もっと会計業務は効率化できる!~公認会計士・税理士 中村晋一郎氏インタビュー~

公開日:

執筆者:安田博勇

【税理士にズバリ聞いた!】効率化できる経理業務、何ができて何ができないのか、現状はどうなっているのか?——公認会計士・税理士 中村晋一郎氏インタビュー

会計業務で、作業や手間をもっと楽にする方法はないものでしょうか。経理業務効率化のために必要なことは?「ラクしてちゃんと経理」を合い言葉にしている中村会計の公認会計士・税理士、中村晋一郎さんに、会計ソフトの導入と自動化でどんなメリットがあり、どれくらい効率化できるのか、お話を伺ってきました。


めざせ、ペーパーレス化! データだけで完結できる世界

安田

安田(以下・略)中村晋一郎先生は、2016年4月に独立・開業されています。その「中村会計」では「ラクしてちゃんと経理」を合い言葉にされていますよね。どういう意味でしょうか?

中村

中村(以下・略) 私はかつて税理士法人に勤務していたことがあるのですが、もし独立したら絶対にペーパーレス化----すなわち税務会計サポートを"データだけで完結できる世界"をつくりたいと考えていました。

安田

そのためのツールとして、ホームページでは「クラウド会計ソフト」の導入を強く推奨されています。

中村

ペーパーレス化に寄与してくれるのが、昨今流行りの「クラウド会計」です。

安田

クラウド会計は私も導入しています。クラウド会計がどんな会計システムを指すのか、あらためて教えてもらえますか。

中村

これまで使われていた会計ソフトの多くは「パッケージ版(ダウンロード版、デスクトップ版)」と呼ばれているものです。

安田

パッケージ版はCD-ROMなどを購入し、パソコンにインストールして使用するものですね。

中村

対して「クラウド会計」はインストールが不要です。今すぐにでも始められ、会計データは各社のクラウド上に管理されます。そのためインターネット環境とパソコンがあれば、いつでもどこでも使用できます。

安田

クラウド会計にはどんなメリットがあるのでしょう?

めざせ、ペーパーレス化! データだけで完結できる世界

中村

メリットはいろいろですが、ひとつ私の立場で言えることには、私のような公認会計士・税理士とのやりとりがとてもやりやすくなり、さまざまなトラブルが避けられるという点です。

パッケージ版で生じがちなトラブル......

安田

私の場合、そうした顧問とは無縁のまま事業をしています。実際、多くの事業者は中村先生のような公認会計士・税理士とどういう関係性のもとで仕事をされているのでしょう?

中村

私たちのような立場の人間を「顧問」に置いている法人・個人事業主の場合、たいていは月額の顧問料を支払いながら、会計データのチェックを委託しています。なかには記帳代行をするケースもありますが、大枠ではそれが我々の仕事です。

安田

そのとき、どんなトラブルが生じるものなんでしょう?

中村

会計データのチェックの際、紙の帳簿なら当然、紙資料のやりとりが発生しますし、パッケージ版の会計ソフトならば、お互いの会計ソフトに最新データをインポートする作業が発生します。

安田

入力したり修正したりした最新の会計データを、メールあるいはUSBデータ等で譲り受け、それをお互いのパソコンにインポートするみたいな?

中村

そうですね。このときに怖いのが1つ前の古いデータが相手先に届いてしまったり、データの復元がうまくいかなかったり......。デスクトップ版でも弥生会計にあるようなデータの送受信機能などをきちんと使えばそういう危険は発生しないのですが、多くのトラブルは正しい会計データがきちんと蓄積されていかないことが原因なのです。

安田

例えるなら......会社の先輩に会議資料を渡し、先輩の担当分のページを書き加えてもらったけど、実は渡したデータが1つ古いバージョンで、そこに上書きしてもらったから、まったく同じ作業をやり直してもらうことになり先輩に怒られた......そんな感じでしょうか?

