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売上がいくらになったら青色申告したらいい? 税理士さんに聞いてみた

最終更新日: 公開日:2018/01/19

執筆者:安田博勇

税理士・宮原裕一先生が解説! 青色申告にしないことに、メリットはあるのか?

記事「白色申告から青色申告へのハードルはなかった? みんなの確定申告の実態調査!」によると「売上規模がそれほど大きくないから」といった理由で、青色申告にしていない白色申告者が一定数いるのだとか。私は青色申告者であり、また「やよいの青色申告 オンライン」のユーザーです。これまでに3回、青色申告を行いました。青色申告メリットは十分に感じているのですが、アンケート調査の結果を聞くと本当にメリットがあったのかなんて不安に感じてしまう面も……。そこで税理士・宮原裕一先生に、売上規模で青色申告にするしないに違いがあるのか?いくらだったらいいのか?青色申告にしないことでなにかメリットはあるのか? 率直なご意見をうかがってきました。



青色・白色の選択は本当に事業規模に関係する?

安田

フリーランスとして編集・ライター業をしている安田と申します。私も個人事業主で、事業開始をして間もなく青色申告に切り替えています。しかし確定申告をする人の中には白色申告の方もけっこういるのだとか......。

宮原

国税庁の統計を見ると、青色申告の方はだいたい半分くらいだったのが、白色申告の記帳が義務化されるようになってから徐々に増えてきました。平成28年分の青色申告の方は6割超えたようですね(※)。

(※)国税庁:平成28年度の統計情報 申告所得税資料から、事業者所得者と不動産所得者の合計に対する青色申告者の割合で、算出した場合

安田

実際、宮原先生もまだ白色申告者が多いと感じますか?

宮原

仕事上で白色申告者に巡り合う機会は少ないですが、確定申告の時期に税理士会が開く無料相談などに行くとお見かけすることはあります。やはり私も「もったいないなぁ」なんて思ってしまいますよね。

安田

青色申告が本当に得なのか、あるいは「青色にしない」(白色のままでいる)ことにメリットはあるのか。そのあたりが今日うかがいたいテーマです。よろしくお願いします!

宮原

なんでも質問してください!

安田

まず「白色申告から青色申告へのハードルはなかった? みんなの確定申告の実態調査!」にあるアンケートの結果では、青色申告にしない理由として「赤字または所得が少ない」「青色申告をするほどの事業規模ではない」が上位を占めました。要は「事業規模」を理由にしているのですが、白色・青色の選択に、事業規模って関係するんですか?

宮原

少なくとも「事業規模が小さければ白色申告のほうが......」なんて根拠はありません。私は、そうした回答者さんの本音も結局は「記帳が面倒」ってことだと思うんですよ。

安田

どういうことでしょう?

宮原

つまり、白色より青色のほうが節税効果のあることはわかっている。でも自分の事業所得からすると課税対象が小さい分、還付金の見返りは小さい......。その見返りに比べれば「帳簿付けが面倒」......そんな事業者が多いのでは。

安田

なるほど。たしかに帳簿付けって最初は不安でした。
アンケートの3位も「複式簿記での帳簿付けが難しそう/手間がかかりそうなため」ですね。

宮原

開業したばかりで税務署へ届け出に行くと、記帳指導がまとめられたパンフレットなんかが置かれていて、たいていそこには手書きのやり方が書いてある。それを読んで「あ〜、面倒くさそう!」って(笑)。

安田

私はほとんど最初から会計ソフト派ですが、やはり紙での帳簿付けって大変なんですか?

宮原

65万円の青色申告特別控除を受けるには、借方・貸方を使った複式簿記でなければいけません。とすると一概に「簡単だよ」とは言えませんよね。

安田

私も紙の帳簿なんて到底つけられません。

宮原

手書きだと、なにか1つの項目が抜け落ちていれば後々計算が合わなくなったり......。そんなイメージも、青色申告が敬遠される要因になっているかもしれませんね。

副業・兼業者にとっての青色申告

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安田

少しテーマが逸れるのですが、今、「働き方改革」として会社員の方たちの間にも徐々に副業・兼業の普及促進が進んでいますよね。

宮原

そうですね〜。

安田

ハンドメイド品等のネット販売から、ブロガー、YouTuber、アフィリエイターといった活動まで、給与所得者による副業・兼業の職域も広がっているように感じます。これからはこうした方々も青色申告と無関係ではなくなる?

宮原

ただご注意いただきたいのは、青色・白色ということ以前に、それが「事業所得」なのか「雑所得」なのか、その線引きの問題があるということです。

安田

それはつまり?

宮原

事業所得であるかどうかは「独立性」「営利性・有償性」「反復性・継続性」といったことなどから総合的に判断するのですが、たんに給与所得者が片手間でやっている商売は、雑所得とされる可能性があります。

安田

本人が「事業所得」だと主張して開業し、青色申告をしていても、申告後に認められないこともあり得る?

宮原

そうです。その場合、その方の副業・兼業は「雑所得」。そして雑所得は青色の特典は受けられない......。

安田

すんなりとはいかないものなんですね。

宮原

業種・職種もさまざまで、正直なところ、きちんと明文化されるまでには至っていません。あくまでケースバイケースで対応されているのが実状なんです。

「開業したてで赤字や事業収入が少ない方こそ青色にしたほうがいい、そう断言できます。」

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安田

再び個人事業主の青色申告の話に戻るのですが、以前試算してみたところ、年収500万円(所得350万円)の人が白色→青色に切り替えた場合、住民税・健康保険も合わせると年間20万円くらいの節税を生むことがわかりました。

宮原

なかなか大きな額ですよね。

安田

年収500万円でもそれだけ節税効果がある。では、これが例えば年収300万円とか事業規模が小さくても、青色にしたほうがいいですか?

宮原

事業収入が少ない方こそ青色にしたほうがいい、そう断言できます。その根拠となるのが「純損失の繰越控除」です。

安田

......どんな制度でしたっけ?

宮原

赤字になった年があっても、その分を3年間繰り越せます。

安田

......。

宮原

わかりやすく説明しましょうか。例えば、開業1年目に300万円の赤字、2年目に100万円の赤字が出て、3年目に100万円黒字だった場合。1年目の赤字のうちの「−100万円」と、3年目の黒字「+100万円」を相殺できます。

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安田

1年目は赤字なのでもちろん所得税額ゼロ。相殺された3年目も黒字が相殺され、所得税額がゼロになる?

宮原

そのとおりです。4年目までは1年目の繰越分が200万円残っているような状態なので、たとえば4年目が「+150万円」の黒字ならこれも相殺し、4年目の所得税額もゼロ。これは白色にはないメリットの1つです。

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この記事の執筆者

安田博勇
安田博勇

1977年生まれ。大学卒業後に就職した建設系企業で施工管理&建物管理に従事するも5年間勤めてから退職。出版・編集系の専門学校に通った後、2006年に都内の編集プロダクションに転職。以降いくつかのプロダクションに在籍しながら、企業系広報誌、雑誌、書籍等で、編集や執筆を担当する。現在、フリーランスとして活動中。

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