日
  • 科目
  • 取引手段
  • 摘要
  • 取引先
  • 金額

を選択および入力して登録します。同じ取引であれば入力内容をコピーして続けて登録することも可能です。

はじめての青色申告【第2回】

また、「スマート取引取込」では、銀行口座やクレジットカードの使用状況を取り込むことができるため、経費や売上を選択して送信すれば入力作業を大幅に軽減できます。さらに、現金で支払った経費に関しても、領収書やレシートをスキャナーで取り込むことができ、その情報から取引情報を作成可能です。

はじめての青色申告【第2回】

酒井さん

特に経費はかなり数が多いので、こういった機能があればミスも少なくなり、早く作業することができるので本当に便利ですね!
先生、経費なのですが、12月にクレジットカードで購入したものは、実際の支払いは次の年の1月になるため、来年の経費になるのでしょうか?

村田さん

基本的には発生ベースで考えます。つまり、12月に購入したものであれば、たとえ支払いが1月であっても、12月の経費になります。いわゆる『未払金』や『未払費用』といったものですね。注意したいのは、購入品の納品が1月以降になった場合です。この場合は、12月の経費にはならず、次の年の経費になります。

特に注意したい! 経費になるものとならないもの

・一人カフェで仕事をした場合などは、経費性の証明が難しい。【第1回~事前準備編~】でやったように、領収書の裏に何をやったかをメモしておきましょう。

・一人起業(他の従業員がいない)の場合には、そもそも福利厚生費という概念がないため、単なるカフェ休憩では経費になりません。

・スーパーなどで買ったものに対して、これは事業で使うものだと明確にわかるようにレシートの経費部分を赤で囲うなどしておくとわかりやすいです。

・酒井さんの場合、備品は機材やPCなど。これらの経費の考え方は、青色申告の場合3種類あり、取得価額として10万、20万、30万円の基準があります。

  1. 10万未満は一回で経費にできる
  2. 10万円以上20万円未満は、3年で経費にできる
  3. 30万未満は、青色申告の特典で、一回で経費にできる

10万、20万、30万円の判定は、消費税の納税義務者であるか否かによって変わります。

消費税の免税事業者の場合:消費税込みの金額で判定する
消費税の課税事業者の場合:採用している経理方法で判定。税込経理なら消費税込みで、税抜経理なら消費税抜きで判定する

※取得価額30万円以上のものは、通常の減価償却の対象となります。例えば、新品のパソコンであれば、4年間で償却(経費化)していくことになります。

・自宅兼事務所などの家賃に関して、家事費・事業費の按分をする際には、仕事専用の部屋をつくる、仕事スペースを区切るなどの方法で、仕事場を明確にすると良いでしょう。家事按分に際しては、使用面積や、使用時間を基準にするなど、明確な根拠が必要となります。原則として、一度決めた割合は変更しない、ということに注意しましょう。これは携帯電話料金なども同様です。
 さらに、郵便ポストには屋号も入れて仕事で使っていることを明確にしましょう。
 仕事専用の部屋がある場合には、部屋のドアに屋号を貼ることで、経費性をより明確にしておくと良いでしょう。

酒井さん

ううむ、経費の考え方は奥が深いですね。知らなければ間違って入力してしまったり、損してしまったりすることがあり、しっかり勉強することが重要ですね。先生に教えて頂いたポイントを押さえて、かんたんに帳簿が完成しました!

村田さん

ここまでで90分で出来ましたね!

酒井さん

あれ? この次はどうすればいいんでしょうか?

はじめての青色申告【第2回】

村田さん

ちょっと待って! 帳簿ができたからと勢い勇んですぐに申告書を作るまえに、これだけはチェックしましょう!

はじめての青色申告【第2回】

<チェックポイント>

    • 預金残高は通帳と合っていますか?
    • 昨年中にクレジットカードによる購入があり、その引き落としが1月以降の場合、未払金、あるいは未払費用で処理していますか?
    • クレジットカードの締日にも注意。月末締めであれば、未払金(未払費用)の金額と、次回引き落とし額が一致するはずです。月末締め以外であれば、自身で12月末までの未払額を集計して、未払金(未払費用)と一致するかどうかを確認しましょう
    • 売掛金は入金金額と合っていますか?
    • プライベートで購入したものが含まれていませんか?

    村田さん

    帳簿に間違いがないかチェックが終わったら、さっそく確定申告書の作成をしていきましょう!

    酒井さん

    ここでもやよいの青色申告 オンラインが心強い味方なわけですね!

    はじめての青色申告【第2回】

    ※不動産兼業の場合の画面です。

    村田さん

    やよいの青色申告 オンラインの確定申告の項目から進めていきます。わかりやすく手順が記載されており、その通りに進めていけば間違えることなく進みます。まずは、固定資産の入力で減価償却費の計算を行います。取得価額が10万円以上の固定資産について減価償却費を計算しましょう。
    そして次に青色申告決算書の作成を行います。帳簿の入力作業により自動で作成されている項目に加えて、家事按分などの入力を行い完成させます。
    最後に確定申告書の作成です。ここで用意した書類が必要になります。

    酒井さん

    なるほど、ここで保険料控除証明書等が必要になってくるのですね!

