個人事業主になる準備って?超インテリお笑いコンビ「Gパンパンダ」に聞いてみよう!【連載】

公開日:

執筆者:矢郷真裕子

【連載】会社を辞めて個人事業主になりたい!最初に何をすべき?公認会計士兼税理士&MENSA会員のお笑いコンビ「Gパンパンダ」に聞いてみよう!

「いずれは、独立したい!個人事業主やフリーランスになろう」「働き方改革で推進されているし、本格的に副業を始めたいな」……そうは思っても、これまで会社がやってくれていたアレコレを、自分でやらなきゃいけないのが心配という方も多いでしょう。

そこで今回は、開業前や開業直後にしておくべきことを、公認会計士兼税理士の星野さんと、MENSA会員の一平さんによる超インテリお笑いコンビ・Gパンパンダのお2人に伺ってきました!



Gパンパンダ

Gパンパンダ

ワタナベエンターテインメント所属、公認会計士兼税理士の星野光樹さん(左)と、MENSA会員の一平さん(右)という超インテリお笑いコンビ。筑波大学附属中学校・高校、早稲田大学商学部の同級生。ワタナベコメディスクール24期生。NHK「平成30年度新人お笑い大賞」優勝。星野さんのnoteでは、税に関するお役立ち情報を解説中。

Gパンパンダの連載を読むのが、開業や独立の正しい準備!

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ライター

――記念すべき連載1回目ですね!今回は、独立して個人事業主やフリーランスになりたいけど、どうしたらいいか不安な方に参考にしていただけるよう、公認会計士&税理士芸人の星野さん、よろしくお願いします!

星野

星野:大変だった確定申告シーズンも終わったので、元気に頑張ります!

ライター

――芸人さんなどタレント業のほとんどの方は個人事業主ですが、会社勤めを辞めて個人事業主になった先輩として、一平さんも体験談やアドバイスをいただければ。

一平

一平:何もわからないまま退職した僕でも何とかやっていけているので、励みになればうれしいです!

ライター

――さて、今回のテーマは「個人事業主・フリーランスになる前にやっておくべきこと」です。そもそも、会社員と、個人事業主やフリーランスとの大きな違いは何でしょうか?

星野

星野:まず、個人事業主やフリーランスになるというのは、大前提として、会社が行ってくれていた税金や社会保険の手続き、支払いなどをすべて自分で行わないといけないことになります。
そのため、いつの間にか脱税をしたり、住民税を滞納したりしてしまうケースが、何も知らないとあり得るんです。

一平

一平:......怖っ!

星野

星野:なので、最初にやるべきこととして、税金や社会保険に関する正しい知識を身につける必要があります。
そこで、このGパンパンダの連載記事を読んでもらうというのが、開業や独立のための正しい準備ですね。

一平

一平:この連載を読めば、誰でも簡単に個人事業主やフリーランスになれるんだね!(キリッ)

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ライター

――最初に連載のコンセプトを明確にしていただき、ありがとうございます(笑)。では、個人事業主やフリーランスになりたいと考えたときに、まずはどんなことから手をつけるといいですか?

星野

星野:個人事業主やフリーランスになると、所得税の確定申告が必要になるので、それに向けて開業の準備段階から、事業に必要なものにかかったお金の領収書やレシートを保管しておくことが大事ですね。

一平

一平:開業しよう!と思った段階で、すぐにレシート類を集め始めたほうがいいの?

星野

星野:そうです。「個人事業主になった瞬間以降にかかったお金」ではなく、「個人事業主になるための準備にかかったお金」も、確定申告のときに経費にできるので。

一平

一平:そういうこと、僕はまったく知らなかったから、できてなかったな~。

ライター

――ちなみに一平さんが、会社を退職してお笑い芸人になると決めたときは、どんな準備をしたか覚えてますか?

