【青色申告】備付帳簿の説明と書き方・「現金出納帳」について知ろう

公開日:

執筆者:宮原裕一

備付帳簿の説明と書き方・「現金出納帳」の書き方・見方について知ろう

確定申告で青色申告をするためには一定水準の帳簿をつけて、その帳簿に基づいて所得(儲け)や税額を計算することが必要です。また、それらの帳簿は7年間の保存義務があります。さて、複式簿記と呼ばれるこの帳簿類とはどのようなもので、どのように記載したらよいのでしょうか。

最大で65万円の控除が受けられる青色申告に必要な備付帳簿(そなえつけちょうぼ)には、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳の8つがありますが、今回は、事業用の現金の入出金を日付順に記入していく現金出納帳(げんきんすいとうちょう)について解説していきます。

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POINT
  • 現金出納帳とは、事業用の現金の入出金を日付順に記入していく帳簿
  • 現金出納帳をつけることで、その事業についてのお金の透明性が高まる
  • 現金出納帳の具体的な書き方について知っておこう

現金出納帳とは? この帳簿で何がわかる?

現金出納帳とは、事業用の現金の入出金を日付順に記入していく帳簿です。お金の動きを記録する、いわばお小遣い帳のようなもので、日々の入金がどのくらいあり、そのお金をどうしたか、何に使ったかを追うことができます。

預金通帳と違って、現金は入出金が勝手に記録されませんから、現金出納帳をつけることで、その事業についてのお金の透明性が高まります。また、日常的に出納帳をつけることで、出納帳上で計算される現金残高と実際の現金残高とを突き合わせてチェックすることができるので、売上や経費のつけもれの発見にも役立ちます。

【参考記事】
青色申告に必要な帳簿(複式簿記)のつけ方と帳簿・領収書の保存期間

現金出納帳の項目

帳簿の様式には絶対的な規則がないため、単純に入出金を記載するものから、簿記検定に出てくるような複雑なものまで、さまざまなものがあります。文具店などでも何種類か販売されていますし、インターネットでもテンプレートが上げられていたりします。

【参考記事】
白色申告・青色申告の帳簿を作るときの注意点(無料エクセルテンプレート付き)

現金出納帳は少なくとも「日付(いつ)」「金額(いくら)」「摘要(何に)」「残高(いくら残っているか)」という取引の記録に必要な4つの項目を記入するようになっています。

さらに、取引を分類するための「勘定科目」、特定の勘定科目だけすぐに集計できるように列を追加する「特別欄」、他の帳簿とのつながりを示すための「元丁欄」など、項目の多い複雑な様式もあります。それでは、いくつか出納帳の様式を見てみましょう。

様式1

現金出納帳

見た目もほぼ「お小遣い帳」で、もっともシンプルな様式です。帳簿づけはラクですが、現金の動きと残高がわかる程度の帳簿ですから、これをもとに勘定科目ごとに内容を集計していくのは大変です。

様式2

現金出納帳

様式1に摘要欄から勘定科目を独立させ、さらに「現金売上」と「現金仕入」を出納帳だけで集計できるように特別欄として独立させたもの。最大10万円の青色申告特別控除が受けられる簡易帳簿では、「現金売上」と「現金仕入」は、経費帳などの他の帳簿に出てこないものなので、独立させることによって最終的な損益計算書への集計がラクになります。

現金出納帳の書き方・作り方

それでは先ほど見た様式1を例として、具体的な記入のしかたを見てみましょう。

現金出納帳

  • ① 「前月繰越(前年繰越)」の残高を、「入金」欄と「残高」欄に記入してスタート
  • ② 毎日の取引に基づいて、日付・摘要・入出金の区別をして記入し、都度現金残高を計算する。ここでは記入にあたってのいくつかの注意点がありますので説明しておきます
    • 小売店や飲食店など、日々の売上が大量にあるような場合は、1日の総額をまとめて記載することができます
    • 現金出納帳では経費ごとの集計は難しいので、経費の支払いがあったときは別途経費帳にも記入するようにしましょう
    • 事業用の現金をプライベートに使った場合やプライベートのお金を事業用に補充した場合などは摘要に「事業主」と記載しましょう
  • ③ 毎月末などの締日では、入金・出金それぞれの合計を集計し、(入金合計-出金合計)が月末の現金残高と一致しているかを確認します
  • ④ 月末残高を「次月繰越」として、翌月初日に繰越額を「前月繰越」として記入してスタート。これの繰り返しになります

まとめ

いかがでしょうか。
これまで見てきたとおり現金出納帳の様式もさまざまです。簡単なものであれば帳簿づけはラクでも集計が大変、複雑なものだと集計はしやすいが帳簿づけが難しくミスが出やすいなどと、それぞれ長短あるところです。

また、「やよいの青色申告 オンライン」などの申告ソフトを使用することで、現金出納帳など主要簿を自動的に複式簿記へと変換してくれるので、難しく思われる複式簿記もそこまで意識せずに帳簿づけが出来ます。
自分に合ったレベルのものを使ってみるとよいでしょう。

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photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮原裕一
宮原裕一

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。

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