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コワーキングスペース・シェアオフィスに事務所を構えたら人脈が増える?【入居経験者が本音で解説】

公開日:

執筆者:金野和磨

コワーキングスペース・シェアオフィスに事務所を構えたら人脈が増える?【入居経験者が本音で解説】

シェアオフィスやコワーキングスペースへの入居を考えている方の中には、「シェアオフィスは人脈が広がるって聞くけど、本当なの?」と思っている方もいるでしょう。筆者の経験で言えば、人脈は増えます。もちろん、入居するシェアオフィスにもよると思いますし、入居する方のコミュニケーション能力も必要かもしれませんが、人脈が増える環境はあります。今回は、実際にシェアオフィスに入居を経験した筆者が、入居してみた感想や、シェアオフィスに入居するメリット・デメリットを解説します。



POINT
  • 「コミュニティ機能」があるシェアオフィスを選ぶと人脈を広げやすい
  • ポートフォリオと実績なくして人脈の広がりなし
  • 深夜作業が多い方は、利用できるシェアオフィスが限られる

シェアオフィス入居のメリットは

筆者は現在、音楽系の会社を運営しています。会社のメンバーが全員、業務委託契約のフリーランス集団のため、社員・役員は自分ひとり。また、仕事はPCでの作業が大半です。そのため、高い入居料を払ってまで事務所を構える必要がなく、安価で利用できるシェアオフィス/コワーキングスペースに入居することにしました。

筆者が実際に入居してみた経験から、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用するメリットは以下の7つと言えると考えます。

① 入居者との交流機会が多い
② 利用費がレンタルオフィスと比べて安い
③ 都心部にアクセスしやすい
④ 通信環境が安定している/常に電源が使える
⑤ 会議スペースを利用できる
⑥ 事務用品を自前で調達する必要がない
⑦ 法人であれば、その場所で法人登記ができる

①入居者との交流機会が多い

シェアオフィスにコミュニティ機能(※利用者同士が交流を図れるような仕組み)がある場合、基本的には入居するだけで他の入居者とのコミュニケーションの機会が発生します。筆者が入居したシェアオフィスでは以下のような機会がありました。

  • 入居者専用のFacebookグループに加入できる
  • 新規入居者歓迎会やクリスマス会などのイベントに参加できる
  • コミュニティマネージャー(事務所の管理運営や入居者同士をつなぐ役割をもった人)が利用者間の交流を促進してくれる

入居者専用のFacebookグループでは、主に会議室の利用スケジュールやオフィス内の工事の予定といった事務的な情報共有が主でしたが、入居者が飲み会のお誘いを投稿したりしていることもありました。そのため、こうしたお誘いに参加することで他の入居者と交流を持ちやすくなります。

また、私が入居したシェアオフィスでは、新規入居者のための歓迎パーティー(シェアオフィス内で開催。立食・バイキング形式)が行われていましたので、入居した直後に他の入居者と自然にコミュニケーションを取ることができました。

その他、3月には、入居者限定のお花見が行われたり、12月にオフィス内でクリスマスパーティが行われたりしたこともありますので、歓迎会以外にも入居者間で自然にコミュニケーションが取れるような機会もありました。

また、同オフィスにはコミュニティマネージャーが1名常駐しており、私がオフィスに新規入居した際は他の入居者に一人ひとり紹介して回ってくれました。また、前述したパーティでは積極的に入居者間でコミュニケーションが図れるよう、話題を振ったり入居者同士を引き合わせたりしてくれた経験もあります。

その他、「●●さんを紹介してほしい」といった要望をコミュニティマネージャーに伝えれば個別に紹介してくれましたので、接点を持ちたい入居者がいる場合は相談してみると良いと思います。

こうした仕組みがあれば、入居者と自然にコミュニケーションを取ることができます。シェアオフィスやコワーキングスペースに人脈を求めている方は、こうした機能があるかどうかを踏まえてオフィス選びをすることをおすすめします。

②利用費が安い

シェアオフィス、コワーキングスペースの利用費の相場は月額10,000〜30,000円のようです。レンタルオフィスの利用費の相場は筆者が調べたところによると月額40,000〜80,000円程度だったため、シェアオフィス、コワーキングスペースの方が比較的安価で利用できると思います。筆者が入居したオフィスは月額20,000円(税別)で、4つの共有スペースをフリーアドレス(※図書館の閲覧室のように、社員が個々に机を持たないオフィススタイルのこと)として利用できる「フリーデスク」プランでした。

