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青色申告のメリットと節税効果についてのまとめ

最終更新日: 公開日:2013/11/22

監修者:宮原 裕一(税理士)

「青色申告」は、「白色申告」に比べてさまざまなメリットがあります。特に、青色申告だけの特別控除など、通常は経費として認められないものが特例として認められることがあります。その結果、課税対象の「所得額」を減らすことができて節税効果が大きくなります。

青色申告をする最大のメリットが「65万円の青色申告特別控除」です。特別控除には10万円控除もありますが、せっかく青色申告するのに65万円控除を受けないのはもったいないです。

ここでは65万円控除を受けるための条件と青色申告のメリットを解説します。



※上記をクリックすると該当する箇所に移動します。

会計ソフトで帳簿付けするだけで65万円控除に!

控除額65万円と10万円の差は、帳簿の付け方の違いです。10万円控除は「簡易簿記」という方法で、家計簿のようなシンプルな帳簿だけでかまいません。
それに比べ、「65万円控除」が受けられるのは「複式簿記」というやり方です。こちらは約8種類の帳簿を作成しなければなりません。
ただ、会計ソフトを利用すれば、お金のやり取りを入力しておくだけで、すべての帳簿は自動作成されるので安心です。簡易簿記も複式簿記も手間は同じなので、複式簿記にして、65万円控除にしましょう。

青色申告特別控除
簡易簿記 複式簿記
10万円控除 65万円控除

複式簿記で付けていても、確定申告の期日に遅れてしまうと10万円控除しか受けられなくなるので、注意しましょう。

※平成30年度税制改正により、青色申告特別控除の要件が2020年から変わります。こちらの「【平成30年度税制改正】青色申告特別控除65万円が見直しに!個人事業主は減税になるの?!」をあわせてご覧ください。

【関連記事】
・確定申告の期限、いつからいつまで
・確定申告失敗談!提出を忘れ期限を過ぎたら悲惨だった

「不動産所得」で65万円控除を受けるには

「不動産所得」で65万円控除を受けるには

アパートの家賃収入や駐車場の貸付などによる不動産所得は、一定以上の事業的規模があると判断できる場合に限り65万円控除を受けることができます。しかし、その判断は難しいので、「5棟10室」という一定の形式基準が設けられています。貸家なら5棟以上、貸室なら10室以上、駐車場なら50台以上が目安です。

青色申告(65万円控除)と白色申告の所得税はこんなに違う!

青色申告特別控除の65万円があると、どれだけお得になるのでしょうか。ここでは経費やその他の控除を差し引いた「所得400万円」の場合で比較してみます。

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【参考】個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション

所得税を減らせるので節税効果は大きい

赤字になった年から3年の間に儲けが出た場合、確定申告で黒字の所得から赤字分を差し引くことができます。これを「純損失の繰越し控除」といいます。くわしくは下の図で説明していますが、これは青色申告だけの大きな特典です。赤字の年の所得税は当然ながらゼロですが、翌年から儲けが出た場合でも、前年の赤字分と相殺して所得を減らすことで税金も減るので、前年の損失を取り返すことができるのです。

ちなみに、儲けが出た年でも過去の赤字分と相殺して所得がゼロになるなら、その年の所得税もゼロにすることができるのです。純損失の繰越しを行うには、通常の確定申告書第一表・第二表に加えて「損失申告」用の第四表という書類が必要になります。

「純損失の繰越し控除」とは

下の棒グラフは開業後5年間の所得額のサンプルです。1年目は300万円の赤字ですが、この赤字分は3年目や4年目の黒字分と相殺できるので3年目と4年目の所得税をゼロにできます。2年目の赤字100万円は5年目の黒字300万円から差し引けるので、5年目の所得を200万円に減らせます。

「純損失の繰越し控除」とは

前年の税金を還付請求できる
赤字を繰り越すのとは逆のケースもあります。前年は黒字だったのに今年は赤字になってしまったという場合は、今年の赤字分を前年の黒字分と相殺できるのです。これを「純損失の繰戻し還付」といいます。
前年払い過ぎた税金を受け取れます。

【関連記事】
・赤字でも大丈夫! 損失を繰り越せる青色申告のメリット
・白色申告の赤字について解説

所得の「損益通算」とは

所得の種類が複数ある場合は、すべての所得を合算してその年の所得としてあつかいます。これを「損益通算」といいます。たとえば事業所得が200 万円の赤字、不動産所得と一時所得がそれぞれ50万円の黒字だったとすると、その年の所得はマイナス100万円となります。なお、赤字を通算できるのは事業所得や不動産所得など一定の所得に限られます。