中村

だいたいそんな感じです。やはりデータの物理的なやりとりというのはどこでもトラブルがついてまわります。

安田

その点クラウド会計は、クラウド上の会計データを常に共有でき、冒頭に伺ったとおり、利用者本人がいろいろな端末から常に最新のデータを使用できます。

中村

そのとおり。それは、事業者と顧問の税理士・会計士の間で、紙やデータの物理的なやりとりを挟むことなくやりとりができることも可能にしてくれます。クラウド会計では「古いデータに上書きしてしまった」といったトラブルはほとんど発生しません。

クラウド会計と相性のよい「データ自動仕訳」

クラウド会計と相性のよい「データ自動仕訳」

中村

さらに付け加えると......というより、これが最大のメリットかもしれませんが、クラウド版でもデスクトップ版でも、会計ソフトの世界で私が「便利」だと感じるのは、付帯機能としてさまざまな「データの自動仕訳」が登場していることです。

安田

私は「やよいの青色申告 オンライン」を利用していますが、そこには「スマート取引取込」という機能があります。

●口座連携ツール
金融機関の口座やクレジットカードとの連携設定が可能に。取込明細データを自動で取得して自動仕訳をするため、記帳が簡単になる。
●口座情報一括管理サービス
銀行口座、クレジットカード、電子マネーの取引明細を会計ソフトに取り込むことができる/対応サービス: Zaim、Moneytree、MoneyLook
●取引取込連携サービス
POSレジの売上データや請求書アプリ、クラウド経費管理サービスと連携。取引データはそのまま会計データとして取込が可能/対応サービス:Misoca、スマレジ、ユビレジ、Staple for 弥生 ほか
●画像取込サービス
領収書・レシートをスマホやスキャナで撮った画像データを自動仕訳するサービス/対応サービス: 弥生レシート取込、ScanSnapCloud
※一部、Win/Mac、iOS/Androidにより非対応のサービスがあります。

【参考記事】
クラウド申告ソフトってなに?

中村

まさしくそれですね! 私も弥生の製品は推奨しているんですよ。

安田

弥生のオススメポイントはどんな点ですか?

中村

これを聞いたら弥生の担当者の方に怒られるかもしれませんが(笑)、弥生の製品に関してはあまり説明書を読まないんです。それは、直感的に操作してみればたいていのことはできてしまうから。もしわからないことがあってもサポート体制がとても充実しています。

安田

話をちょっと戻しますが、弥生の「スマート取引取込」は、事業用に使った取引データをいったんサービス側で取り込み、それを会計の取引データとして弥生会計(やよいの青色申告)へ自動仕訳できる機能です。預金取引がない事業はほとんどないといってもいいでしょうから、特に事業用の銀行口座上のデータはいちいち手入力する必要がいっさいなくなりますよね。

中村

パッケージ版が主流だった時代も、銀行等のホームページからCSVデータを取得し、それを会計ソフトにインポートすることで入力の手間ははぶけました。

安田

でも、さすがに現金での取引まではカバーしようがなかったですよね。

中村

その点「スマート取引取込」では、現金で購入したときの「領収書・レシート」もスマホで撮影し、データ化することで自動仕訳できます。クラウド会計は「いつでもどこでもデータをアップデートできる」のが最大の特徴ですから、こうした自動仕訳の機能ととても相性がいい。クラウド会計がある今、会計ソフトの手入力の作業は「もうほとんど必要ない」と言っても過言ではないんです。

>>NEXT クラウド会計で「働き方」が変わるかも
1  2
  • 青色申告オンライン
  • 白色申告オンライン
  • 【PR】 1分でキレイな請求書を作成 「Misoca」 -今すぐ無料でお試し-
  • マイナンバーも年末調整も弥生給与
  • 会計オンライン

閉じる

【PR】 1分でキレイな請求書を作成 「Misoca」 -今すぐ無料でお試し- 白色申告オンライン 青色申告オンライン 会計オンライン 弥生給与

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の執筆者

安田博勇
安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

この執筆者の他の記事を見る