ここが変わる! 2017年分確定申告

2017/10/13

ここが変わる!2017年分確定申告

2017年も残り数ヵ月となり、確定申告を意識する時期となってきましたね。税制改正は毎年ありますから、前回と同じと思っていたら、制度が変わっていたということもありえます。
今回は、2017年分の確定申告(2018年2月16日~2018年3月15日申告分)で変わった点について解説していきます。


POINT
  • 従来の医療費控除に代えて、敷居の低いセルフメディケーション税制を選択することができる
  • 医療費の領収書などは添付不要になり、代わりに「医療費控除の明細書」を添付する
  • 売買契約書や登記事項証明書など一定の添付書類は、スキャナで取り込んだPDFファイルをe-Taxで送信することができる

セルフメディケーション税制がスタート

「医療費控除? 10万円いかないからムリだね」という話は、確定申告の時期によく耳にしますね。従来の医療費控除は、支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等×5%)を超えた部分が控除の対象となっていたため、入院や自由診療などでよほど高額な医療費にならないかぎりは医療費控除が使えませんでした。
2017年分から、期限付きでセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が創設されました。
2017年1月1日から2021年12月31日までの間に、

  • ①それぞれの1年分で一定の健康診断や予防接種を受けるなど、健康の保持増進・疾病の予防への「一定の取組」を行っていて
  • ②特定一般用医薬品等購入費(いわゆるスイッチOTC医薬品)を購入していること

が要件で、購入費の合計額から1万2千円を差し引いた金額(最高8万8千円)が控除の金額となります。
なお、セルフメディケーション税制の対象となるスイッチOTC医薬品のなかには、パッケージに以下のような識別マークがついているものもあります。

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この特例は、従来の医療費控除と重複して受けることはできませんので、その年分ごとにセルフメディケーション税制と従来の医療費控除とどちらの適用を受けるか選択する必要があります。

医療費の領収書が添付不要に

これまで医療費控除は、医療費の領収書を確定申告書に添付するか窓口で提示する必要がありました。こちらが改正により、従来の医療費控除・セルフメディケーション税制ともに領収書の添付が不要となり、代わりに「医療費控除の明細書」を作成して添付することになりました。
従来の医療費控除の場合は、医療を受けた人・病院・薬局ごとに医療費を合計して明細欄に記入します。健保組合等が発行する「医療費のお知らせ」などの医療費通知を添付する場合は、その分の明細の記入は省略できます。
セルフメディケーション税制についても同様で、健康診断など一定の取組を行った先を記入して、薬局名や医薬品名称などを記入します。

セルフメディケーション税制の明細書(平成29年分以降(平成30年1月1日以降に提出するもの))

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医療費控除の明細書(平成29年分以降(平成30年1月1日以降に提出するもの))

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【参考】国税庁:明細書・計算明細書等(平成28年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

なお、明細書に記載した医療費の領収書等は、自宅で5年間保存する必要があります。経過措置として、2017年分から2019年分までの確定申告については、従来どおりの医療費の領収書の添付または提示によることもできます。
また、医療費控除などの摘用を受けることによって還付申告となる方が、その年分につき確定申告をしていない場合は、5年まで遡って還付申告書を提出することができます。個人事業主の場合は基本的に確定申告をされているでしょう。このときは、「更正の請求」をすることが可能です。この場合は、従来どおり、医療費の領収書添付ですので、ご注意ください。

e-Taxは添付種類がPDF形式で送信可能に

e-Taxで確定申告をする場合、これまでは申告書に添付が必要な書類は別途郵送等で送付するか、記載内容を入力して送信する必要がありました。改正により、平成29年(2017年)1月4日から所得税の申告・申請・届出等にかかる一定の添付書類については、スキャナなどで読み取って作成したPDF形式のイメージデータファイルを送信することができるようになりました。具体的には、売買契約書の写しや登記事項証明書、収用等証明書などの添付書類が該当します。
ここで注意したいのは、次のような添付書類はイメージデータでの提出が出来ないことです。

  1. 電子データにより提出が可能な添付書類......青色申告決算書など
  2. 記載内容を入力して送信することで添付省略ができる書類......源泉徴収票や医療費の領収書、生命保険料控除や寄附金控除の証明書など

これらの添付書類がイメージデータで提出された場合、効力がありませんので気を付けてください。
【参考】
国税庁:イメージデータで提出可能な添付書類 (所得税確定申告等)

まとめ

いかがでしょうか。
なお、平成28年分(2016年分)から確定申告書へのマイナンバー記載が義務づけられていますが、国税庁の発表によると2016年分の所得税の確定申告書のマイナンバー記載率は全国で83%だったそうです。マイナンバーの書類を忘れて未記載のまま申告書を提出された方も多かったと思います。2017年分はマイナンバーの記載と本人確認書類を忘れないようにしましょうね。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮原裕一
宮原裕一

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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