法定調書合計表ってなに?

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法定調書合計表ってなに?

給与の支払いをしている事業者には、10月に入ると年末調整関係の書類が税務署から送付されます。そのなかに、「法定調書合計表」というものが入っている場合があります。記入する欄もたくさんありますし、見慣れない書類に戸惑うことかと思います。
今回は、法定調書合計表について解説していきます。


POINT
  • 法定調書合計表は、給与所得の源泉徴収票など6種類の法定調書をとりまとめる表紙のようなもの
  • 法定調書は支払総額などでそれぞれに提出範囲があるため、基準を確認する必要がある
  • 法定調書のマイナンバーは税務署へ出す場合だけ記載し、本人交付用には記載しない

法定調書合計表とは

みなさんが給与や報酬を受ける立場の場合、給与を受けている方であれば「給与所得の源泉徴収票」が必ず渡されますし、原稿料などの報酬を受けている方は、ときにより「報酬・料金等の支払調書」が送られてくることがありますね。これらの源泉徴収票や支払調書は法定調書と呼ばれ、その支払いをする側では税務署への提出が義務付けられているものです。
さて、ここからは支払いをする立場でのお話となります。法定調書は平成29年4月時点で、じつに59種類あります。そのなかで、のちほど紹介する6種類の法定調書は、支払が確定した年の翌年1月31日までに取りまとめて税務署に提出しなければなりません。その法定調書の束をA4の用紙1枚に集計して表紙になるのが「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」なのです。

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法定調書合計表は、その法定調書の種類ごとに延べ人数と支払金額、源泉徴収税額などの総額を記載し、そのうち税務署へ提出する分の合計を記載する様式となっています。つまり、法定調書はそのすべてを提出するのではなく、提出する範囲が決められています。「給与所得の源泉徴収票」ひとつをとっても、年末調整をした人・しない人、役員である人・ない人などの区分別に、支払金額がいくら以上など、その範囲はかなり細かく規定されていますから、税務署で配布している作成の手引きなどを確認するようにしましょう。

法定調書の種類

それでは、法定調書合計表でとりまとめる6種類の法定調書について、説明しましょう。

1.給与所得の源泉徴収票

給料、賃金、賞与など給与所得に該当する支払いをする場合に、その人に対して1年間に支払う給与の総額や、源泉徴収税額、社会保険料控除などの所得控除に関する情報などを記載するものです。法定調書合計表では、この源泉徴収票の集計作業が一番多くなるでしょう。年末調整をした一般の従業員等であれば支払金額が500万円を超えるものなど、提出範囲が複雑になっていますので注意しましょう。

2.退職所得の源泉徴収票

退職金など、退職所得に該当する支払いをする場合に、その人に対して支給した退職手当等の金額や、退職所得控除額(在職年数に応じた控除があります)などを記載するものです。法人の役員に対して支払う退職手当等が提出範囲となります。

3.報酬、料金、契約金および賞金の支払調書

原稿料・講演料などや弁護士報酬・税理士報酬などのように、源泉徴収の対象となる報酬・料金等の支払いをする場合に、その人に対して支給した1年間の報酬等の総額や源泉徴収税額などを記載するものです。基本的には年間5万円を超える報酬が提出範囲となりますが、外交員報酬や馬主が受ける競馬の賞金など、金額が異なるものもありますので確認してみましょう。

4.不動産の使用料等の支払調書

不動産などの賃借料を支払った場合に作成するものです。家賃や地代、権利金や更新料などがイメージしやすいでしょう。面白いのは、船舶(総トン数20トン以上)や航空機の借受けも含まれることです。この法定調書を提出する必要があるのは法人か一定の不動産業者である個人に限られます。提出範囲は1年間の使用料の支払いが15万円を超えるものです。

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産の使用料等の支払調書は不動産等を借りる場合でしたが、こちらは不動産等を譲り受けた場合に作成するものです。なお、譲受けにあたってあっせん手数料を支払った場合に、「あっせんをした者」欄に記載することで、次の「あっせん手数料の支払調書」の提出を省略することができます。この法定調書を提出する必要があるのは、法人か一定の不動産業者である個人に限られます。提出範囲は1年間の支払金額が100万円を超えるものです。

6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産等の売買や貸付けのあっせん手数料を支払った場合に作成するものです。上記の「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の「あっせんをした者」欄に記載することで、この支払調書の提出を省略することができます。この法定調書を提出する必要があるのは、法人か一定の不動産業者である個人に限られます。提出範囲は1年間の支払金額が15万円を超えるものです。

マイナンバーでの注意点

さて、これらの法定調書を提出する際には、提出する個人・法人である自分のマイナンバー・法人番号と、支払先のマイナンバーか法人番号を記載する必要があります。支払先が個人である場合にマイナンバーの提供を受けるときには、本人確認のために番号確認と身元確認を行う必要があります。支払先が法人である場合には、国税庁の法人番号公表サイトで確認することも可能です。
法定調書で注意しておきたいことは、マイナンバーを記載するのは税務署へ提出する分だけだということです。特に、給与所得や退職所得の源泉徴収票は本人に交付する義務がありますが、本人交付用であってもマイナンバーは記載しないことに注意してください。
また、法定調書によっては不動産の貸主などマイナンバーが取得しづらいケースもあります。そのような場合でも、少なくともマイナンバーの提供は義務であることを相手先に伝え、それでも集まらない場合はその旨を記録に残しておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。法定調書合計表に集計する法定調書にはさまざまな種類がありますが、どのような支払いが法定調書に該当するのかを押さえておけば、準備はしやすいと思います。会計ソフトをお使いでしたら、例えば地代家賃であれば集計しやすいように相手先ごとに補助科目をつけておくなどするとよいですね。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮原裕一
宮原裕一

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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