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Zoom飲みは経費にできる?在宅業務が増えた個人事業主の確定申告の疑問、税理士に聞いてみた

公開日:

執筆者:宮原 裕一(税理士)

Zoom飲みの費用は経費にできる?在宅業務が増えた個人事業主のリモートワークの経費の疑問、税理士に聞いてみた

コロナ禍で、個人事業主やフリーランスの中には、業務委託先での仕事が在宅になったり、インタビュー取材や取引先との打ち合わせがすべてオンラインになったなど、リモートワークの機会が増加した方も多いでしょう。今回はリモートワークにかかる個人事業主の経費はどのように取り扱うのか解説します。



POINT
  • 在宅業務でも、外での仕事と同じように経費を考える
  • 家の中での経費は家事按分が必要かどうかを考える
  • 事業に関係ない支出や家事按分の生活部分は「事業主貸」を使う
目次

リモートワークの経費として認められるものと認められないもの

家で仕事をすることが増えてもさまざまな支出が出てきます。これらをどのように考えたらよいか、基本的なことを説明してから、具体的な例を見ていきましょう。

そもそも経費ってどんなもの?

リモートワークを考える前に、そもそも経費とは何かをおさえておきましょう。経理では「必要経費」という言葉を使いますが、これは文字通り、あなたの事業に必要なものに支払った経費かどうかがポイントになるということです。

個人事業主の申告で事業に必要な経費とは、次の2つです。

  • その売上に対応する仕入や、販売に直接必要だったもの
  • その年にかかった、事業を行っていくために必要な家賃や通信費などの一般経費

そして、個人事業主が自宅で仕事をする場合、家賃や電気代などの経費には、事業と生活の両方で使用するものが多くあります。これらは、事業にかかる部分の割合を設定して、適正に区分して経費にする必要があります。このことを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。

コロナ禍でリモートワークが増えた個人事業主の経費の疑問と仕訳例

それでは、具体的な例を挙げて考えてみましょう。なお、この判断は筆者の考えによるものです。上述のとおり、同じ内容でも業種や状況などによって経費になる・ならないの判断が異なることもありますので、不明なことがあれば、顧問税理士さんや税務署、青色申告会などの専門家に確認や相談をすることをお勧めします。

仕訳に関しましては、青色申告の最大65万円控除を想定して、複式簿記での仕訳例を紹介しますが、10万円控除や白色申告の方は「○○費を使うんだな」という理解で結構です。

光熱費にネット利用料、自宅での仕事が増えた場合の家事按分の考え方

これまでは委託先へ出向いて仕事をしていたのが、リモートワークになって家で仕事をする時間が増えたというのはよく聞きます。そうすると、これまで申告していた家事按分の割合を変えてはいけないのか?という疑問がわくことでしょう。

たとえば、リモートワークが増えたから、今まで家事按分で電気代30%だったものが、70%に増やせるかと言いますと、これまでとは状況が違うわけですから、家事按分の割合を変更することは当然に認められます。もちろん、その変更についての根拠はしっかりとたてておきましょう。次に具体的な例と仕訳例を見ていきましょう。

・パソコンや照明を使う場合の電気代
在宅での業務が多くなれば、パソコンを使用して仕事をする割合も増えるかもしれません。そのパソコンを動かすにも、照明を使うにも電気が必要ですから、電気代は事業を行うのに必要な経費であると言えますね。

もちろん、電気代は基本的に家全体にかかるものですから、生活で使う電気と仕事で使う電気を、使用時間や消費電力など、何らかの基準でおよその割合を考えて家事按分する必要があります。

4割で電気代を家事按分し、残り6割は生活部分として事業主貸とする場合、次のような仕訳例となります。

(例)今月の電気代の引き落としは10,000円で、パソコンや照明、空調のために4割かかっている

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
水道光熱費4,000普通預金10,000
事業主貸6,000

・インターネット回線の費用や電話代
リモートワークには、外部とのやりとりのためにインターネットや電話の使用は必須です。とはいえ、ネットや電話は私的なことでも使うものです。事業専用の別回線を引いているならともかく、使用時間や通話時間を基準とした家事按分は必要になってくるでしょう。コロナ禍で特定期間リモートが増えた場合、今月は9割事業用でインターネットを使用しましたということもあるでしょう。その場合、仕訳例は次のようになります。

