中小企業診断士が本音で解説!個人事業主・起業したての経営者がもっと営業上手になるための「10のコツ」

公開日:

執筆者:粕谷智和

中小企業診断士が本音で解説!個人事業主・起業したての経営者がもっと営業上手になるための「10のコツ」

個人事業主や、起業されたばかりの経営者の方々が事業を進めるうえで間違いなく必要となるスキル。それは「営業のスキル」です。営業ができなければ、事業の拡大はあり得ません。
特に起業の初期であれば、早々に営業をして自分や自社を売り込み、経営を安定させていかなければなりません。

私個人も、日ごろから中小企業診断士としてさまざまな事業者様と接している際に心がけていること(実際にやっていること)がありますが、そうしたお客様とのコミュニーションのなかにも、もちろん「営業マン」としての側面があります。

今回は、個人事業主や起業したての経営者がもっと営業上手になるための「10のコツ」を、本音でお伝えします。


POINT
  • まずは、「売れている佇まい」を。名刺やスーツも大事な営業ツール
  • 「スピードと頻度」は、営業の特効薬である
  • すべてを自然に同時並行に行うこと。小さな差別化の積み重ねが大きな力に

営業の大前提:自分(自社が)売れていることを、選ばれていることを演出する

コツ① 名刺はきちんと業者に作ってもらう

起業直後の場合、資金をなるべく抑えたいという気持ちが先立つことは当然のことです。ただし、ここはコストを削ってはいけない! とつくづく感じるところがあります。それは「名刺」です。

仕事柄、創業間際のお客様や個人事業主のお客様と名刺交換させて頂く機会も多いのですが、自分の家のプリンターで印刷したのか、名刺のふちがギザギザしているような、あるいは文字がにじんでいるような、「お手製名刺」をよく頂きます。足もとを見られないようにする意味と、そして「売れている感」を演出していくためにも、自分でお手製の名刺を作ったりせず、名刺は印刷業者に依頼して、きちんとしたものを作りましょう。

今は業者へのネット注文で3,000円ほども出せば、デザインも自分で選べて、それこそ大手企業の名刺以上に高級感のある厚めの光沢紙の名刺を200枚くらい作ることができます。

【参考記事】
フリーランスの名刺に必要な3つのポイント。名刺は言葉より雄弁な『営業ツール』
スモビ!な名刺作成方法、今どき事情

コツ② 名刺の肩書きには「かっこいい響き」を自分で作る

名刺ネタをもう1つ。サラリーマンの頃と違って、起業して何が自由かといえば、どんな肩書きを名乗ることも基本的に自由であるということです。つまり、名乗った者勝ちなのです。

例えば、私も個人事業主ですので、

KT'Sコンサルティングオフィス 代表 粕谷 智和

とも名乗れますし、

KT'Sコンサルティングオフィス 代表 中小企業診断士 粕谷 智和

でも、もちろん間違いではありません。しかし、実際には

KT'Sコンサルティングオフィス 
代表 経済産業大臣登録 中小企業診断士 粕谷 智和

という形で自分の名刺に記載しています。

最初の響きと比べて、インパクトや重厚感が違うと思いませんか?

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このような感覚で、個人事業主や起業したばかりの方は、自分を飾る言葉の役職や肩書をつければいいのです。自分の会社の名刺ですから、間違いや嘘でなければ何を名乗っても自由です。カタカナ系で最先端系のイメージを出すのも良いですし、その分野で非常に経験のある人なのかも! と思われるような肩書をつけることで、そのことが会話のきかっけになったりもします。

コツ③ ペンを侮るなかれ 契約等に用いるペンは良いペンを

起業後に営業をする際、自分のペンで契約書にサインをしたり、逆に営業先にサインを促す機会もあるかと思います。その際に注意したいのは「ペン」です。もしサラリーマン時代に営業を専門としていなかった場合、ペンにまで気を配っている方は意外と少ないのでは、と思うのです。

実際に起業をしてみると、取引先とのおつきあいはトップ同士の交わりとなる場合が多くなります。いきなりトップ同士で契約を交える場面などが往々にして出てくるのです。そういった場面で使用するペンが、100円のボールペンでは自分の足もとを見られてしまいます。トップレベルの営業マンのペンは間違いなく良いものを使っています。高級万年筆とまでいかなくても、気品のあるボールペン等を準備しておくべきです。ちなみに私はモンブランのボールペンを愛用しております。

コツ④ 着るものは、清潔感や高級感を醸す

「売れている感」を簡単に出すにはどうしたら良いでしょうか? 

結局のところ「ええ恰好をしなさい」ということです。最近よく言われるように、「人は見た目が9割」というのもまた現実なのです。逆にみすぼらしい恰好で相手に会う
ことは、相手に対して「その程度の恰好で会っても構わない人である」というマイナスメッセージを与えてしまいます。

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では、清潔感のある恰好をするにあたって、なにが一番効果的だと思いますか?

