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自己理解がビジネスセンスを磨く!スモールビジネスで実践したい「自分を知る方法」

公開日:

執筆者:山名恭代

自己理解がビジネスセンスを磨く!スモールビジネスで実践したい「自分を知る方法」

いまの仕事は本当に自分に合っているのだろうか。あのときの決断は正しかったのだろうか。起業や個人経営、フリーランスとして事業を営むうえで、漠然とした迷いが生じたり、大きな決断が必要とされたりする場面は少なくありません。そんなときに自信を持って意思決定を行うヒントは「自分を知る」ことにあると、自己理解スペシャリストの奥貴美子氏は語ります。

そこで今回は、そもそも自分を知るとはどういうことなのかを出発点に、自己理解をビジネスに活かす方法についてお話をうかがいました。

(※この取材はオンライン会議ツールを使用し、リモートでインタビューしたものです)



奥 貴美子(おく きみこ) プロフィール

奥 貴美子(おく きみこ) プロフィール

「好きは才能、才能を仕事に」を理念に、子どもから学生、経営者まで多くの人の才能発見・自己理解をサポートする。歴史上や現代社会で活躍する2万人を超える生い立ちを研究し、パーソナリティ分析と才能分析において独自のメソッド「13の視点からの才能発見」を構築。経営者や社員が自己理解を深める企業研修や、外部の人事アドバイザーとして採用や社員教育をサポートする。広島県広島市在住。一般社団法人職業セレクト研究所所長、親子キャリアラボ代表。日本で唯一の自己理解スペシャリスト。

子どもの頃「公園で何が一番気になっていた?」から見えてくる自分の適性

講演中の奥 貴美子さん

2万人以上の人物を研究したデータをもとに、自己理解のための独自メソッド「13の視点からの才能発見」を構築した奥氏。広島県や広島労働局、日本政策金融公庫、大手企業などが主催するセミナーでの講演のほか、個別カウンセリングを通して、多くの起業家やフリーランスを支援しています。

「人生は選択の連続。自分らしく後悔のない選択をするためには、まず自分を知る必要があります。情報が氾濫して選択肢が多い現代社会では、何を信じるのか、誰に相談するのかなど、とにかく迷ってしまいがち。けれど、自分のことをしっかり理解していれば、一つひとつの決断に迷わなくなるんですよ」

自己理解ができているとは、自分が普段意識していない部分まで理解して言語化できる状態のことをいいます。そして、その状態にたどり着くためには、「いまの自分がどのようにしてできたのか」を知ることが欠かせないとのこと。その手掛かりは、過去に行った意外な選択のなかにもあるのです。

「例えば、子どもの頃に公園へ行ったとき、何が一番気になっていたか。そんなところにも自分を知るヒントは隠れています。クリエイティブな人だと、さまざまな遊び方ができるので砂場が好きだった人が多いですし、登り棒が気になって遊んでいた人は目標を達成するまで頑張れる傾向にあります。高い木に登って躊躇せずエイッと飛び降りていた子は、経営者に多いですね。

子ども時代に限らず、これまで自分がしてきた選択を振り返ることで、自分の得意なことや強みが浮かび上がってきます。ほかにもいろいろな方法がありますが、日記をつけて読み返すことも自分を知る手掛かりになります」

2014年に起業して以来、自己理解についてレクチャーしてきた人数は6000人以上。それだけ多くの人たちに影響を与えられているのも、自分をしっかり理解したうえで迷いなく行動してきたからだといいます。

ご自身は、40歳くらいで起業することを目標に、2、3年は無収入でも2人の子どもを育てていけるよう資金などを計画的に準備していたとのこと。目の前のことだけではなく、人生という長いスパンで自分がしたいことを常に考えていたと振り返ります。

そして、ビジネスには決断がつきものです。例えば、現在の一般社団法人と個人事業主という両輪体制を統合すべきかなど、ビジネスの方向性の選択もその一つ。そうしたときに、自分はどうすればストレスがかかって、どうすればのびのび活動できるかがわからなければ、迷いが生じ、選択が難しくなってしまいます。

「私が構築したメソッドでは、生まれ持った気質や環境などに関する複数の視点から自分を見直すことで、強みや印象、興味・関心、得意・不得意、自分が無意識で行っていることまで理解し、言語化していきます。自分について正しく言葉で伝えられるようになると、精度の高い情報が集まるので、さまざまな選択がラクになるんです。

ウェブで検索するときに、検索ワードが精密であればあるほど、検索結果の精度も上がるじゃないですか。それと同じで、自分を正しく言語化できれば必要な情報に早くたどり着けるので、ビジネスも自然に加速していきます」

自己理解は他者理解。他者を知ることがマーケティングにも活きてくる

奥 貴美子さん

「自己理解ができている人って、他者も知っている人なんですよね。自分がわかるから、人との違いもわかる。比較対照する相手がいることで、自分の強みに気付きますし、相手への理解も深まります」