(例)今月のインターネット代4,000円は、9割がた事業で使用している

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
通信費3,600普通預金4,000
事業主貸400

・業務時間内の水分補給やトイレなどに使う水道代
一般的に事務所などでも飲料水やトイレなど、水道は使用するものですね。仕事をしている間に水分補給をしたりトイレに行ったりということは、普通のことだと思います。ですから、水道代のうち事業にかかる部分は必要経費です。なお、自宅の水道代の多くを占めるのは、お風呂や洗濯など生活用水ですから家事按分の割合には気をつけましょう。

また、自宅兼お教室などをコロナ禍で一時教室を閉めていた場合であっても、すぐに事業を再開できる状態を保っているのであれば、売上がなくても支出が出てしまう「固定費」のくくりとなりますから、必要経費となるでしょう。

リモートワークで水道代の家事按分は次のような仕訳が考えられます。

(例)今月の水道代6,000円のうち、業務時間内の利用は2割かかっている

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
水道光熱費1,200普通預金6,000
事業主貸4,800

他にも、例えば、普段は出張先で料理を作るフードコーディネーターが、自宅で調理したり、メニュー開発を行ったり、オンラインで料理教室を開催するなどなら、料理などに使用した水道代などは経費として計上することはできるでしょう。

飲食業など水を普段から使用する業種ではない限り、水道代を経費として計上することは少ないかと思います。なお、そもそも事業用に店舗や事務所を借りていれば、そこにかかる経費は、水道代とはいえ、事業用の経費として認められます。

自宅で仕事する環境を整えた場合、経費として認められるもの

フリーランスの取材記者の方や客先での常駐がなくなったシステムエンジニアの方の中には、自宅での仕事がしやすくなるように環境を整えた場合も多いでしょう。具体的に事例と仕訳を見ていきましょう。

・サブモニターの購入費
例えばオンラインで打ち合わせながら手元の資料データを見るなどするときに、ひとつの画面では情報が収まらないことが多々あります。そうすると、マルチモニター環境が必要になり、サブモニターを購入することもあるでしょう。これも、仕事に伴って購入するものですから、事業を行うのに必要な経費であると言えます。

この場合、「消耗品費」として経費計上します。次が仕訳例です。10万円未満の備品は消耗品費で購入時の経費とします。

(例)サブモニター30,000円を現金で購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費30,000現金30,000

・ずっと座りっぱなしでつらいので仕事用の椅子を買い替えた場合の家具代
リモートワークはデスクワークが中心になります。そうすると椅子の使用は欠かせませんね。今使っている椅子では仕事に支障をきたすため、仕事に適した椅子へ買い替えるのは、事業を行うのに必要な経費と言えます。事業で必要なものである限り、値段に上限はありませんが、10万円を超えたら、減価償却を考えましょう。

(例)仕事用の椅子15,000円を現金で購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費15,000現金15,000

・仕事に使う文房具などの備品を整理する棚や収納ケースなど
仕事に使う文房具は当然のことながら事業を行うのに必要な経費です。仕事に使う文房具などの備品を整理する棚や収納ケースなどの備品も、仕事で使用するならば事業を行うのに必要な経費です。

(例)仕事に使う整理棚8,000円を現金で購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費8,000現金8,000

ただし、その備品が一組10万円を超えるようなものである場合、購入時は経費とはなりません。「減価償却(げんかしょうきゃく)」といって、種類ごとに決められた年数に分けて経費化していくことになります。なお、後でふれますが、青色申告の場合には一組30万円未満のものはその年の経費とすることができる「少額減価償却資産の特例」があります。

・長い打ち合わせのために注文した宅配ピザの料金
打ち合わせが長引き、食事の時間にかかってしまい、打ち合わせしながら食事をとるというのはよくある話です。それがリモートワークの場合ですと、自宅での打ち合わせの合間で宅配ピザを頼むといったことになるときもあるでしょう。これは、場所が変わっただけで状況は同じですので、リモートワークでの会議や打ち合わせに際して頼んだ食事は事業を行うのに必要な経費と言えます。

しかし、食事は仕事でなくても生きていくうえで必要なものですよね。このような支出が頻繁に出てくると、本当に打ち合わせなのか?相手もなしに単に食事をしただけなのではないか?と勘繰りたくもなるものです。

このような支出を経費とする場合には、相手が誰であったか、どのような打ち合わせだったかも明確にしておくのが重要です。打ち合わせをしていれば、何かしらの記録は残るはずです。