よく言われるのが靴です。また良い時計であったり、スーツであったりだと思われます。時計も靴もスーツもひととおり私は試してみましたが、このなかで私の経験上、ダントツに反響があったのは「スーツ」でした。

初めて海外生地のオーダースーツに変えてみたとき、即日で反響がありました。つまり「何が一番パッと見で相手に印象として残るのか」が大事なようです。スーツが日常着ではない方も、どこかで高級感が漂うようなコーディネートをぜひ試してみてください。スーツは、ブランドものであればそれはそれで良いのですが、ファッション雑誌等を参考に、量販店の衣料でコーディネートしてもいいと思います。

ただその際のポイントは、「体にフィットしていること」です。良いものを着ると、自然と自信が現れてくることで「売れている感」に繋がります。ただし、服装に合わせて時計や靴、カバンといった小物もバランスを取り、なるべく清潔感のあるものを選ぶようにして、一点豪華主義に見えないよう注意しましょう。

コツ⑤ 住む場所を変えると、売れている感を醸せる

『年収は住むところで決まる』というタイトルの書籍が、話題になったことがありました。またお笑い芸人の世界では、「売れたければ住む場所は都心にしなさい」というような話がよく言われているそうです。

私自身、住む場所を埼玉の実家から都内某区に変えることによって、事業の面ではメリットばかりを感じました。起業するのであれば、事務所や住む場所をなるべく職住近接にしたり、また、あえてビジネス街に近い都市部に住んでみることをお勧めします。

職住近接にすることで、突発的な仕事の依頼にすぐに対応できたり、打ち合わせや食事などに呼ばれても臨機応変にお取引先とお付き合いをすることができます。

また、ビジネス街に近い都市部を拠点とすれば、名刺に住所を載せることで「売れている感」を端的に醸しだすことができます。「拠点にしている場所」という客観的な事実を伝えることで、「売れている感」に説得力を持たせることができます。そういうところに住んでいる(拠点)=売れている・選ばれている......という印象に繋がり、自然とこちらのトークに耳を傾けていただけることとなるのです。

以上は、佇まいにおける営業に役立つコツです。ここからは、実際の営業場面でのコツです。

お客様があなたを選びたくなる理由を、わかりやすく伝えていく

コツ⑥ 営業(自己紹介ツール)は実績を大きくアピールする

先ほども触れましたが「人が選んだものを人は選ぶ」という法則があります。これは例えば自社の製品やサービスを、たくさんの人が選んで買ってくれたり、喜んでくれたという過去の実績が相手に知られるようになると、さらに次の実績を呼び込むことができる、というものです。

チラシやホームページでは、ぜひ過去の実績やお客様の声は載せておきたいところです。また実際に対面で営業する場面でも、そのような過去の実績の紹介ができればさらに良いでしょう。

その際、表現を「盛る」という感覚を掴んでください。すこし過激な言い方に聞こえるかもしれませんが、ここでいう「盛る」というのは、同じ事象を他の言葉や表現にして置き換えることで、営業上の表現にさらにインパクトや実績・実力を感じさせることができる、というものです。

例えば「前年比6倍」と「前年比600%」と表現します。どちらも意味は同じです。
ですが、言葉や響きで表した時にどちらがインパクトあるでしょうか。声に出せばわかるのですが、後者の方が大きなインパクトあります。

なにかをアピールしたいとき、頭に思い浮かんだフレーズを、もっと別のインパクトを持った表現ができないか、考えてみることです。その際には、誰か他の人の意見なども参考にすると、さらに響きの良いフレーズを拾うことができます。

コツ⑦ キーパーソンやキーとなる組織からの信頼を第一目標とする

営業をするときに、口コミの紹介があるとその後の展開が非常に楽になります。個々の企業や個人に対しての営業も大事ですが、口コミの観点から言えば、各企業を束ねる団体組織や、各個人に影響力のある「リーダー」、発言に影響力のある「インフルエンサー」との関係をつかめば、口コミの醸成がしやすくなります。

ただ、そのようの方は往々にして地位が高く、普通に正面からアポイントを取ろうとしても担当者に阻まれてなかなか接点が持てないことがほとんどだと思います。このような方たちと仲良くなるには、どうしたらいいでしょうか。

まずは、そのような方々が集まる青年会議所や、ロータリークラブといった団体に参加してみるのもいいかもしれません。一緒にメンバー活動をすることで、きっと親密な関係をつくることができるでしょう。

地域の商工会議所等で、こうした団体の活動情報を知ることができると思います。また、地域ボランティアや趣味のサークルでも意外とそのような方々と出会えたりします。そういう団体で共に活動し、特に最初の頃は積極的に活動に取り組めば、あっという間に信頼関係が生まれます。

