1. 弥生株式会社
  2. クラウド会計ソフト
  3. 経理お役立ち情報
  4. 飲食店や小売店ならではの経理処理

飲食店や小売店ならではの経理処理

2021/03/31更新

この記事の執筆者宮原 裕一(税理士)

飲食店では集客やリピーター創出のために、ポイントカードの加盟店になったり、スタンプカードや大食いチャレンジなどの仕掛けを行うことがありますね。このようなサービスを行った場合、どのように取引を仕訳したらよいのでしょうか。今回は、特に飲食店などで多いこれらのサービスの経理処理について解説します。

【法人向け】人気のおすすめ会計ソフト(クラウド)【弥生会計オンライン】資料ダウンロード

POINT

  • ポイントサービスでの支払いは、会計時の売掛金処理
  • スタンプカードで無料サービスをしたときは、カードを取っておく
  • 大食いチャレンジの賞金などは広告宣伝費

提携ポイントカードのポイントで支払われた場合

自社で発行していないポイントカードサービスと提携しているような場合には、お客さまが貯めたポイントを飲食代の支払いに充てることができますね。このポイントは、あとから提携のカード会社から支払いを受けることができます。
このとき、カード会社から入金されたときに収入とする方もいらっしゃいますが、本来は「売掛金」や「未収金」といった性質のもので、お会計をしたときの収入になります。そして、ポイント分が入金したときには売掛金などの入金として経理することになります。

例:1000円の飲食代のうち、300円がポイントで支払われた
現金 700 / 売上 1,000
売掛金 300 /

例:ポイントで支払われた300円分がカード会社から入金された
預金 300 / 売掛金 300

日常の取引のなかでは現金をもらった分だけ売上としておき、ポイント分が入金されたときにポイント分を売上とする簡便な方法でもよいです。ただし、期末の決算時には期末に未入金となっているポイントについて売掛金として収入を上げる必要があります。

無料お役立ち資料【一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた】をダウンロードする

無料お役立ち資料【はじめての会社経営】をダウンロードする

スタンプカードがたまって1食分を無料にした場合

リピーター販促の一環として、お客さまにご利用いただくごとにスタンプを押して、スタンプカードがいっぱいになったら1食無料というようなサービスを行うことがあります。
この場合、お金をいただかないわけですからレジを打っても打たなくても売上はゼロ円です。しかし、ここで売上が上がっていなかったら、使用した食材などの分だけ見た目の原価率は上がってしまいます。
このような場合には、いったん1食分の売上を計上し、その分を全額値引きした、というように分けて経理してみるのもひとつの手です。

例:1,000円分の飲食代を無料にした
現金 1,000 / 売上 1,000
売上値引 1,000 / 現金 1,000

上記は飲食代1,000円を受け取って、すぐに1,000円値引きしてお金を返したという形になっています。
なお、単に売上を上げないだけの経理でもよいですが、その場合は売上除外を疑われないよう、スタンプカードを取っておくなど、無料サービスをしたことがわかるようにしておきましょう。

大食いチャレンジなどで賞金を出した場合

集客等のイベントとして、「メガ盛り30分で完食したら1万円」などといったチャレンジ企画を行うことがあります。成功したら飲食代無料で1万円の賞金を出し、失敗したらそれ相応の飲食代がかかるというものです。
成功した場合、飲食代無料なのは先ほどのスタンプカードと同じようなことですが、今回はさらに賞金1万円を出すことになります。
この場合は、1万円の支出について、「広告宣伝費」などの科目を使って処理するようにしましょう。

例:大食いチャレンジに成功したお客さまへ1万円の賞金を渡した
広告宣伝費 10,000/ 現金 10,000

なお、広告宣伝のための賞金等を支払うときは、源泉徴収の対象となります。ただし、源泉徴収が必要となるのは賞金等が50万円を超える部分になりますので、大食いチャレンジの賞金程度では通常は該当しない金額かと思います。

まとめ

いかがでしょうか。事業においては新規獲得、リピーター創出の両輪が売上アップの鉄則です。そのためにはさまざまな仕掛けが必要であり、またそのための経理もさまざまです。仕掛けにあわせて経理を工夫すると、その仕掛けの効果を数字として「見える化」することにもつながりますよ。

photo:Getty Images

無料お役立ち資料【一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた】をダウンロードする

無料お役立ち資料【はじめての会社経営】をダウンロードする

会計ソフトなら、日々の帳簿付けや決算書作成もかんたん

日々の帳簿付けと法人決算をスムースに進める大きなポイントが、使い勝手の良い会計ソフトを選ぶこと。そんなときにおすすめなのが、弥生のクラウド会計ソフト「弥生会計 オンライン」です。

「弥生会計 オンライン」は、初めて会計ソフトを導入する方でもかんたんに使える、クラウド会計ソフトです。初年度無料ですべての機能が使用できるので、気軽にお試しいただけます。

簿記・会計の知識がなくても使える機能と画面設計

「弥生会計 オンライン」は、簿記や会計の知識がなくても使える機能と画面設計で、初めて会計ソフトを使う方でも安心です。取引の日付や金額などを入力するだけで、小規模法人に必要な複式簿記帳簿が自動作成できます。

また、日々入力したデータは顧問の税理士・会計事務所(※弥生PAP会員の税理士・会計事務所)とクラウド上で共有できます。受け渡しの手間が省けて効率的です。

銀行明細、クレジットカードなどの取引データを自動で取込できる

「弥生会計 オンライン」を使えば、銀行明細やクレジットカードなどの取引データの他、レシートや領収書のスキャンデータ、スマートフォンアプリで撮影したデータを自動で取り込み、自動で仕訳することができます。金融機関からダウンロードした取引明細や帳簿、ご自身で作成したCSV形式のファイルを取り込むこともできるため、入力と仕訳の手間を省くことが可能です。また、スマートフォンから直接入力もでき、出先や移動中の時間を効率良く使えます。

日々の取引を自動で集計でき、見やすいレポートで管理できる

「弥生会計 オンライン」を使えば、入力したデータをもとに日々の取引を自動で集計し、さまざまなレポートを自動で作成することができます。わかりやすいグラフレポートをいつでも確認可能なため、経営成績がひと目で把握できます。

初心者でも安心!カスタマーセンターがしっかりサポート

業界に精通した専門スタッフが、電話、メールでの操作サポートに加え、仕訳や経理業務の相談にもお応えします。製品の操作が不安な方や会計の業務が苦手な方でも、充実のサポートで安心してお使いいただけます。

  • カスタマーセンターによるサポートは、「サポート付きプラン(ベーシックプラン)」が対象です。

【無料】お役立ち資料ダウンロード

一人でも乗り越えられる会計業務のはじめかた

起業したての方におすすめ。
日々の帳簿付けから決算まで、これひとつですぐわかる!
全34ページで充実の内容です。

この記事の執筆者宮原 裕一(税理士)

宮原裕一税理士事務所新規タブで開く」代表税理士。弥生認定インストラクター。
弥生会計を20年使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。経営者のサポートメンバーとして会計事務所を営む一方、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

初心者事業のお悩み解決

日々の業務に役立つ弥生のオリジナルコンテンツや、事業を開始・継続するためのサポートツールを無料でお届けします。

  • お役立ち情報

    正しい基礎知識や法令改正の最新情報を専門家がわかりやすくご紹介します。

  • 無料のお役立ちツール

    会社設立や税理士紹介などを弥生が無料でサポートします。

  • 虎の巻

    個人事業主・法人の基本業務をまとめた、シンプルガイドです。

事業のお悩み解決はこちら