打ち合わせでの食事代は会議費などとし、次のように仕訳をします。

(例)打ち合わせに際して宅配ピザ2,500円を頼んだ

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
会議費2,500現金2,500

・仕事を兼ねたZoom飲みの費用(缶ビールやおつまみ、惣菜など)
上記と重複しますが、アルコールが入ると経費にならないのではと思われる方もいるでしょう。しかし、取引先との円滑な関係を築くため、オンライン飲み会などを開くのは、外での飲み会と何ら変わりはありません。ですので、仕事に必要な限りはオンライン飲み会も経費といえるでしょう。

やはり、この飲み会についても仕事に必要かどうかがポイントになるので、メンバーが誰であったかは記録を残しておきましょう。

仕訳例は次のようになります。取引先との関係性を築くための飲み会は交際費とします。

(例)取引先とオンライン飲み会を開き、缶ビールやおつまみ2,000円を購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
交際費2,000現金2,000

・運動不足になったので自宅トレーニング器具を購入した場合
「リモートワークで外を出歩くこともなくなったため、運動不足になってしまった」「健康のためにトレーニング器具を購入した......これは事業に必要でしょうか?確かに運動不足の原因はリモートワークへの転換によるものでしょうが、健康のためというのは自己管理の話だと思います。例えばサラリーマンが在宅勤務になった場合に、トレーニング器具を経費精算に出せるでしょうか?(会社側から福利厚生の一環として支給することはあるかもしれませんが)。

事業に関係ない支出を記帳する場合は、事業主貸を使用します。仕訳は次のようになります。

(例)運動不足になったので、腹筋マシーン20,000円を購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸20,000現金20,000

なお、白色申告など現金や預金の動きを記帳しない場合は、そもそも帳簿づけに入れません。

なお、リモートワークのケースは経費でないと思いますが、例えばアスリートやスポーツトレーナーなどは、自分の体を作ることが仕事です。このような方々がトレーニング器具を購入するのは、事業に必要な経費といえるでしょう。

オンラインレッスンを始めた場合に経費として認められるもの

料理や語学、ヨガなど、教室やジムでレッスンをされていた方の中には、コロナ禍で、オンライン授業やレッスンの動画配信を始めた方もいらっしゃるでしょう。先程解説しました、インターネット回線の費用は事業経費として計上できますが、他にも次のようなものが必要経費だと言えます。具体的に該当するものと仕訳例を見ていきましょう。

・カメラなど機材を購入した場合
(例)レッスン動画配信のためにカメラ15万円をクレジットカードで購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
工具器具備品150,000未払金150,000

レッスン動画を配信するために事業のみで使用する機材を購入した場合は、必要経費となりますが、一組が10万円を超えるものは減価償却となるため、いったん備品として計上しておきます。決算時にはそれぞれの耐用年数に応じた減価償却費を計上することで費用化していきます。

(例)上記カメラにつき、青色申告のため決算時に全額を減価償却費とする

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
減価償却費150,000工具器具備品150,000

青色申告の場合、一組30万円未満のものであれば、少額減価償却資産の特例でその年に全額を必要経費とすることができます。

・機材の「保険料」
(例)機材の事故に備えて保険料3,000円を支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
保険料3,000現金3,000

大切な機材を倒して破損してしまった場合などには、多額の修理代がかかります。事業で使用する機材の損失に備えるための保険料は必要経費と言えますね。

・機材の「修繕費」
(例)カメラの修理代5万円を支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
修繕費50,000現金50,000

事業で使用する機材が故障してしまった場合、直さないことには仕事ができません。機材の修理代は必要経費と言えますね。

・撮影でのスタジオ代(自宅でレッスンを実施するには騒がしい、ヨガなどの場合、近所迷惑になってしまうので、別の場所で撮影をしたケースなど)
(例)レッスン動画配信のために、スタジオを借り、代金2万円を支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
賃借料20,000現金20,000

レッスン動画を撮影するためには場所が必要です。事業で使用するスタジオ代は必要経費と言えますね。勘定科目を賃借料としていますが、例えば「スタジオ代」など、自分でわかりやすい科目を作ってしまっても構いません。

・撮影で使った小道具
(例)ヨガなどのレッスン動画配信で雰囲気を演出するため、ランプシェードや観葉植物など5万円をクレジットカードで購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費50,000未払金50,000

