年末調整の時期こそ知っておきたい! 「扶養控除」の基礎知識

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年末調整の時期こそ知っておきたい! 「扶養控除」の基礎知識

まもなく年末調整の季節です。給与所得者、つまり、サラリーマンの多くは、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了します。そのため、確定申告を行う必要がないのですが、会社から渡される年末調整の書類で「扶養控除」について届出を行うことになります。扶養家族とは何か。簡単そうですが、意外と誤解が多いので、説明していきたいと思います。


POINT
  • 扶養控除と配偶者控除は別物で、配偶者は税法上の「扶養家族」には含まれない
  • 扶養控除を受けるひとつの要件である「納税者と生計を一にしていること」は、同居とイコールではない
  • 扶養控除の額は、扶養家族の年齢などによって異なる

扶養控除を受けられるのは誰?

会社員の夫を持つ専業主婦や、その子供など、家族の誰かに収入面において支えられている人のことを「扶養家族」と呼びます。一定の要件を満たす扶養家族ならば、健康保険料を収めずに、健康保険の給付を受けることが可能です。

しかし、それは健康保険法上の話で、所得税法上では、「扶養家族」の定義が異なります。もし、納税者に扶養家族がいた場合、一定の金額の所得控除を受けることができます。

しかし、扶養家族の対象となるには、下記の4つの要件をすべて満たさなければなりません。

  1. 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいう)、または、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること
     (※給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  4. 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または、白色申告者の事業専従者でないこと

(1)を見て驚いた方もいるかもしれません。所得税法の扶養家族には、配偶者が含まれていないのです。配偶者が受けられるのは「配偶者控除」であり、扶養控除とは、また別になります。ここは間違えやすいところなので、押さえておきましょう。

同居してなきゃダメ?

次に多い誤解が、「扶養家族=同居している人」というものです。

上記の「(2)納税者と生計を一にしていること」を満たしていればいいわけですから、必ずしも同居が条件ではありません。仕送りをしている大学生をイメージすれば、分かりますよね。

ただし、「(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること (給与のみの場合は給与収入が103万円以下)」とありますように、収入でいうと103万円、所得でいうと38万円を超えると扶養家族から外れることになります。

しかし、学生の場合、103万円以上の収入で、ただちに所得税が発生するわけでありません。「勤労学生控除」として、27万円の控除が受けられるため、「103万+27万円」で130万円までは、所得として計算されないことになります。

扶養控除で差し引かれる金額は?

扶養控除では、いくら差し引かれることになるのでしょうか。それは、扶養親族の年齢や、同居の有無などによって変わってきます。

基本は、38万円が控除されることになりますが、19歳以上23歳未満の扶養家族については「特定扶養親族」とされ、63万円が控除されます。

そのほか、70歳以上の扶養家族は「老人扶養家族」と呼ばれ、別居の場合は48万円、同居の場合は58万円が原則的には、控除されます。

扶養家族のいる人は、いくら控除が受けられるのかを確認したうえで、年末調整を行うと、また書類を見る目が変わるかもしれません。

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photo:Getty Images

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この記事の執筆者

柳原つつじ
柳原つつじ

出版社勤務を経て、フリーエディター、コラムニスト。歴史、伝記・評伝、経営、書評、ITなどを得意ジャンルとして、別名義で著作多数。ここでは、脱サラフリーランスならではの視点で、お役立ち情報をお届けしたいと思います。

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