一平

一平:正直なところ、僕はほとんど何もしなかったですね......。そもそも、「個人事業主になる」ということ自体の意味がよくわかっていなかったです。
会社員時代の仕事の関係で、個人事業主は会計ソフトを使うと便利ということだけは何となく知っていたんですが、何のために使っているのか、何がどう便利になっているのかは全然知りませんでした。そのせいで、結果的に去年は「住民税を払ってください」と催促される羽目に......。

星野

星野:区役所から通知が来ちゃったんだね。

一平

一平:「今月末までに払わないとヤバいですよ」って電話もかかってきちゃった(泣)。「ちょっと待ってください!今月末は無理です!!」ってお願いしたら、何とか期限は延ばしてもらえました。

星野

星野:向こうも悪魔や鬼じゃなく、心のある人間だから(笑)。万が一、住民税などの督促の通知や電話が来てしまったら、ちゃんと「すみません」と返答はしましょう。今すぐ払うことが難しい場合でも、役所に赴いて事情を説明すれば、分割納付にしてもらうこともできます。ずーっと無視をしていると、差し押さえを食らってしまう恐れがあります。銀行預金とか......。

一平

一平:じゃあ、通帳残高を見ると、いきなり大減りしているなんてことが......。通知や電話には本当に対応したほうがいいです!電話がかかってくるとビビるけどね。納付書をなくしちゃった場合も、申し出れば新しい紙をもらい放題だから大丈夫。

星野

星野:もらい放題という言い方はよくないけど(笑)。個人事業主やフリーランスを目指す方は、ビビっても税務署や役所の通知から目を背けない、という心の準備をしておきましょう!

個人事業主になるなら、一刻も早く会計ソフト「導入」!銀行口座&クレジットカード「合体」!

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ライター

――個人事業主やフリーランスになるための具体的な準備として、会計ソフトや申告ソフトなどは使ったほうがいいでしょうか?

星野

星野:個人的には、確定申告をするときに会計ソフトなどがあると便利だとは思います。ただ、白色申告はソフトがなくても大丈夫じゃないかな~?

一平

一平:異議あり!白色でも会計ソフトは絶対に使っておくほうがいいと思います!なぜならソフトの案内に従うだけで、書類の必要事項の欄が勝手に埋まっていって最高だから!

星野

星野:確かに、会計ソフトがあることで、初めてだったり、税金になじみがない人でも確定申告がしやすくなるというメリットはあるね。特に青色申告を目指す人は、ソフトがほぼ必須と言ってもいいかもしれません。

一平

一平:これは!もう!!絶対!!!ラクちん!!!!

星野

星野:専門的な知識がない人が、会計ソフトなしで青色申告をしようと思うと、貸借対照表とか......。

一平

一平:とにかくムズいやつを作らなきゃいけないんでしょ、どーせ!

星野

星野:そうです、とにかくムズいやつなんです(笑)。なので、会計ソフトなどは使っておくことをおすすめしますね。

一平

一平:しかも、会計ソフトの準備や導入は、早めにやっておいたほうがいいですよ!ソフトをPCに設定するだけじゃなく、使う方法もある程度は勉強しないといけないんですよ。僕の場合は「銀行口座とクレジットカードとの同期」に時間もかかっちゃって......。

星野

星野:契約形態や金融機関によっては、銀行の取引履歴も数ヵ月しかさかのぼれなかったりするしね。

一平

一平:だから結局、会計ソフトを使ったにもかかわらず、年明けにさかのぼれない分のほとんどの取引をいちいち手入力しないといけなくて、最初の確定申告では死にました(泣)。
通帳記帳もしていなかったから、銀行に問い合わせて明細を取り寄せなきゃいけなかったし......。
会計ソフトの本来のパワーが発揮しきれなくて苦労したので、個人事業主になろうと考えている人は一刻も早く会計ソフトを導入して、銀行口座とクレジットカードをソフトに合体させましょう!

星野

星野:税理士的には、あまり「合体」という言い方はしないけど(笑)。

一平

一平:そしてもう1つ、僕からのおすすめポイント!合体が済んだら、レシートはクレジットカードで払ったものと、カード以外の現金などで払ったものとで分けて保管するのがいいと思います。クレジットカードのほうのレシートの内容は、勝手にソフトが打ち込んでくれるようになるので、保管しておくだけでOKなんです。

星野

星野:確定申告は2月中旬~3月中旬というイメージがあると思いますが、いざその時期になってから慌てて会計ソフトの導入などに取りかかると、一平くんのように苦労するかもしれません。
裏を返せば、会計ソフトと銀行口座やクレジットカードの連携などに関しては、早めの準備をしておくと、確定申告がかなりラクになるはずです。

一平

一平:開業の前に、個人事業主としての事業専用の銀行口座やクレジットカードを用意しておければ、もっとラクになるだろうな~。

星野

星野:確定申告の際は、事業で使ったお金と、プライベートで使ったお金をきちんと分けなきゃいけないので、それぞれ財布や口座を分けておけるといいよね。

一平

一平:......わかっちゃいるけど、いちいちそんな面倒なことできるか!