会社を設立してからシェアオフィスに入居する前は1日あたり1〜2回はカフェで作業をしていましたが、1日のカフェ代が1,000円と仮定した場合、月の合計費用は30,000円かかってしまいます。それならば月額20,000円のシェアオフィスを利用した方がコスト面でもいいのではないだろうかと思い、入居しました。

ちなみに、シェアオフィスやコワーキングスペースは原則的に100%仕事をする場所のため、仕事場を自宅からシェアオフィスに切り替えた場合は家事按分の手間がなくなります。シェアオフィスでかかった費用全額が経費計上可能です。

③都心部にアクセスしやすい

東京都の場合、シェアオフィス、コワーキングスペースの多くが山手線の円の範囲内にあるため、都心部にアクセスしやすいというメリットがあります。

筆者は音楽系の事業を運営している関係上、平日・休日問わず夜にライブハウスに行くことが多いため、ライブハウスが密集している下北沢のシェアオフィスに入居しました。入居先を検討する際は自宅の最寄駅にある下高井戸のシェアオフィスと下北沢のシェアオフィスのどちらかにするか迷いましたが、下高井戸のシェアオフィスは席数が10数席程度と少なかったので、席に座れないリスクを考慮した結果下北沢のシェアオフィスに決めました。

結果的にはライブの前後で仕事場に行くことができるようになり、仕事的にも非常に便利でした。

④通信環境が安定している/常に電源が使える

カフェで作業することが多いフリーランスや個人事業主の方であれば、以下のような経験をした方は少なくないと思います。

  • 利用したカフェのWi-Fi環境が弱くてネットにアクセスできなかった
  • 電波の悪い地下や壁際の席に座らざるを得ず、所有しているポケットWi-Fiで通信できなかった

こうした事象はPC作業者にとって強烈なストレスです。普段利用しているカフェが満席だったため、別のカフェに入ったら電波が悪くWi-Fiが使えなかった......なんてことが起こります。緊急の際はスマホのテザリングを使ってネットにアクセスしますが、ギガが減ってしまう(※スマホの月契約のデータ通信量が減ってしまうことで、通信速度規制を受けてしまう可能性がある)ので、できれば避けたいところです。

基本的にシェアオフィスは専用のインターネット回線を所有しているため、こうしたストレスがありません。また、いたるところにコンセントがあるため電源にも困りません。これはPC作業者にとっては大きなメリットだと思います。

⑤会議スペースを利用できる

固定の事務所を持っていない人間にとって、都心部に近い打ち合わせ場所を確保できるのは大きなメリットです。筆者が入居したのは、入居者が施設内の会議室を無料で使用できるタイプのシェアオフィスでしたので、メンバーとの打ち合わせではとても重宝しました。ホワイトボードやプロジェクターも完備していたので、カフェで行う打ち合わせよりも便利です。

⑥事務用品を自前で調達する必要がない

どれだけネットが普及しても、取引先が請求書の郵送を求めてくる限り印刷や郵送作業を省くことはできません。自宅にプリンターを設置したくない筆者は、長らくコンビニのネットワークプリントを利用して請求書を印刷していましたが、シェアオフィスの場合はプリンターをはじめとした事務用品が完備されていることがほとんど。

そのため、プリントアウトするたびにいちいちコンビニまで行くという手間が省けました。また、たまたま入居先の近くにポストがあったため、請求書の作成から投函もスムーズでした。

⑦登記ができる

筆者は利用しませんでしたが、入居先のオフィスで登記ができるのは会社設立を検討している人間にとって大きなメリットだと思います。特に自宅を登記することで、住所を特定されるリスクを負いたくない方にとっては重宝するのではないでしょうか。

また、自宅を法人登記することで取引先や金融機関からの信用度が低下するといった事例もあるようですが、今のところ自宅で登記している筆者が信用度を理由に与信審査で落ちた経験はありません(あくまでも筆者の体験の範囲です。また、筆者が属する音楽業界が、比較的登記先などには寛容なだけかもしれませんが......)。

シェアオフィスで人脈を広げるカギは、自分の実績を伝えられる「ポートフォリオ」

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コミュニティ機能を有しているシェアオフィスに入居すれば、他の入居者と顔見知りになる機会を得やすいでしょう。しかし、重要なのは広げた人脈を実際にビジネスにつなげることだと思います。

