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従業員の年末調整、どうすればいい?

最終更新日: 公開日:2016/10/11

執筆者:柳原つつじ

従業員の年末調整、どうすればいい?

従業員を雇っている場合に必ず行わなければならないことの一つが、年末調整です。年末調整とは、簡単に言えば、給与から天引きされている所得税の精算を行うこと。雇用している側が、従業員の年末調整を行うには、どんな作業が必要なのでしょうか。提出書類や源泉徴収票の交付なども含めて、ステップ順に解説していきたいと思います。



POINT
  • 年末調整で必要な書類は4つある
  • 年調年税額と徴収税額を比較して過不足を精算する。
  • 源泉徴収票を作成し、従業員に渡す。

ステップ1:申告書を提出してもらう

年末調整で使用する書類は、下記の4つです。

    ①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    ②給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
    ③給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
    ④給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

    まず①の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、扶養控除や障害者控除などの控除を受けるために必要なものです。年末調整を行うには必ず必要なもので、下記の用紙を事前に配布して、記入してもらったうえで、提出してもらいましょう。

      給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

      「源泉控除対象配偶者」の「所得の見積額」の欄では、配偶者の所得を予測して、見込額を記入しなければなりません。配偶者の所得金額が高い等の理由により源泉控除対象配偶者に該当しない場合、配偶者がいてもこの欄の記入は必要ありません。

      源泉控除対象配偶者に該当するのは、合計所得金額が95万円(給与収入額で150万円)以下の同一生計配偶者でかつ、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合です。

      また、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下、かつ、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が133万円以下である場合、配偶者(特別)控除を受けることができます。その場合は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の「給与所得者の配偶者控除等申告書」欄を記入のうえ提出してもらう必要があります。

      ②の「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」は、基礎控除や配偶者(特別)控除、所得金額調整控除を行うための手続きで、③の「給与所得者の保険料控除申告書」は、生命保険料控除や地震保険料控除などの控除を行うための手続きです。①の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と同様に、あらかじめ各自に配布しておき、提出してもらうようにしましょう。

        給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
        給与所得者の保険料控除申告書

        さらに、従業員が2年目以降の住宅ローン控除をする場合には、記載済の③「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を提出してもらいます。初年度については、確定申告を行ってもらう必要がありますが、その後2年目からは、年末調整で控除の手続きを行います。これは、該当者がそれぞれ税務署から受け取っているものなので、配布する必要はありません。各自から提出してもらうようにしましょう。

        ステップ2:年調年税額を計算しよう

        上記の資料を提出してもらえれば、所得から控除すべき金額(所得控除)、または、税額から控除すべき金額(税額控除)がそれぞれ明らかになるので、各従業員の年末調整計算を行います。そして、年末調整で算出された1年間に納めるべき所得税と、復興特別所得税の額が、従業員がその年に支払うべき税額です。それを「年調年税額」と呼びます。

        計算法の詳細については、国税庁の「令和2年分 年末調整のしかた」をご参照ください。

          【参考】令和2年分 年末調整のしかた

          ステップ3:過不足の精算を行おう

          年調年税額がわかれば、「従業員が1年間で支払った税額の合計額」と比較をして、過不足をチェックします。

          もし、支払った税額の合計額のほうが多ければ、その分、税金を多く収めていたということですから、従業員に還付を行います。逆に、もし、支払った税額の合計額が年調年税額よりも少ないときは、年末調整をする月分の給与から、不足している分を徴収することになります。

          精算後は、年末調整をした月分の「所得税徴収高計算書(納付書)」を記載します。還付したならば「年末調整による超過税額」欄にその金額の記入し、逆に、不足額を徴収したならば「年末調整による不足税額」欄にその金額を記入します。そのうえで、徴収税額を納付するという流れになります。

          ステップ4:源泉徴収票を作成する

          年末調整を行ったら、「給与支払報告書(源泉徴収票)」を作成します。

          従業員には年内最後の給与・賞与支給時に明細と一緒に、源泉徴収票を渡します。

          市区町村に対しては、「給与支払報告書総括表」を添付し、1月末までに源泉徴収票を送付。税務署には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」とともに、やはり1月末までに源泉徴収票を送付します。

          まとめ

          会社員は年末調整があるため、原則的に確定申告を行う必要はありません。逆に言えば、雇用している側は、それだけの作業を行っているということでもあります。

          年に一度の作業ですから、担当者が変わることもあるでしょう。告知の時期も含めて、社内でマニュアルを作成して、正確に行うようにしましょう。

          photo:Thinkstock / Getty Images

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          この記事の執筆者

          柳原つつじ
          柳原つつじ

          出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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