ビットコインの確定申告での取り扱い

最終更新日: 公開日:2017/12/20

執筆者:宮原裕一

ビットコインの申告での取り扱い

最近なにかと話題になっているビットコイン。仮想通貨として代金の決済に利用できる一方で、投機的な内容のニュースも流れてくるようになりました。ビットコインは所得税や消費税でどのように取り扱われるのでしょうか。

今回は、ビットコインの取り扱いについて解説していきます。


POINT
  • ビットコインは現実世界の代金の決済に利用できる仮想通貨
  • ビットコインの使用で生じる損益は事業などに伴わない限り雑所得の扱い
  • 平成29年(2017年)7月1日以降のビットコインの譲渡等は消費税が非課税

仮想通貨とは?

仮想通貨という言葉を聞いて、どのようなものを思い浮かべますか? 仮想現実(VR)という言葉もありますから、ここには存在しないものということも考えられますね。テレビゲームのジャンルでRPG(ロールプレイングゲーム)というものがありますが、ひと昔前はプレイヤーが自分だけで、RPGの世界の中で使われるお金を手に入れて、その世界で使えるアイテムを買ったりすることができました。

最近ではオンラインゲームとして、インターネットの向こう側にいる誰かと、そのゲーム内で使われるお金をやり取りすることが可能となっています。例えば「ゴールド」などといった仮想通貨の単位にお互いが財産価値を認め、その単位を基準にやり取りができるもの、それが広い意味での仮想通貨です。

ビットコインはそのなかでも、現実世界の代金の決済に利用できるのが大きな特徴です。円をドルに換えるように、ビットコインは現実の通貨を仮想通貨に両替して、モノを買ったりサービスを受けたりする時の決済に使えるのです。ゲームの世界での仮想通貨は、その運営会社などが管理していて、そのゲームの中でしか利用できませんから、同じ仮想通貨でもまったく違うものですね。

なお、平成28年に改正された「資金決済に関する法律」によって仮想通貨が定義されていて、平成29年(2017年)4月からビットコインなどの一定の仮想通貨の取引サービスが規制されるようになりました。

ビットコインの利益は、なに所得?

保有しているビットコインを代金の決済に利用したり、換金したりして利益が出た場合は、所得税でどのように取り扱うのでしょうか。国税庁では、「ビットコインを使用することにより生じる損益は、原則として雑所得に区分される」としています。原則としてということは例外があるのですが、これは事業所得などのもととなる取引に伴う場合は事業所得などに区分されるということになります。

実際に損益が生じるのは次のようなときです。ビットコインを取得したときの単価をもとに、使用したビットコインの数量×単価をAとします。取引例をシンプルにするため、支払手数料などの経費を含まないものとして紹介します。

  • ビットコインを円に換金......その換金時に換金された金額とAとの差額が損益となる
  • ビットコインで代金決済......その決済時に決済されたビットコインの数量を円換算した金額とAとの差額が損益となる
  • ビットコインを別の仮想通貨とトレード......そのトレード時に、別の仮想通貨を円換算した場合の金額とAとの差額が損益となる
  • 採掘(マイニング)によりビットコインを取得......ビットコインの取引記録のためには膨大な計算処理が必要とされます。採掘とは、自分のコンピューターの計算能力を使って協力した場合に、新規発行されるビットコインを報酬としてもらえることを言いますが、この場合には採掘時の円換算相当額が損益となります

なお、ビットコインを何回も取得する場合には、上記の単価につき、新しく取得するたびに手もとの残高と平均して単価を修正していく「移動平均法」という計算方法が相当とされます。継続して適用することを前提に、1年間に取得した総額をその取得した数量で割る「総平均法」によることも認められます。

さて、これらの行為が事業所得などに起因するものであれば事業所得としての損益となりますし、そうでない場合は原則どおりの雑所得の扱いとなります。雑所得となる場合は、赤字が出た場合には年金など他の雑所得と相殺することはできますが、給与所得や事業所得などの雑所得以外の所得との相殺はできませんから注意が必要です。

なお、現在のところ、ビットコインなどの仮想通貨に関する会計のルールがなく、日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会でその草案にむけ検討が進められている段階です。

消費税で気をつけること

改正により、平成29年(2017年)7月1日からビットコインなどの一定の仮想通貨は「支払手段に類するもの」とされました。これに伴い、平成29年(2017年)7月1日以降の仮想通貨の譲渡等については消費税が非課税という取り扱いをすることになります。

平成29年(2017年)6月30日以前は仮想通貨をモノとして取り扱っていたため、それまでの譲渡等の取引は消費税のかかる取引であることに注意しましょう。

つまり、消費税の扱いは、平成29年(2017年)6月30日まで、課税取引、平成29年(2017年)7月1日から非課税取引として、処理をします。

ここで気をつけたいのが、消費税の課税売上割合の計算です。課税売上割合とは、「消費税の対象となる収入(非課税を含みます)の総額のうち、課税対象の収入金額がどのくらいを占めるか」という割合のことで、消費税申告の計算方法に影響してきます。一定の仮想通貨の譲渡は非課税売上となりましたが、支払手段に類するものは課税売上割合の計算上、分母の総額に含めません。

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とくに、会計ソフトなどを利用している場合に、消費税申告の計算もするときは取引の入力時に工夫する必要があります。本来は仮想通貨の譲渡等は非課税売上の区分となりますが、上記のように課税売上割合の計算上で非課税売上としてカウントしないということになります。このため、会計ソフトにそのような集計をできる区分がない場合には、非課税売上でなく「不課税」や「対象外」などといった消費税の計算に関係させない区分を設定するようにしておきましょう。

まとめ

いかがでしょうか。ビットコインの損益が黒字である場合は、事業所得でも雑所得でも同じように累進税率(所得が大きくなるほど税率が高くなる方式)で所得税がかかります。一方で、赤字の場合には、事業所得では他の所得と相殺できることに対して、雑所得では雑所得同士での相殺後に残った赤字は切り捨てという取り扱いになりますから、税金面での影響も心にとめておいた方がよいですね。

Photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮原裕一
宮原裕一

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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