そして、自己理解はプライベートな人間関係だけではなく、ビジネスの場面でも大いに役立つと言葉をつなぎます。

「起業を考えている人を対象に、自分の特性やセールスポイントを知るための講演をしてほしいというご依頼をいただくこともありますし、自己理解はマーケティングにも活かされます。自社にはあって他社にはないもの、それが事業の強みになるんです。

お客様のことを知って何を求めているかが見えてくると、そのニーズに沿って自分たちの強みを伝えられますよね。同じような商品やサービスがあると、お客様も何を基準に選べばいいのか迷ってしまいます。そんなときに、ほかにはない強みを伝えることができれば、お客様に選ばれる存在になります」

また、ポジティブな面だけでなくネガティブな面の理解も大切。強みとあわせて自分の弱みや苦手なことも言葉で伝えられれば、仕事のミスマッチを防ぐことができ、コミュニケーション能力も向上します。

「周囲の人と上手に付き合っていきたいのなら、相手のことをきちんと理解する必要があります。自分との違いを理解して相手の立場や思いを尊重することができれば、円滑なコミュニケーションが生まれますし、良好な関係を築けるでしょう。

自己理解はすなわち他者理解。社内では、当人がなかなか口に出せないような課題の解決につながったり、社外ではマーケティング施策に活かすことができたりと、さまざまなメリットをもたらします。いままで見えなかったものが見えてくるイメージですね」

自分の価値を知ることで、自分に合ったビジネスモデルを描けるようになる

インタビューを受ける奥 貴美子さん

さまざまなビジネスにおいて自己理解は有効な手段となり得ますが、なかでも事業を継承したケースで自己理解が必要となる場面が多いのだそう。自分の意志で起業した創業者とは異なり、二代目、三代目など家族経営の事業を継いだ場合は特に、自分がその仕事に本当に向いているのかわからないまま続けていることもあるといいます。

自分が一から築いたわけではなく、「譲り受けたもの」という思いがあるからか、自信を持てない人も見られるとのこと。しかし、実は幼い頃から家族が働く姿を当たり前のように見てきたからこそ、経営感覚が自然に身に付いていたり、自分を振り返る時間がなくて自分の価値に気付けていないだけだったりするケースも多いようです。

「自分の価値がわからず適正な価格を提示できなかったり、自信がないから値下げで差別化を図ろうとしてしまったり。それって、すごくもったいないですよね。経営も人生も選択の連続です。自分が心から望む未来を想像し、選択の一つひとつに向き合わなければいけません。自分を理解できていない状態では、本当に望む未来は見えなくなってしまいます。

自己理解を実践すれば経営も変わりますし、自分に合った未来を描けるようになります。ビジネスの方向性が定まれば、キャッシュフローや資金繰りについての考え方も自ずと定まってくるはずです」

7年カレンダーを使って、思い描く未来を「見える化」する

目まぐるしい変化のなかで、先が読めない昨今。ビジネスも多様化が進み、ますます正解が見えにくくなっています。そんな時代だからこそ、ただ走り続けるだけではなく立ち止まって自己理解を深める時間を持つことが、「未来を切り拓く武器」になり得ます。

「これからの時代は、自分のビジネスを心から信じている人、『一番の信者は自分自身』くらいの考えを持つ人が伸びてくると思います。自己理解を深めると、根性論や思い込みではなく、根拠に基づいて自分のビジネスを語れるようになるんです。自己理解の効果を知っている人ほど、ビジネスはうまくいっていますし、どんなに忙しくてもフィードバックの時間を意識して持っていますね。

例えば、2カ月に1回ホテルに滞在して、日常生活から離れてゆっくり考える時間を持ったり、経営者が集うツアーに参加したり。皆さん、時間やお金を上手に投資しています。自己理解は、複数の視点があるほうがより深まるものです。スモールビジネスの経営者であれば、腹を割って話せる経営者の仲間を持ったり、フリーランスであればコミュニティに参加したりするなど、自分と同じ立場の人と思いを共有することで、自分が望む未来をより描きやすくなります」

7年カレンダー

また、自分が思い描く未来を「見える化」するといいですよ、とのアドバイスもありました。おすすめは、7年先を一区切りとして考える「7年カレンダー」の作成です。1年先ではなく7年先まで見据えて叶えたいことを書き込み、目につくところに置いておくのだそう。

「実際にその通りにならなくてもいいんです。私もカレンダーに書き込むときは、マスキングテープを使って自由にはがせるようにしています。言葉にすることで、そのことに意識が向くようになりますし、そうやってアンテナを立てることで、必要な情報が集まりやすくなるんです。目の前のことだけに注力しているとどうしても未来が見えにくくなりますし、7年という長いスパンのカレンダーを活用すると俯瞰的な見方が自然にできるようになるのでおすすめですよ」

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この記事の執筆者

山名恭代
山名恭代

小売業、銀行後方事務、保育士を経てフリーランスのライター・編集者に。グルメ、旅から採用、キャリア、ビジネスまで幅広く執筆。一般社団法人ブランド・マネージャー認定協会2級資格有。中小企業ブランディングにも関わり、理念の言語化なども行う。大阪府出身、広島県在住。

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