所得の「損益通算」とは

家族の給与は必要経費になる

お店などを営んでいる個人事業主の場合、配偶者や家族に手伝ってもらっていることも多いはずです。配偶者や親族に仕事を手伝ってもらったときに支払う給与は、通常は必要経費として認められていません。

しかし、青色申告なら同じ家、同じ財布で生活している家族を「青色事業専従者」として届け出ることで、その適正な給与を経費にできます。ただし、事業的規模でない不動産所得のみでは認められないので注意しましょう。白色申告の場合は、事業専従者である配偶者で86万円、親族なら50万円の控除どまりとなります。

税務署に提出する「青色事業専従者給与に関する届出書」の書き方などは、「専従者給与とは何か?家族に支払う給料を経費扱いにする方法」を参考にしてみてください。

POINT

「青色事業専従者」になるための条件

専従者として認定されるためには、以下のすべての条件を満たしている必要があります。事業に従事している日数が少なかったり、給与が高すぎると認められないことがあります。

  • 生計を一にする配偶者や親族であること
  • その年で6カ月を超えて、事業に従事していること(例外あり)
  • その年の12月31日で15歳以上であること(学生は不可)
  • 給与が仕事内容に対し適正な金額であること
  • 「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していること

家族の給与を経費にしたときの節税効果

どのくらいの節税効果があるか、サンプルで比べてみます。給与を差し引く前の所得を500万円、配偶者給与は年間200万円とします。

家族の給与を経費にしたときの節税効果

青色申告なら「減価償却の特例」を受けられる

特例を受けられそうなおもな固定資産

仕事で使う備品でも、10万円以上するものは法令で定められた年数(耐用年数)にしたがって、分割して経費計上しなければなりません。これを「減価償却」といいます。しかし、青色申告には特例があり、30万円未満の仕事で使う固定資産を一度に経費にすることが認められています。経費を増やし所得を減らせるので、節税効果があります。この特例は2020年3月31日までに取得・使用しているものに限られています。また、この特例を使って全額をその年の経費にするか、通常の減価償却として毎年計画的に経費にしていくかの選択は自由です。

30万円以上の固定資産は減価償却します

30万円以上の固定資産には特例はないので、定められた年数にしたがって減価償却します。

固定資産の例 耐用年数
鉄筋コンクリート造の事務所 50年
木骨モルタル造の事務所 22年
金属製の事務机、事務いす 15年
テレビ、ラジオ 5年
軽自動車 4年

減価償却の仕組み

減価償却の仕組みと「減価償却の特例」の例を比較します。特例が選べるなら、事業の経営状態によって好きなほうを選びましょう。

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【関連記事】
・年内に買ったものどれくらい経費になる?個人事業主(青色申告)の減価償却
・確定申告で悩むポイント!〜減価償却の意味〜

事業で使ったことを証明できれば経費になります

必要経費

自宅を仕事場としている人は、家賃や光熱費などの経費を事業用と個人用に分けるのが難しいでしょう。こうした費用は「家事関連費」と呼ばれ、基本的には必要経費になりません。

しかし、青色申告なら、「事業で使った」と証明できる分は必要経費とすることが認められています。

白色申告でも家賃や光熱費を必要経費として計上できますが、制限があります。青色申告のほうがより認められやすくなっています。自宅を事務所や店舗として利用するなら、青色申告にしたほうが断然有利です。

たとえば家賃の場合は、仕事で使っている部屋の「床面積の割合」を基準とします。もし仕事で使っている割合が家全体の30%だとすると、家賃のうち30%が必要経費として認められることになります。電気代や電話代なども同じように必要経費として計上できます。

家事関連費が必要経費として認められる基準

【関連記事】
・家賃や光熱費を経費にする「家事按分」のやり方
・「確定申告の疑問」を税理士にズバリ聞いた!第5回家事按分編

出典:「大きな図ですぐわかる はじめての青色申告」 監修:宮原裕一(税理士)
©2018 Yayoi Co., Ltd. ©2018 KADOKAWA ASCII Research Laboratories, Inc

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この記事の監修者

宮原 裕一(税理士)
宮原 裕一(税理士)

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。
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出典:「大きな図ですぐわかる はじめての青色申告」 監修:宮原裕一(税理士)