社労士が解説!退職者が出た場合に必要な手続きと届出、書類の記入例などについて

公開日:

執筆者:宮田 享子(社会保険労務士)

社労士が解説!退職者が出た場合に必要な手続きと届出、書類の記入例などについて

従業員が退職の申し出をしてきました。さて、どのような手続きや届出が必要でしょうか。
「退職」とは何かについては、こちらの記事「「退職」とは何か?退職の種類と手続き、規程」で、概要を説明していますが、退職希望者が出た場合、雇用保険や社会保険などでどんな届け出や手続きが必要なのか、また書類の記入例などについて、具体的に説明いたします。


POINT
  • 退職の申し出は文書で受け取ること
  • 雇用保険の被保険者資格を喪失する手続きをする
  • 社会保険の被保険者資格を喪失する手続きをする

退職の申し出は文書で受け取る

従業員が退職の申し出をしてきた場合には、文書で出してもらうようにしましょう。退職の申し出は、文書で提出することを就業規則などに定めておくと良いでしょう。「言った・言わない」のトラブルになることを避けられますし、退職についての証明の提出を行政機関から求められることもあります。特に、退職の「理由」と「日付」は大切です。

退職届の例

退職届

参考までに、ある退職の例を架空のサンプルとして挙げてみましょう。今回の事例の退職者情報は以下のとおりです。

  • 氏名:弥生太郎
  • 退職日:平成30年6月15日
  • 社保加入状況:労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険
  • 給与:月給制
  • 退職後の医療保険:国民健康保険

退職者が出た場合の雇用保険の手続きと書き方・記入例

雇用保険の被保険者であった従業員については雇用保険の被保険者資格を喪失する手続きをします。

  • 提出先:事業所管轄のハローワーク
  • 提出期限:退職日の翌日から10日以内
  • 提出書類:「雇用保険被保険者資格喪失届」「雇用保険被保険者離職証明書」
  • 添付書類:労働者名簿、出勤簿(タイムカード)、賃金台帳、退職理由の確認できるもの(退職届など)

▼「雇用保険被保険者資格喪失届」の記載例はこちらです。

雇用保険被保険者資格喪失届

▼「雇用保険被保険者離職証明書」の記載例はこちらです。

雇用保険被保険者離職証明書

(左側)赤枠部分は退職日を基準に1カ月ずつ区切り、その月の暦日を記入します。
青枠部分は給与締日を基準に1カ月ずつ区切り、その月の暦日を入れ、支払われた給与額(基本給の他、手当も含む)を記入します(※月給制で欠勤控除が無い場合)。

雇用保険被保険者離職証明書

(右側 ※抜粋)退職理由の該当箇所に丸印を入れ、具体的な理由を記入します。

雇用保険の手続きの流れは以下の図のとおりです。退職者が失業給付を受給するための手続きでもありますので、迅速に行いましょう。

退職者が出た場合の雇用保険の手続きと書き方・記入例

退職者が出た場合の社会保険の手続きと書き方・記入例

社会保険の被保険者であった従業員については社会保険の被保険者資格を喪失する手続きをします。

  • 提出先:事業所管轄の年金事務所または事務センター
  • 提出期限:資格喪失日から5日以内
  • 提出書類:「健康保険厚生年金保険 被保険者資格喪失届」
  • 添付書類:健康保険被保険者証

「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」の記載例は以下です。
緑枠の部分、喪失年月日は退職日の翌日を記入します。

被保険者資格喪失届

社会保険の手続きの流れは以下の図のとおりです。
健康保険証は退職日に返納してもらうのが一般的ですが、退職日まで使うことができます。例えばその日の帰り道に病院に寄りたいということであれば、利用後に健康保険証を必ず返納してもらう約束をしましょう。

退職者が出た場合の社会保険の手続きと書き方・記入例

退職者が出た場合の源泉徴収票(給与支払報告書)の取り扱いについて

源泉徴収票は退職日から1カ月以内に発行し、本人に渡しましょう。退職者は自分で確定申告をするか、または年内に転職先が見つかればそこで一緒に年末調整してもらうことになります。

また、給与支払報告書は退職時点の市区町村に会社が提出します。
平成30年分以後の給与所得の源泉徴収票については、配偶者控除および配偶者特別控除の見直しにより、項目名・記載内容が変更されました。
詳細はこちらをご覧ください。

平成30年分以後の給与所得の源泉徴収票の記載のしかた

【引用画像】
国税庁:平成30年分給与所得の源泉徴収票の記載のしかた

まとめ

いかがでしたでしょうか。退職者が出た場合にスムーズに手続きが進むように必要事項をまとめておきましょう。なお、労災保険の手続きは入社時と同様に不要です。労災保険には被保険者という概念がなく、労働者個人ごとではなく事業所を一つの単位として捉えて加入しているためです。

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photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮田 享子(社会保険労務士)
宮田 享子(社会保険労務士)

宮田享子(みやたきょうこ)
社会保険労務士。産業カウンセラー。
社労士法人・税理士法人等で実務経験を積んだ後平成22年独立開業。労務相談の他、講師業やメンタルヘルス対策に力を入れている。趣味はオーボエ演奏とランニング。
みやた社労士事務所HP

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