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知っておきたい、運転資金の重要性

公開日:

執筆者:松波 竜太

企業が永続する限り、「資金繰り」は永遠のテーマではないでしょうか。売上が増えると手元資金が無くなってしまうからくりを明かしつつ、資金繰りに失敗しないための借入について、起業から3年後を想定して説明します。



企業の命運を握る「手元資金」

利益が出ても手元資金がなくなれば会社がつぶれることがあります。俗にいう黒字倒産です。利益が出ていればいいというものではありません。

不思議な話に感じるかもしれませんが、"売上が増えると手元資金は減る"という法則があります。

売上が増えると手元資金は減る

上図のとおり、売上を増やすためには、棚卸し(在庫)を増やしたり、人を増やしたりする必要があります。

そして通常は、支払いのほうが先行します。たとえば、売上の入金は月末なのに、従業員の給料は翌月15日に払わなければならないという状況を想像して頂けると理解しやすいのではないでしょうか。

入金を待たないと従業員の給料が払えないとか、または、売上や入金は月末、支払いも月末となったら、どこかが間違ってだれかが入金してくれなかった場合、支払いができなくなります。そのため、ある程度の金額を口座に残しておくことが必要です。こういったロジックで、「売上が増えればお金が減る」状況が発生します。

資金がないことを恥ずかしがり、銀行になかなか言えないと悩んでしまう経営者の方を多く見てきました。「売上が増えたから不足してきました」と銀行に堂々と話すことで、銀行も新規の借り入れができる可能性があり、金融機関として親身に話を聞いてくれます。

起業3年目からの銀行融資

創業融資の項目でも書きましたが、起業3年目以降になると銀行融資のハードルが下がります。創業融資のハードルの高さをしらずに、創業融資に失敗したことがトラウマになってしまっている社長をたまにみかけます。説得して再チャレンジしてもらうと、思いのほか好印象で、結構な額の融資を受けることができて大喜びする経営者もいます。それほど3年目以降は銀行融資を受けやすくなります。

月商の3カ月分の手元資金を目指すのであれば、この3年目ぐらいのところで一気に融資を受けて、手元資金を増やすことをおすすめします。

また、支払管理の項目で記載したとおり、いま支払手形を使っているのであれば、創業3年目を期に銀行融資を受けて、支払手形をやめるのもひとつです。そうすることで、支払手形によって会社が潰れるリスクは低くなります。

借入相談は窓口にあらず! 融資係に相談を!

その際、窓口に自分から借りに行き、「お金を貸してください」というと、銀行は拒絶反応を示すことが多いので、取引のある銀行に電話で、「今度、融資をしてもらいたいので、誰か来てください」とお願いするようにしましょう。

逆に言うと、来てくれなかったら借りられない可能性のほうが高いため、行っても無駄ということなのです。

初回融資のセオリーは、支店長決裁枠を超えないこと!

それから、融資を申し込むときは、支店長の決裁枠の範囲で申込みましょう。大体1つの支店だったら、初回取引の場合、500万円から1,000万円ぐらいだと思っていただければいいと思います。

最初から3,000万円も4,000万円も借りたいと言うと、非常識な会社だと思われてしまいます。最初は少なめの金額でお願いするというのがセオリーです。

借入の際に用意すべき書類

借入の申込時に必要な書類は、初回取引の場合は3期分の決算書、定款、登記簿謄本、許認可事業であれば許認可証になります。

借り入れに必要な書類3点

「銀行から決算書が欲しいと言われたけど、このなかのどれですか?」という質問を、たまにもらいます。このときの決算書とは、法人税の申告書、決算書、内訳明細書など、つまりは会計事務所から渡されたもの1冊、丸々全部をさします。

融資額を減らさないための「リース」と「割賦」

資金調達は銀行だけではありません。リース会社やクレジット会社からも資金調達が可能なのです。「リース会社やクレジット会社から資金調達」と聞くと不思議な感じがしますが、リースや分割購入(=割賦)も資金調達の手法の1つなのです。

ぜひ押さえておきたいのは、「銀行は、銀行間の融資だけを見て限度額を決めている」ということです。そのため、リースや割賦を優先して利用すれば、銀行の融資枠を確保しつつ設備投資が可能です。

さらに、リースというと、事務機器ぐらいしか思い浮かばないかと思いますが、実は、内装や設備、機械などもリースを組むことができます。設備投資しようと考えたときは、一度、購入先に「リースや割賦はできないの?」と聞いてみるのも、資金を有効に利用する1つの手段です。

クビがしまる!? 手元資金の設備投資転用はNG

安定した資金繰りを実現するために、もっとも注意してほしい点は、手元資金で設備を買わないことです。私もいろいろと資金繰りの相談を受けていますが、資金繰りに苦しいところは手元資金で設備を買ってしまっていることが多いのです。

手元資金で設備を購入してしまう、資金繰りが立ち行かなくなります。機械などを買うときには、その機械の減価償却の耐用年数(使える期間)で割賦を組むということを基本的な考え方にしていただければと思います。

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この記事の執筆者

松波 竜太
松波 竜太

会計事務所業界に20年、税理士資格取得後独立し16年間となる。

500社以上の中小企業に関与し、特に資金繰りと銀行交渉については113社をサポート。
お客様の手元資金をサポート前の最大17倍(平均3倍)金利は1/2以下とした目からウロコの手法を、誰にでもできるよう再現性のあるセオリーにまとめ、書籍「借入は減らすな!」(あさ出版)、「その節税が会社を殺す」(すばる舎)などを執筆。
「決算書が読めない経営者でも銀行交渉ができる」をコンセプトに説明資料の準備から、アピールすべき点、想定される質問、さらには交渉の継続判断など具体的な「次の一手」をアドバイスし、中小企業経営者から絶大な信用を得ている。

ホームページ https://sintosin.pro/

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