【参考記事】
個人事業主をサポート!商工会、商工会議所を活用するメリット

コツ⑧ スピードは誰にでも出せる信頼構築の特効薬

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営業をしていると、「納期」や「締切」は当然に結びついてくるものと思います。

この「納期」や「締切」があるときこそ、次の営業をリピートさせる絶好のチャンスなのです。私が独立してから心がけていることの1つとして、「納期前納品」があります。

仕事柄、中小企業診断士として報告書や資料を書く機会が多いのですが、基本は通常納期の半分程度を目標に、できるものは翌日納品にしてしまいます。これは非常に喜ばれます。

また一方で、起業して間もない会社や個人事業主の方で納期遅れの事故を起こした、もしくは巻き込まれてしまった、といった話を、つい先日もある企業様から聞きました。

スピードは特殊技能の上手い下手ではなく、その人の姿勢と時間管理の問題です。技術を上げることと比べれば、短納期を意識することはすぐに取り組めるのではないでしょうか。単純なことですが、信頼関係を築くうえでは圧倒的にわかりやすく、そして自分や自社をアピールできます。また「納期前納品」をするとリピートにも繋がりやすく、そのような信頼関係をもとにした口コミも広がりやすいです。

コツ⑨ 「頻度」も営業の重要な要素 相手の負担にならない程度に接触機会を増やす

スピードと並んで、「頻度」という要素も相手との信頼関係を深めるにあたって重要な要素です。

心理学では「単純接触効果」と言われるものがあります。これは何度も顔を合わせるうちに、最初には芽生えていなかった親近感が相手に対して徐々に湧いてくるという心理的な効果のことです。

例えば、メールでやりとりをしていて、ちょっとした言葉の使い方をしてしまったために、こちらの意図が伝わらなかった経験が、皆さんもあるのではないでしょうか。

これは、まだ出会って間もない状況であればあるほど高確率で発生します。お互いの距離感や価値観の共有がまだできていない状況でメールや電話でのやりとりをした場合、誤解や齟齬が生じる可能性が高くなるのです。

その意味でも、接触の初期段階ではできるだけ会う機会を設けて、お互いの距離感を埋めていく必要があります。また、なにか仕事のオーダーを受けたときときに素早くスピーディに対応できるかどうかも、他社との差別化に繋がります。

コツ⑩ ここまで挙げたことを、小出しではなく「一気にたたみかけるように」仕掛ける

最後に挙げるコツとして、ここまで挙げた振る舞いや行動は、すべて同時に連動して仕掛けていくことが重要なのです。

つまり「小さな差別化を積み重ねる」ことです。一つひとつの気配りは小さいものですが、これらを同時に積み重ねることによって他社には真似できない差別化を作り出します。そして、このような取り組みこそが、相手に対して「あなたを選ぶための理由」を与えることに繋がるのです。

  • 「名刺に重みがあるから」
  • 「肩書がとっても面白いから」
  • 「過去の実績が確かだから」
  • 「都心に事務所を構えていて、しっかりした印象だから」
  • 「いつも団体のボランティア仕事に熱心に取り組んでいる姿を見ているから」
  • 「納品が誰よりも早いから」
  • 「職場も近くて、すぐに対応してくれるから」

これだけ「理由」が重なったら、それこそ、お客様が自分や自社を選ぶ理由になると思いませんか?

今回挙げた10のコツの前半の部分は、一度セッティングしてしまえば半永久的に武器になりうるものです。そこに振る舞いのパターンをいくつか加えられれば、他社との差別化に繋がります。さらに皆さまが考えたオリジナルのバリエーションを加えれば、差別化により磨きがかかるでしょう。

まとめ

以上が、私が本音で考えている営業の10のコツです。

最初のうちは、身のまわりのものを揃える大変さや行動を伴う大変さもあると思いますが、特に「仕事を進めていくうえでのスピード感」などの要素は誰でもすぐに取り組めるコツだと思います。ここで挙げた例に限らず、自分で「こうすれば売れるのでは?」と思ったことはぜひいろいろ実験してみましょう。

あなたのオリジナルのコツが新たに積み重なることで、さらに差別化につながり、営業活動がますます面白くなりますよ。

Photo:Getty Images

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この記事の執筆者

粕谷智和
粕谷智和

2001年大手衣料量販グループ入社、入社1年で店長に抜擢。店舗オペレーションに通じ、マニュアル改善においては全社表彰を3度受賞。2009年より北海道音楽企業に入社。エリア統括として、エリア内支店経常利益昨年対比800%増を実現。2014年独立。創業、補助金・助成金申請、各種経営計画策定、特に各地セミナーにおける販売促進指導や、個々の事業者様の強み・セールスポイントを引き出し、外部発信していくことを得意としている。一般事業者様向けのセミナーはもちろんのこと、事業者様のセールスポイントの引き出し方について、地域経営支援団体・経営相談員様向けの指導セミナーも開催している。

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