映像の雰囲気を演出するために小道具を購入するのは、必要経費と言えますね。

・映像の編集費用(動画ソフトや、外付けHDDなど)
(例)レッスン動画編集のために購入した動画ソフトのサブスクリプション費月額5,000円が引き落とされた

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費5,000普通預金5,000

レッスン動画の編集に必要なソフトの料金は、必要経費と言えますね。

なお、ライセンス買い切り型のソフトなどで10万円を超えるものは、「ソフトウェア」として減価償却を検討する必要がありますので注意しましょう。

・機材や小道具置き場として家賃の家事按分
(例)自宅兼事務所として使用している家賃8万円のうち、事務所として使用している部分4万円のほか、レッスン動画のために使用する機材置き場が部屋の1割を占めている。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
地代家賃40,000普通預金80,000
地代家賃8,000
事業主貸32,000

自宅兼事務所の家賃の場合、家賃のうち事業で使用している割合に応じた金額が必要経費となります。機材置き場のように、事業でのみ使用する部分については、必要経費と言えますね。

なお、仕訳例ではわかりやすくするため、事務所部分40,000円と80,000×10%=8,000円の機材置き場部分を別にしていますが、合計金額48,000円で記帳して構いません。

・動画配信や、オンラインレッスンのスキルアップのために買った参考資料やオンラインセミナーの費用など
(例)レッスン動画配信のために、動画配信セミナー1万円を受講した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
研修費10,000現金10,000

レッスン動画を配信するために、その配信方法を学ぶなどの目的でセミナーを受けることは必要経費と言えますね。

・オンラインでの活動を始めるためにホームページを作成した費用
(例)動画配信を告知するため、業者にホームページを15万円で制作してもらった

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費150,000普通預金150,000

オンラインで事業を行っていることを告知するためのホームページ制作費用は必要経費と言えますね。ただし、制作費の中に受注システムなどのプログラム・データベースなどがある場合は、それらはソフトウェアとして減価償却を検討する必要がありますので注意しましょう。

ネットショップを始めた場合に経費として認められるもの

小売業の方の中には、お店や委託販売先が休業になって、通信販売を始めた方や、飲食店経営をされている方でネットでの販売に新規参入された方がいるでしょう。店舗の家賃と同様、ネットショップ開店にも費用はかかります。この場合に経費として認められるものを見ていきましょう。

・ECサイトへの出店費用や登録費用
(例)ECサイト出店のため登録料5万円と出店料月額2万円を振り込んだ。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
支払手数料50,000普通預金70,000
支払手数料20,000

ECサイトへの登録料や出店料などは、ネットショップを行うのに欠かせませんので必要経費と言えますね。勘定科目は支払手数料としていますが、広告宣伝費などでも構いません。

・自社ホームページに通販ページを作成する費用
(例)自社ホームページに通販ページを5万円で追加した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費50,000普通預金50,000

自社ホームページに通販ページを追加するのは、通販事業を行っていくのに欠かせませんね。通販ページの追加費用は必要経費と言えますね。

・ECサイトへ掲載するための商品撮影費用
(例)ECサイトへ掲載するため、商品を開封して撮影を行った。商品の仕入単価は3,000円だった。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費3,000仕入3,000

※または処理なし

ECサイトへ掲載するために商品を開封するのは必要なことです。この場合、商品を仕入れたときは「仕入」としていますから、仕入から広告宣伝費などに振り替える処理をします。あえて別項目として管理するまでもない金額であれば、仕入のままにしていても構いません。

なお、開封後でも展示品特価などとして販売する場合には、棚卸の対象になりますので注意しましょう。

・商品を梱包して送るための段ボールや緩衝材
(例)梱包材1万円分を購入した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
荷造運賃10,000現金10,000

通販事業では商品を届けるための梱包材は必要不可欠です。これらの購入費は必要経費と言えますね。なお、梱包材などは「貯蔵品」として棚卸しするのが原則ですが、定期的に購入・消費する場合は購入時の経費とすることができます。

・食品表示ラベル ネット印刷の費用
(例)商品に貼付する食品表示ラベルを、3,000円でネット印刷した

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
仕入3,000普通預金3,000

商品に必要なラベルを印刷するのは必要経費と言えますね。なお、このラベルは商品に必要不可欠なものですから、仕入または仕入諸掛として仕入代金に含めます。

・ショップの売上金を引き出す振込申請を行う際の振込手数料と事務手数料
(例)ECサイトに預けてある売上金100,000円の振込申請をした。事務手数料1,650円と振込手数料440円が差し引かれて振り込まれた

