FORU STYLE・平井幸奈さんが見据える飲食店ビジネスの新展開

2017/07/28

FORU STYLE・平井幸奈さんが見据える飲食店ビジネスの新展開

日本初のブリュレフレンチトースト専門店として、東京・早稲田の地に「ForuCafe」(フォルカフェ)がオープンしたのは、2013年9月のこと。お店をオープンした平井幸奈さんは、当時から「女子大生起業家」として数々のメディアに取り上げられました。オープンから4年――すでに大学を卒業し、2017年にご結婚もされたという平井さんは、同店を運営する株式会社フォルスタイルの代表取締役として 「今、さらなる本質を追求するチャンスだと思っている」と話し、次なるステップへと歩みを進めています。


ForuCafeオープンから4年――新たな2つの新機軸

――日本初のブリュレフレンチトースト専門店「ForuCafe」のオープンから4年が経ちました。開業までのご経緯を簡単にご紹介いただけますか。

ForuCafeをオープンしたのは、私が大学3年生のときでした。きっかけは学生時代のアルバイトです。とあるフレンチレストランのキッチンに入ったのがきっかけとなり、「料理を作ること」「食べてもらうこと」を仕事にしていきたいと思いました。その後はワーキングホリデーを使いオーストラリア・シドニーのパンケーキ店「Bills本店」で修業を積み、帰国後「ForuCafe」を立ち上げています。

――2014年に法人化。現在は株式会社フォルスタイルとして、3つの事業に注力しています。1つめはここ「ForuCafe」の運営ですが、あとの2つは?

まずはグラノーラ専門店「FORU GRANOLA」です。ForuCafeの2階部分が工房になっていて、オンライン販売のほか、2017年7月には新宿高島屋さんの「シーズンイベントスクエア」で、トロピカルグラノーラ(税込1,480円)やグラノーラ詰め合わせ(税込1,200円)を販売させていただいたばかりです。バー状にした結婚式のプチギフト商品も開発していて、新しい販路を拡大していきたいと考えています。

FORU GRANOLA

もう1つは「FORU COFFEE」。別名「ドラフトコーヒー」とも呼んでいますが、ビールサーバーから注ぐ新感覚のコーヒーです。ぜひ試飲してみてください。

FORU COFFEE

――(味見して)そのまま飲んでも、とてもクリーミーですね!

2016年、FORU GRANOLAを売り込むため、シンガポールに行ったときに初めて出会い、ぜひ日本に持ってきたいと思いました。注ぐ際に窒素をたっぷりと含ませることできめ細やかな泡ができ、ほんのりとした甘さと、クリーミーな口あたりになるのが特徴です。このFORU COFFEEにはアメリカ発祥の技術が取り入れられており、これまでアメリカの方と技術開発を重ね、ついに専用サーバーを国内で作り、ForuCafe店舗に置くまでにいたりました。最近は飲食店にドラフトコーヒーサーバー卸売りしています。窒素は消耗品なので、定期課金モデルです。

コーヒー

新規事業拡大の理由――次に手がけたいのは「和食」?

――ForuCafeは女性客をターゲットにした事業という印象ですが、事業領域の拡大とともにお客様層の幅も広がっているのではないですか?

起業当時はパンケーキブームがあって、その次に来るブームということでブリュレフレンチトーストに着目しました。見た目が華やかで、思わずSNSに投稿したくなり、かつ食べてみたら今までにない新食感で......。当時大学生だった私自身が"ほしかったもの"を事業の柱に据え、まずは「おいしい!」と言ってもらえるものをお客様に届けたいという思いでこのお店をオープンしました。その思いは今も変わらず持ち続けていますが、やはりそれだけだとやがてマンネリ化してしまいますから――最近は私自身の味覚も変わり「甘い物よりもお酒と生ハム!」みたいになっていることもあり(笑)――自分のライフステージごとに自分がほしいと思う商品・ブランドを次々に手がけているという感覚です。

グラノーラにしても、社会人になってから「働く女性はどんなものがほしいのだろう」と考えた末に行き着いた商品でした。かつ、フレンチトーストは生ものですからお店で味わっていただくしかありません。グラノーラはオンライン販売にも適していますし、世界中に展開していくことができます。

グラノーラ

――新しい事業といえば、2017年3月、スイスの高級時計ブランド「ウブロ」主催の「HUBLOT LOVES WOMEN AWARD」で優勝されていますよね。ここでは "wasyoku"を世界に発信するプラットフォームとして「Chef Stage TOKYO」というアイデアを出されたとのことですが?

「bills本店」で働いたことがForuCafeオープンの原動力になっていますが、それ以降もたびたび仕事として海外には出向いていました。そうしてFORU COFFEEのように「海外から日本に輸入する」ということをやってきたわけですが、一方で、日本の食などが海外でも認められていることを肌で感じ、「日本の食を世界に発信する」という逆方向のアプローチを手がけてみたいと思いました。ForuCafeは私にとってゼロ号店です。ここで得たものをベースにより本質的な、新しい挑戦を考えています。

従業員増で変化した経営者としての価値観

――開業からの4年間のうち「学生起業家」として活動した期間が1年半。大学を卒業され、イチ経営者として活動した期間のほうが長くなってきています。学生起業家時代と今を比較し、大きな変化があったのはどんなことですか?

ひとつは、従業員が増えたことです。オープン当初は私が毎日現場に立ち、朝から晩までフレンチトーストを焼くことが多かったんです。しかし今は経営者として事業をスケールさせるため、経営の数字を見たり、新規事業を考えたり、アイデアを出すためのインプットをしたり......といったことに時間を割くようになっています。

――従業員の人数は今どのくらい?

3名の正社員と、6名ほどのアルバイトが働いています。正社員にはForuCafeの店長、FORU GRANOLAのマネージャーとして、それぞれのブランドを任せています。多くの部分を信頼できるメンバー・チームに任せられるようになってきたので、私は彼女たちが新しい可能性に思い切ってチャレンジできる環境や、そしてあたたかいチームをつくっていくことに注力したいです。

――たしかに、従業員が増えれば、職場の環境や制度も整えなければいけませんよね。

友人にIT系ベンチャーの起業家が多く、私もどちらかといえば「とことん働く」というスタンスになりがちでした。でも仕事以外の時間が充実すれば仕事にも張りが出る。幸せの感じ方は人それぞれです。これは当たり前の変化なのかもしれませんが――最近は週休・有給などの休みもしっかり取ってもらっています。そしてもっと視野を拡げ、新メニューでも新規事業でもいいからアイデアを生み出すためのインプットの機会を増やしてほしいと考えています。だから副業もOKにしました。実際に副業をしている社員もすでにいます。それでも事業成績は変わっていません。社員も幸せになり、事業も堅調を保つことが大切だとつくづく感じています。

――やがて社員のなかから「独立したい」という人も増えてくるのでは?

私も最初は社員やアルバイトが辞めていくたびにショックを受けていましたが、その考えは変わってきましたね。メンバーにとって、フォルスタイルで働くことがその「時点」での生活を彩るひとつの手段であってほしいと思っています。私自身も、誰に何と思われようと、何と言われようと、そして時代の流れがどうであれ――決して楽な方に流れるという意味ではなく――自分の気持ちに正直に生きていきたいです。

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この記事の執筆者

安田博勇
安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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