星野

星野:厳密に区別するのは大変だから、僕でさえやってないです(笑)。

一平

一平:でも僕は最近だと、事業用のものはクレジットカードで、プライベートのものはスマホ決済サービスなどで買うように分けています。こりゃ次の確定申告はラクだぞ~!

ライター

――すごい!一平さん、会計ソフト導入時の失敗談と比べると、今は見違えるように成長していますね!

星野

星野:確かに、お笑いをやってるときより瞳がキラキラ輝いてる......(笑)。

開業届と青色申告承認申請書、出し忘れると恐ろしいことに?

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ライター

――次に、いざ個人事業主になるときに必要な「開業届」について、どんなものなのか教えてください。

星野

星野:個人事業主は、事業を始めるにあたって「個人事業の開業・廃業等届出書」を出す必要があります。僕が新元号「令和」発表時のような持ち方をしている、この紙です(笑)。
よく、「開業届」と呼ばれていて、ざっくり言うと、自分の身元を明らかにして、これから始める事業内容を税務署に宣言する書類ですね。
正直なところ、最初にこれを出すことを知らず、放置している方が多いですが、本来は事業を開始して1ヵ月以内に出さなきゃいけません。

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※「国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」」から引用。
※2019年5月時点の書式です。
 

一平

一平:じゃあ、1ヵ月を過ぎたら恐ろしいことに!?

星野

星野:実は開業届自体は、遅れて出してもペナルティーがあるわけではないです。
ただし、節税効果の高い青色申告で得をしたい!という方は、「私は青色申告をしますよ~」という届出を、青色申告で申告しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以降に事業を開始する場合には、事業を開始してから2カ月以内)に出さないとダメです。
その際、「開業届もちゃんと出してるよね?」ということを税務署にチェックされるので、「開業届」と、「青色申告の承認申請書」の2つを、開業後なるべく早く出すことが重要です。

一平

一平:青色申告の承認申請書も、開業して2カ月を過ぎても大丈夫なんでしょ?

星野

星野:2ヵ月を過ぎてしまうと......その年の青色申告はできません。

一平

一平:何でだよー!青色申告の承認申請書のほうは厳しいんだな。

星野

星野:個人事業主を目指す方は、初年度から青色申告をやるぞ!という覚悟を持って、2つの書類をすぐに提出してくださいね。

ライター

――ちなみに一平さんは、開業届を出したときのことは覚えていますか?

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一平

一平:覚えてますよ~。事業の概要を書くのが難しかったです。そこに書いた内容に当てはまるものしか、経費にできないんですよ。お笑い芸人って、そもそもどういう事業?というのも悩みましたし。
「舞台やテレビ、その他メディアなどで、おもしろいことをやる。さらに、そのための準備をする」とか書いた記憶があります......。

星野

星野:その書き方だと、ネタとかがおもしろくなかった場合は経費にできない可能性があるね。お笑い芸人の開業届って恥ずかしいんですよ......(照)。

一平

一平:屋号は決めなかったので、記入しなかったですね。

星野

星野:お店を開く場合などは屋号があったほうがいいですが、個人事業主やフリーランスなら書かなくても大丈夫です。

一平

一平:提出期限を過ぎてもいいし、書かなくていい欄もあるし、開業届はゆるいな~(笑)。

星野

星野:どれだけ恥ずかしい事業概要を書いてもOKなので、緊張せずサラッと出しちゃってください!

ライター

――開業届や、青色申告の承認申請書の控えやコピーは、しっかり保管しておくほうがいいですか?

星野

星野:自分が活動するにあたって、最初に登録した内容を確認できるように、保管しておくほうがいいですね。
例えば、住所に変更があったときは、異動届を出す必要がありますが、控えやコピーがないと、「開業届を出したのって、引っ越しの前だっけ?後だっけ?」と、異動届を出し忘れる恐れもありますから。

ライター

――星野さんの細かすぎるアドバイス、ありがとうございます! 今回は、開業に際して知っておくべきこと、やっておくといいことなど、いろいろ把握することができました。次回は、Gパンパンダのおふたりと、個人事業主やフリーランスが知っておきたい4種類の税金などについて深掘りしていきます!

Photo:沼田学

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この記事の執筆者

矢郷真裕子
矢郷真裕子

編集者・ライター。出版社勤務を経てフリーランスに。手がけてきた分野はエンターテインメント(お笑い・音楽)、グルメ、衣料(ファッション)、児童、占い、街ブラ、ライトノベルなど。

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