ちょっと待った!独立・開業を決断する前に確認しておきたい5つのチェック項目

公開日:

執筆者:五島洋

ちょっと待った!独立・開業を決断する前に確認しておきたい5つのチェック項目

独立・開業となると、とかく夢や希望ばかりが膨らみがち。しかし、ノープラン&甘い見通しでスタートしてしまうと、たちまち資金繰りが苦しくなり、廃業に追い込まれる恐れも。開業・起業を志して店舗や事務所の契約、人材採用に走る前に、チェックしておきたいポイントをご紹介します。



POINT
  • 売上・利益の見通しを踏まえ、半年程度の生活資金は確保しておこう
  • 念のための予備資金として、"借入ができるならしておく"べし
  • "取らぬ狸の皮算用"の未来の収入をアテにせず、今、確実に出ていく支出を抑える

"後悔先に立たず"な結果を招かないためには、事前の準備が肝心

脱サラし、意気揚々と一国一城の主になったものの、まったく売上が立たず、あえなく廃業。残ったのは借金のみ......。そんな"後悔先に立たず"な結果を招かないためには、事前の入念な準備、プランニングが肝心です。

今回は、独立・開業前に必ずチェックしておきたい5つのチェック項目について解説していきます。

①起業時から生活に困らない程度の利益をあげられる見込みがあるか

ひと口に起業といっても、そのスタイルはさまざまですが、成否を分ける最初の関門が「起業時から一定の売上・利益が見込めるか否か」です。

たとえば、税理士などもそうですが、前職で「BtoB」のビジネスに従事し、同じ業種で独立する場合、自分を気に入ってくれているクライアントがついてきてくれるようなケースもあると思います。

このように独立前から段取り・根回しをし、最初から相応の取引先が獲得できているならばいいですが、ここで問題なのが売上・利益がまったく読めない「ゼロからの起業」です。

とくに飲食店が最たるケースですが、いくら以前に勤めていた店でデキる店長や料理人であったとしても、店の場所が変われば、客層も変わる。雇われて給料をもらう側と、自ら経営する立場では状況も一変します。安易な決断は御法度と考えるべきでしょう。

②半年から1年程度は給料が出なくても大丈夫な位の資金はあるか

①で挙げたように、「売上がまったく読めない」ケースでは、少なくとも半年から、できれば1年程度は給料がゼロでも生活できるぐらいの資金は準備しておきましょう。
そうすれば立ち上がりが苦戦したとしても、時間的余裕があれば、あれこれ試行錯誤のうえ、巻き返すことも可能です。

その観点では、「融資を受けなくても、自己資金で間に合う」と思っても、「借りられるなら、借りておく」という考え方も重要です。

とくにスモールビジネスの場合、融資を受けるなら創業時がベストです。

なぜなら、事業が開始してしまうと、その事業の実態によって融資の審査が行われます。
つまり、「事業がうまくいっていないから資金を借りたい」と希望しても、逆に事業が軌道に乗っており、売上・利益が出ている状況でないと審査が下りないことが多いのです。

③一定の自己資金があっても「借り入れができるのであれば借りておく」

私のクライアントで、創業時に融資は不要だったものの、"念のための予備資金"として借りておいたおかげで、その後の予想以上の経営難を乗り切ったケースもあります。

創業時は政府や金融機関、地方自治体が提供する新規開業資金支援制度を利用できるチャンスも多い。少しでも不安があるならば、借りておくことをお勧めします。

【参考記事】
起業・開業の味方!金融機関から創業融資を受けるための3つのポイント
「起業に必要な資金」の考え方

④その事業計画・売上の見込みは甘くないか? 最悪のケースを前提に考えるべし

「業績が思うように上がっていない」「資金繰りが苦しい」という状況に陥った方にお話しを聞くと、そもそも「最初の計画が甘い」というケースが多々見られます。

飲食店などでも「客単価〇〇円で、2回転する見込み。席数が〇席なので、1日の売上予定が〇万円」などと見込んでも、そもそも「お客さんが2回転する」こと自体、想像以上に難しいのです。

「失敗する」と思って独立開業する人はいないとしても、とかく独立前は夢や希望がふくらみ楽天的に考えてしまうもの。売上や利益も「ベストな状態」を前提に、従業員なども雇ってしまいがちです。

とくに「ゼロからの起業」に際しては"バラ色の未来"ではなく、"リスクシナリオ"を前提に計画を立てるべし。"取らぬ狸の皮算用"はNGです。

⑤資金計画においては、"予想がつかない収入"より"確実に出ていく支出"を重視

④でも見たように、飲食業などで、オープン前にいくら客数・客単価・回転数などを予測したところで予測はあくまでも未定。予想どおりにうまくいくケースはマレと考えるべきでしょう。

それよりも重視すべきは、"確実に出ていく支出"を極力抑えること。

せっかく独立するならと「好立地に店や事務所を構え、スタッフも雇い入れて万全の体制でスタートしたい」など、最初から完璧を目指す方も多いようです。しかし、売上に関係なく、いい場所に事務所や店を構えれば相応の家賃がかかりますし、人を雇えば、毎月、給料・バイト代が出ていきます。

まとめ

まずは"小さな箱"から、最初は1人で始めてみる。人を雇うなら、忙しくなってきてから従業員を募集しても決して遅くないのです。今や好条件の物件も優秀な人材も争奪戦ですが、最初から欲張って、初期投資をかけすぎるのはリスク大です。

また、「どうにもならない窮地に追い込まれてから」相談に来られる方も多いのですが、実は開業し、負債を背負ってからでは、なかなか巻き返しが難しいケースもあります。

そんな方にお会いするたびに「もっと早く、開業前に相談していただければ、打つ手の選択肢も色々あったのに......」と、歯がゆい思いをすることもたびたびあります。

とくに飲食店などでは初期投資が相応にかかります。先が読みにくい開業・独立に際しては、実際に動き出す前に、税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者

五島洋
五島洋

税理士、ファイナンシャルプランナー。150社以上もの顧問経験を武器に、顧客には会計業務以外の経営アドバイスも積極的に行っている。著書として『ゼロから始める会社の数字入門』(KADOKAWAメディアファクトリー)、『身の回りの税金がわかる』(西東社)、『あなたの「年金」がすぐわかる本』(PHP研究所)など。
・<中小企業>社長のための経営相談所
・五島洋税理士事務所

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