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金97,910売掛金100,000
支払手数料1,650
支払手数料440

ECサイトから売上金を振り込んでもらうときに、事務手数料や振込手数料が差し引かれます。これらの手数料は事業資金に関する手数料ですから必要経費と言えますね。

・宣伝、広告費用
(例)商品告知のため、リスティング広告代金5万円を支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費50,000普通預金50,000

通販にかかる商品を見つけてもらうためにリスティング広告を打つのは必要経費と言えますね。

・配送料
(例)販売した商品の配送料1,000円を支払った

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
荷造運賃1,000現金1,000

販売した商品の配送料は荷造運賃として仕訳します。なお、仕入る商品の送料は仕入金額に含まれますので、仕入または仕入諸掛などとします。

・キャンセルとなった場合
(例)売り上げた商品がキャンセルで返品された。受領していた売上代金5,000円を振込料220円を差し引いて振り込んだ。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売上5,000普通預金4,780
普通預金220

売上代金を返金するときに、振込料を差し引いた場合は、その分も売上代金の返金として勘定科目は売上(のマイナス)または売上値引・返品などとします。

確定申告のためにおさえておくべきポイント

次に確定申告のためにおさえておくべきポイントについて説明します。

青色と白色で経費に違いはあるのか

白色申告と青色申告で経費になる・ならないが変わるということはありませんが、青色申告でしっかりと帳簿づけをすることで、さまざまな特典を受けることができます。

実際にかかった経費からさらに控除を認めてくれる最大65万円の青色申告特別控除(複式簿記の場合)や、備品等につき一度に経費化できるのが一組10万円未満から30万円未満に特例で拡大されたりと、税金の面で有利になります。

確定申告で必要な簿記には、現金の出入りを単純に記帳する単式簿記と、すべての取引を借方と貸方に分けて記帳する複式簿記の2種類があります。青色申告では、複式簿記で帳簿の記録を行うことになりますので、確かに作業的な手間がかかりますし、簿記の知識が少し必要にはなります。もし、難しいと感じる場合、「やよいの青色申告 オンライン」を使えば、かんたんに帳簿を作成することができます。

事業所得と雑所得の考え方

所得税はその収入を10種類の所得に分けて申告します。そのうち、個人事業主の収入は、事業所得か雑所得になります。

事業所得は、ざっくりいうと自己責任で営業をして収入を得ていて、繰り返して仕事を続ける姿勢が認められるなど、客観的に見て事業といえるものがあたります。収入は得ているが事業というには至らない、事業所得にあたらないと判断されれば雑所得となります。

では収入がいくらまでだったら雑所得かというと、明確な金額の基準はありません。例えば本人の口から「小遣い稼ぎ」とか「生活の足しに」などという言葉が出るようでしたら雑所得かな、と思います。

事業所得と雑所得の大きな違いは、雑所得は青色申告の対象にならないことや、赤字の場合でも給与所得など他の種類の所得と相殺できないことが挙げられます。

副業をして活動している場合

アルバイトをしながら業務委託をリモートワークで行っている場合、確定申告ではそれぞれ給与所得、事業所得や雑所得として区分して所得を計算し、最後に合計して所得税を計算することになります。

確定申告は原則としてその年のすべての所得を申告するものですので、申告漏れにならないよう気をつけましょう。

まとめ

リモートワークといえども、場所が家になっただけで、外で仕事をするのと内容は変わりません。しかし、家の中のことだけに、仕事だったのかどうかを客観的に判断するのが難しくなります。

経費性をはっきりするためにも、忘れないうちに領収書にメモするなどし、帳簿づけをため込まないようにしておきましょうね。

photo:Getty Images

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この記事の執筆者

宮原 裕一(税理士)
宮原 裕一(税理士)

1972年生まれ。税理士。弥生認定インストラクター。「宮原裕一税理士事務所
弥生会計を10年以上使い倒し、経理業務を効率化して経営に役立てるノウハウを確立。弥生会計に精通した税理士として、自身が運営する情報サイト「弥生マイスター」は全国の弥生ユーザーから好評を博している。
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