社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)により、2016年1月以降、12桁のマイナンバー(個人番号)が、社会保障、税、災害対策の分野で運用されるようになりました。この1年間を振り返り、多くの人にとってマイナンバーを使用する場面は少なかったかもしれませんが、2016年分の所得税確定申告書からマイナンバーの記入や確認等が求められます。確定申告の際、マイナンバーがどのようなかたちで必要とされるのか、まとめてみました。
2016年分から、確定申告書にマイナンバーの記入が必要になります。
「所得税及び復興特別所得税」の確定申告(申告書B)では、第一表の右上にある「個人番号」の欄に、申告者本人の12桁のマイナンバーを記入することとなります。このほか「消費税等の確定申告書」「贈与税の申告書」などにも「個人番号」の記入欄が設けられています。「青色申告決算書」「収支内訳書」にはマイナンバー欄はありませんし、記入不要です。
申告書B第二表には、場合に応じ、本人以外のマイナンバーを記入します。本人以外のマイナンバーを記入するのは、次の項目に該当するときです。
氏名・生年月日とともに、控除対象となる配偶者のマイナンバーを記入します。
【参考】青色事業専従者給与と配偶者(特別)控除。節税効果の違いは
氏名・生年月日とともに、控除対象となる扶養親族(16歳以上)のマイナンバーを記入します。
【参考】扶養控除の条件とその活用法について
氏名・生年月日・続柄とともに、事業専従者(家族)のマイナンバーを記入します。
【参考】青色事業専従者給与と配偶者(特別)控除。節税効果の違いは?
16歳未満の扶養親族には扶養控除の適用がありませんが、住民税の申告上で必要になります。「住民税に関する事項」の欄に、氏名・生年月日・続柄とともに、扶養親族(16歳未満)のマイナンバーを記入します。
確定申告書Aで確定申告を行う場合も、第二表に配偶者(特別)控除の適用を受ける配偶者、扶養親族のマイナンバーを記入する欄があります。
また、確定申告書に配偶者や扶養親族のマイナンバーを記載する場合には、配偶者や扶養親族の本人確認書類の添付は必要ありません。
確定申告書を提出する際には、「本人確認書類の提示」または「本人確認書類(写し)の添付」が求められます。「本人確認書類(写し)の添付」は、以下のいずれかの方法を選択してください。
氏名・住所・写真などの載ったマイナンバーカードの表面と、マイナンバーの記された裏面の両方をコピー。国税庁のホームページからダウンロードできる「本人確認書類(写)添付台紙」にコピーを貼り付け、確定申告書とともに提出します。マイナンバーカードが本人確認書類にもなっているので、運転免許証などの写しは不要です。
以下①②両方のコピーを用意し、「本人確認書類(写)添付台紙」に貼り付け、確定申告書とともに提出します。
①マイナンバーを確認できるもの
上記のうち、いずれか1つ。
②申告者本人のマイナンバーであることを示す本人確認書類
上記のうち、いずれか1つ。
「本人確認書類(写)添付台紙」に貼り付ける書類は"原本"ではなく"写し(コピー)"ですので、くれぐれもお間違いのないように。
国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用する場合は、マイナンバーカード、もしくは、期限内の住民基本台帳カード(住基カード)が必要ですが、電子証明書により本人証明ができますのでe-Taxでの申告ではマイナンバー関係書類の添付が必要ありません。
なお、住基カードは2015年12月をもって発行が終了しています。2016年からは、マイナンバーカードが発行されています。住基カードをお持ちの方がマイナンバーカードを新たに作成する場合には、住基カードの返却が必要です。これまで住基カードで使用していたICカードリーダライターがマイナンバーカードに対応しているかどうかもあらかじめ確認しておきましょう。
【参考】公的個人認証サービス 「ICカードリーダライタのご用意」
住基カードに組み込まれた電子証明書の有効期間は3年間です。期限内であれば引き続き「e-Tax」で使用ができますが、電子証明書の有効期限が切れればe-Taxでの使用ができなくなります。マイナンバーカードへの切り替えも検討しておきましょう。
photo:Thinkstock / Getty Images
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この記事の執筆者
1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。