    村田さん

    さあ、どんどん申告書を作成していきましょう!

    酒井さん

    先生、事業をはじめるために開業日前に購入したものもいくつかあるのですが、こういう場合は、どのようにしたらいいでしょうか?

    村田さん

    開業前に購入したもの......、確かに迷いますよね。でも大丈夫です! たとえ開業前に購入したものであっても、事業に使うものであれば経費にすることができます。これを「開業費」といいます。 開業準備の段階でも、何かと経費ってかかりますよね。 開業前に購入したものでもあっても、きちんと領収書やレシートなどを残しておくことが重要です。その点、酒井さんは大丈夫そうですね。

    酒井さん

    先生! ちょっとここで質問です! 私の場合は、開業前にパソコンやカメラなどの、いわゆる固定資産の購入もあるのですが、開業前に購入したものは、すべて開業費に計上するのでしょうか?

    村田さん

    開業費と固定資産の考え方は、開業前に購入したものでも、すべてを開業費にするのではなく、固定資産に入るものは固定資産にする方が良いでしょう。開業費は、原則5年償却です。5年(60ヶ月)かけて均等に償却することになりますが、固定資産の償却年数とずれることもあるため、PCなど固定資産にできるものは、固定資産にする方がいいですね。ちなみに、開業費については、いつ、いくら償却してもいい任意償却という方法もありますが、酒井さんの場合は、5年間で計画的に償却していきましょう。

    酒井さん

    それは知らなかったですね。もうひとつ教えて頂きたいのですが、不動産と個人事業の確定申告に関しては、それぞれどんな書類をつくる必要があるのでしょうか?

    村田さん

    不動産と個人事業がある場合も、確定申告書そのものはひとつだけつくります。 ただ、その確定申告書に添付する青色申告決算書は、不動産と個人事業で、それぞれ作成する必要があります。不動産の収支と、個人事業の収支は、それぞれ分けて把握する必要があるんですね。何だか難しそうですが、やよいの青色申告 オンライン)は、不動産業と一般事業の兼業にも対応していて、不動産の取引と個人事業の取引をそれぞれ入力できます。そこから不動産の決算書と、個人事業の決算書に、帳簿で入力した内容が反映されるので、かんたんです。あとは、他の者から受け取る給与収入なんかがあれば、給与の欄に記入する必要があります。

    酒井さん

    なるほど、それぞれの収支を青色申告決算書で把握して、その結果を、ひとつの確定申告書に反映させるんですね。イメージができてきたので、確定申告書類の作成を進めてみます!

    いよいよ申告書が完成!

    はじめての青色申告【第2回】

    酒井さん

    せ、先生! ついに申告書が完成しました!

    村田さん

    領収書の整理から計算すると、ここまでで約4時間でかんたんにできてしまいましたね!

    酒井さん

    最初は何から手をつけていいのか分からず、どうなることかと思いましたがポイントを押さえて、やよいの青色申告 オンラインに記載している流れの通り進めていけば難しくないですね。いやー、達成感がありますね。

    連載3回目になる次回は、提出前のチェック、税務署に提出・還付or納税までを執筆予定です。それまでに「やよいの青色申告 オンライン」を使って入力作業を進めておきましょう。

    (次回につづく)

    いろは税理士法人代表税理士・村田栄樹氏プロフィール
    昭和47年(1972年)6月14日生まれ。栃木県佐野市出身。
    経営コンサルティングもできる、企業参謀型の税理士として、お客さまのビジネスに積極的にかかわる。創業したばかりの会社に対し、丁寧にわかりやすくアドバイスすることで、会計・税務についての不安をなくし、本業に集中できる環境作りを得意とする。税理士になる前は、大手専門学校で簿記・税理士・FP講座などの講義を3,000回以上行う。
    専門用語を使わずに、受講生の「なぜ?」にしっかり答える講師として、多くの受講生から支持を得る。わかりやすい講義が評判となり、受験対策講座では、他校からの転校などで、申込者数が対前年比4倍となる。
    税理士として、簿記講座講師として、長年簿記・会計に触れてきた経験から、『簿記は単なる帳簿付けの技術ではなく、哲学であり、人生訓である』が持論。簿記・会計のルール(原則)を、経営・人生に応用することを提唱している。
    いろは税理士法人公式HP
    著書:『ダンゼン得する 知りたいことが パッとわかる 経費になる領収書 ならない領収書がよくわかる本』、『ダンゼン得する 知りたいことがパッとわかる 儲かる会社の会計と経営がよくわかる本』(ともにソーテック社)など。

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    この記事の執筆者

    酒井彰人
    酒井彰人

    エンジニアや営業、映画監督のアシスタントなどさまざまな業務を経験後、平成28年4月より個人事業を開業、フリーランスとして映像制作とライター業を中心に活躍中。シンガポールで駐在経験もあり、日本や世界のどこにいても仕事ができる環境を作るべく、実績と経験を積み重ねている毎日。
    studioA

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