筆者が入居したシェアオフィスには、デザイナー、プログラマー、ライター、アパレルの経営者、映像作家、税理士、Web サービスのスタートアップの経営者、Webマーケティング会社の経営者、翻訳会社の経営者など、さまざまな職業の入居者がいました。

入居直後はそうした方々と名刺交換をする機会が多く、お互いがどんな仕事をしているのかやり取りするわけですが、その時にポートフォリオを持っている方と持っていない方がいたことを覚えています。

もし入居者に自分のサービスを利用してもらいたい場合、以下を伝えられるようなポートフォリオ(※過去の作品や実績を伝えられる資料)を持つべきだと思います。

  • 自分が具体的にどんな仕事をしているのか
  • どんな成果物をもっているのか
  • 主要顧客はどんな層なのか

ポートフォリオはWebサイトでも冊子でも名刺の裏面でも良いので、これらを客観的に、わかりやすく伝えられるかどうかが重要です。入居者はお互いに貴重なお金を使って外注するわけですから、仲良くなったからといって安易に発注はできません。そのため、自分の実績や能力を一発で伝えられるツールづくりに時間や労力を使うことは有益だと思います。

参考までに、私がこれまで受け取ったポートフォリオのなかで多かったものはクライアント名や作品名のみが写真付きで列挙されているだけのポートフォリオです。この場合、ポートフォリオ作成者がそのプロジェクトにおいてどのような創意工夫を行ったのかがわかりにくいです。

対して、特に良かったものは、クライアントが抱えていた課題と、その課題に対してどのような提案を行うことで解決したのかが丁寧に書かれていたものでした。複数名で仕事を分担しているプロジェクトも少なくありませんので、そのプロジェクトにはどのような役割を持った人が参加していて、そのなかで自分がどのような役割を果たしたかが書かれていると、ポートフォリオ作成者の実績がさらに伝わりやすいと思います。

入居者はSNSで繋がっていることも多い

また、入居者コミュニティで自分を売り込むにあたってもっとも効果的なのは、最初に発注してくれた人を確実に満足させることです。どれだけポートフォリオがわかりやすいものでも、実際にどの程度の実力の持ち主なのかを把握するには限界があります。

しかし、コミュニティ内で自分のサービスに満足してくれた人がいる場合は、その限界を超えることができます。入居者間の口コミで伝わっていきますので、より自然に紹介の連鎖が発生します。逆に入居者に対して不十分なサービスを提供してしまった場合、コミュニティ内での広がりはかなり難しくなると認識したほうが良いでしょう。

また、入居しているシェアオフィスに入居者専用のFacebookグループなどがあるかどうかに関わらず、入居者同士、SNSで繋がっていることも多いです。悪評は即座に広がります。

シェアオフィス入居のデメリット

シェアオフィスやコワーキングスペースには当然デメリットもあります。筆者が入居して感じたデメリットは以下の2点です。

  • 利用時間が限られている(早朝・深夜利用ができない)場合が多い
  • お気に入りの席がすべて埋まっているケースがある

24時間営業のところも一部ありますが、基本的には早朝や深夜に利用できないシェアオフィス、コワーキングスペースが多くを占めます。そのため、夜型の方にとっては使い勝手が悪いかもしれません。

また、入居者数によっては大半の席が埋まっているケースがあります。席数が少なく、かつフリーデスクを利用したい方の場合、シェアオフィスに入居する際に入居率を聞いてみると良いかもしれません。また、そもそも人脈を広げたいと思っても、混んでいて席数が足りないシェアオフィスでは、そんなきっかけを作ることすらできませんよね。

ちなみに、筆者は業務の関係で深夜作業が多くを占めるようになってしまったため、現在は自宅作業と24h営業のレストランなどを併用して活動しています。ただ、もし入居しているシェアオフィスが24h利用可能だった場合は継続利用していたと思います。

シェアオフィスやコワーキングスペースへの入居を検討している方は参考にしてみてください。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者

金野和磨
金野和磨

人材派遣会社、音楽サービス会社の営業職を経験した後に編集者・ライターとして活動を開始。2015年にはミュージシャンのプロモーションをサポートする会社、Gerbera Music Agency合同会社を設立。分かりやすい記事を書くことを心がけています。

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