個人事業主必見!白色申告の記帳義務化とは(メリット/デメリット)

最終更新日: 公開日:2013/11/23

監修者:宮原 裕一(税理士)

白色申告は、控除などのメリットは少ないかわりに、青色申告に比べて楽ちんなイメージがあると思います。しかし、平成26年分(2014年1月~)からは白色申告者にも記帳が義務づけられました。


白色申告とは

確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2つの申告制度があります。「青色申告」を選択していない個人事業主が行う確定申告制度を「白色申告」といいます。

白色申告は、儲けを減らす控除などのメリットが少ないかわりに、青色申告に比べてラクなイメージがありますが、平成26年(2014年)1月以降の取引については、事業所得、不動産所得または山林所得を有するすべての白色申告者に対して、記帳と帳簿等の保存が義務付けられました。これが「白色申告の記帳義務化」です。

白色申告のメリット・デメリット

白色申告者は、平成25年(2013年)12月まで、帳簿の作成と帳簿等の保存が義務付けられていませんでした。そのため、帳簿を作らなくても確定申告をすることができました。帳簿作成の手間がかからないことが白色申告の最大のメリットでした。

ただし、平成26年(2014年)1月以降の取引からは、帳簿の作成および帳簿等の保存が義務付けられたことで、帳簿作成に青色申告者とほぼ同じだけの労力がかかるようになり、最大のメリットは無くなったといっていいでしょう。それでも、青色申告に比べて決算書のボリュームが少なく帳簿も簡易で手間がかからない、届出が必要ないなどのメリットもあります。

白色申告のデメリットは、青色申告に比べて節税につながる特典が少ないことです。例えば、青色申告のように所得から差し引く特別控除がありませんし、事業の赤字を翌年以降3年間繰越すこともできません。青色申告の特典は、所得税だけでなく、住民税や健康保険料などにも影響します。これらのメリットとデメリットを比べて、白色申告を選択するかどうか検討する必要があるでしょう。

【参考】青色申告と白色申告の税金を比較 個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション

白色申告者の帳簿

白色申告者も、1月から12月までの期間の帳簿を作成し、保存する必要があります。白色申告の帳簿はかなりシンプルな方法で記帳できますので、家計簿のようなものと思ってかまいません。

白色申告者が必ず保存する帳簿(平成26年1月~)
保存期間
法定帳簿 収入金額や必要経費を記載したもの 7年
任意帳簿 上記以外の業務に関するもの 5年
その他書類 請求書や領収書、納品書や棚卸表など 5年

法定帳簿とは

白色申告者が必ず保存する帳簿です。事業の売上や仕入、経費などを記載した帳簿です。白色申告者が作成する帳簿は、簡易なものでかまわないので、小売業の現金売上などは1日の合計金額をまとめて記載するだけでもよいことになっています。

任意帳簿とは

業務にかかる取引について作成した帳簿で、法定帳簿以外のものをいいます。たとえば売掛帳や固定資産台帳などが該当します。

白色申告と青色申告で作成する帳簿の比較

青色申告で65万円控除を受けるには、複式簿記による帳簿を用意する必要がありますが、白色申告では収入金額や必要経費がきちんと記帳されているだけでかまいません。ただし、記帳にあたっては、数字の基となっている請求書や領収書の整理も必要となってきます。それを考えると実際の手間は簡易簿記を用いる10万円控除の青色申告とそれほど変わりません。

白色申告 青色(10万円控除) 青色(65万円控除)
記入方式 簡易簿記 複式簿記
必要帳簿 法定帳簿
任意帳簿
(簡易帳簿)
現金出納帳
預金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳など
(主要簿)
仕訳帳
総勘定元帳

(補助簿)
現金出納帳
預金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳など
決算書 収支内訳書
(損益計算書)
青色申告決算書
(損益計算書)
青色申告決算書
(損益計算書)
(貸借対照表)

【参考】個人事業主なら覚えておきたい白色申告に必要な記帳の仕方(法定帳簿)

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青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の一番の違いは、税メリットを受けられるかどうかです。青色申告は、帳簿をつける代わりに、税金が安くなる様々な特典が用意されています。

白色申告 青色申告(65万円控除)
帳簿の作成義務 あり あり
帳簿等の保存義務 あり あり
所得税の青色申告承認申請書の提出 なし あり
特別控除の有無 なし 最大65万円を儲けから控除できる
家族への給料 配偶者86万円(最大)、親族50万円(最大)を儲けから控除できる 妥当な金額であれば全額経費にできる
※税務署への届出が必要
損失の繰越し 災害によるものだけ翌年以降3年間繰越しできる 事業の赤字を翌年以降3年間繰越しできる
固定資産となる金額 10万円以上 30万円以上

【参考】青色申告と白色申告の違いと節税効果について
【参考】青色申告と白色申告の税金を比較 個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション

青色申告者になるには

青色申告をするには、事前に税務署に届け出が必要です。確定申告する時期になって、いきなり青色申告はできません。開業日から2か月以内の届出もしくは、白色申告から青色申告に変更するためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。提出が1日でも遅れると、青色申告できるのが1年先に延びるので注意しましょう。

【参考】個人事業主のための青色申告承認申請書の書き方

出典:「大きな図ですぐわかる はじめての青色申告」 監修:宮原裕一(税理士) (C)2014 ASCII MEDIA WORKS

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この記事の監修者

宮原 裕一(税理士)
宮原 裕一(税理士)

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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